戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man

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今日の横浜北部は雨かと思ったら意外に晴れまして、けっこう蒸し暑い感じでした。

さて、ルトワック本のゲラ直しも終盤にかかってきまして、最後の追い込み状態に入ってきているのですが、前回のエントリーでも引用した彼の韓国分析について、もう一箇所面白いところを抜き書きしておきます。

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●教育を受けた若い韓国人たちの反米感情について述べてみよう。彼らは単なる事故が起こっただけでも容易に怒りを爆発させてしまう。そして直ちに自国の政治指導者たちを「米国の言いなりだ」と言って問い詰めるのだ。

●なぜこうなってしまうのかについてはわざわざ説明する必要はないだろう。それは人間の感情として、最も根本的なものに根ざしたものだからだ。

●つまり、見返りを求めない施しというのは、受け取り側の屈辱感へと容易に変化するからだ

●これについて興味深い例は、アルメニアの例だ。この国の大統領ヌバル・パシャ(Nubar Pasha)は、若い事務員が下品な噂を広めていると聞かされた時に、「さて、彼にどんないいことをしてやったのか思い出せないのだが」と答えているほどだ 。

●韓国の学界では、朝鮮戦争は米国の陰謀か米中の共謀であるという馬鹿げた考えが驚くほど信用されている。

●一方でそれほどあからさまなものではないが、韓国女性とつき合っている米兵への人種差別的な悪感情は、数十年にわたっていまだに強い。

●こうした情況こそ、反米感情が煽動されたり誇張される背景にある、語られざる部分なのだ 。

●さらに重要なのは、「重要性が低下していくと考えられる米国よりも、中国のほうが自国にとってはるかに重要な貿易相手になる」と韓国人が考えていることであり、この傾向は日本人や欧州人と比べても強い。

===

ルトワックのこの分析は、いわゆる「恩を仇で返す」「飼い犬に手を噛まれる」というメカニズムのことを言っていると思うのですが、個人と個人のつきあいだったらまだしも、国家と国家の間では、意外とこのようなことが日常茶飯事として起こっているということも言えそうな。

つまり「逆説的」(パラドキシカル)ですが、施しを与えれば与えるほど、逆に恨まれることもある、ということを我々はもう少し肝に銘じておかなければならないのでは?ということです。

ここで重要なのは、個人レベルの分析を国家レベルに適用しようとすると大きな間違いにつながる、という点でしょうか。

日本の政治家たちの議論を聞いていると、どうも国家の話を個人レベルの話に置き換えて考えてしまっている人が多いような気がしてならないんですが。

東アジアとアメリカの関係を見ると、ますますそのようなメカニズムが浮き彫りになってくるような気がしてなりません。


「中国の地政学と大戦略の失敗」CD



by masa_the_man | 2013-06-29 22:30 | 日記 | Comments(6)
今日の横浜北部は昼前から晴れてきまして、午後はスッキリ快晴に。日差しは真夏ですね。

さて、この記事を書いている現時点で、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が中国を訪問中です。この話題について少し。

韓国の歴代大統領は、就任してからまず同盟国であるアメリカや日本に先に訪問するのが建国以来の「恒例」になっていたわけですが、朴大統領はアメリカの後に、今回初めて中国を訪問しております。

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(FNNより)
※参考記事※
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130627/kor13062707300000-n1.htm

このような動きというのは、普段、国際政治を分析する者にとっては、少々不可解な動きに見えます。

というのも、普通の地政学の考え方からすれば、韓国は今まで通りに、アメリカと日本との安全保障的な結びつきを強め、北朝鮮を牽制しながら、中国を警戒するような動きを見せなければならないわけです。

ところが今回は、中国に積極的にバンドワゴニング(追従)する姿勢を見せております。このようなことはなぜ起こったのでしょうか?

これについて参考になるのが、本ブログをご覧の皆さんにはすでにおなじみの、来月の末に新刊として出る予定の『自滅する中国』という本の中で展開されている、戦略家エドワード・ルトワック氏の分析です。

ということで今日はこのルトワック氏の韓国の戦略状況の分析の要点をご紹介。

ルトワック氏によれば、韓国の戦略状況は以下の要点にまとめられることになります。

===

●国家は普通は独立を尊ぶものだが、従属したがる国もある。それが韓国だ。

●彼らは中国と中国人にたいして、文化面で深い敬意を持っている。
中国の「マーケットの将来性」にもその原因がある。

●韓国における中国と中国人への尊敬の念は明の時代にまでさかのぼることができる
その一番の担い手は、知的エリートとしての官僚である両班だ。

●面白いことに、中国文化の影響が非難されるのは北朝鮮
北では漢字は事実上禁止され、ハングルの使用だけが許されているほど。

●韓国では教育水準が高ければ高いほど反米の傾向が強まる。
 しかも最近はアメリカが衰退していると考えられているために、
 中国の重要性のほうが相対的に高まっている。
 個人で中国でビジネスを行っている人が多いという事情もある。

●極めて奇妙なことに、韓国は大規模な北朝鮮の攻撃を抑止するのは、
 グローバル規模の軍事力を持つアメリカの役目だと考えられており、
 実際に天安沈没事件や延坪島の砲撃事件にたいしても
 (死者が出たにもかかわらず)ほとんど報復は行っていない。

●つまり実際のところ、韓国政府は米国と中国に依存する
 従属者
となってしまっている。
 米国には全面戦争への抑止力、そして中国には
 一時的な攻撃にたいする抑止力を依存しているのだ。

●ところがこれは、アメリカにとって満足できる状況ではない。
 韓国を北朝鮮から庇護するコストとリスクを、
 アメリカは独力で背負わなければならないからだ。

●その上、韓国への影響力は中国と折半しなければならない。
 中国は北朝鮮への統制を中止すると脅かすことで、
 常に韓国政府を締め上げることができる
からだ。
 今のところ韓国が中国に声を上げることはない。

●米韓同盟を形成しているものが何であれ、
 そこには共通の「価値観」は含まれていない。
 なぜなら韓国はダライラマの入国を中国に気兼ねして
 堂々とビザ発給を拒否
しているからだ。

●現在のような政策を保ったままの韓国は、いわゆる「小中華」の属国として、
 しかも米韓同盟を続けたまま、中国による「天下」体制の一員
 となることを模索
しているのかもしれない。
 韓国が自国の安全保障のコストとリスクを受け入れず、
 かわりに従属者になろうとしているのは明らかだ。

●このような韓国の安全保障の責任を逃れようとする姿勢は、
 「日本との争いを欲する熱意」という歪んだ形であらわれている
 ところが日本との争いには戦略的に何の意味もないし、
 日本へ無理矢理懲罰を加えても、韓国側はリスクを背負わなくてすむのだ。

===

いかがでしょう。

このルトワックの分析の要点をさらに簡潔にまとめれば、

1、米国に従属している韓国は、同時に中国にもすり寄っていこうとしている。

2、その大きな理由は二つ:歴史的・文化的な面での尊敬と、ビジネスのチャンスだ。

3、安全保障面では、北のコントロールを中国に、そして前面戦争の抑止は米国に依存。

4、その責任逃れの憂さ晴らしとして、日本にたいする情熱的な敵対心を展開。

となります。

アメリカ人がこのような分析をするというのは意外な感じがしますが、ルトワック自身はこの韓国の戦略を「大間違いを犯している」として非難しております。

もしこの分析が正しければ、韓国はこれから米中を両天秤(ヘッジング)にかけながら、その不満を日本に向かって吐き散らしていくという、今の構図がますます強まるのかもしれません。

しかし、果たしてこのような政策を韓国はいつまでも続けていけるのでしょうか?

ということで今後の韓国と中国の動きにますます注意していきたい今日このごろです。


「中国の地政学と大戦略の失敗」CD

by masa_the_man | 2013-06-27 18:45 | 日記 | Comments(9)
今日の横浜北部は雨がよく降りました。梅雨に戻りましたね。

さて、ニカラグア運河については日本でもささやかに報道されておりますが、それについて面白い記事がありましたので要約を。

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ニカラグア運河は大プロジェクト、それとも大ペテン?
by アンドレス・オッペンハイマー

●ニカラグア政府が中国の企業と結んだ400億ドル(ほぼ4兆円)の運河建設の契約は、パナマ運河と競うラテンアメリカでここ百年で最も重要な建設計画になるか、それともこの地域の歴史で最大の詐欺になるかのどちらかだ。

●そしてこれが後者になると考えられる理由は多い。

●ところが最大の問題はなぜ評判のよいアメリカのコンサルタント会社(マッキンゼー、マクラーティーアソシエイツ、そして反汚職で有名なロナルド・マクリーン・アバロアを含む)がこれほどまでに怪しげなプロジェクトに参加しているのかという点だ。

●ニカラグアのポピュリスト的な大統領であるダニエル・オルテガは、今月はじめに41歳の中国のビジネスマンであるワン・ジンと契約を結んでおり、これは非公開入札によって行われ、しかもワンの会社は運河を建設した経験があるのかどうかさえ知られていないのだ。

●ワンはオルテガの27歳の息子であるラウレアノ・オルテガのお目付役としか知られておらず、これによってオルテガ家もこの取引にからんでいると疑われている。

●ニカラグアの報道によれば、ラウレアノはニカラグア政府の投資推進部門である「プロ・ニカラグア」で働いているという。

●この合意はオルテガがコントロールしているニカラグア議会をたった48時間の議論で通過しており、ワンのもつ「香港ニカラグア運河開発投資会社」(HKND)に50年間の運河建設許可を与えており、この許可はさらにオプションとして50年以上伸ばせるという。

●論者たちはこれはニカラグアの主権の記念碑的な明け渡しであり、ワンはほぼニカラグアという国家そのものを獲得したも同然だと言われている。

●ニカラグアの「コンフィデンシャル」誌の代表であるカルロス・フェルナンド・チャモロは「近年最大のスキャンダルです」と述べている。「パナマ運河の拡大の時は公共入札が行われ、それが国民投票にもかけられましたが、ここでは政府が勝手に勝者を選んでたった一日半で法律を通してしまったのです」

●駐北京のラテンアメリカ諸国の大使たちが私に教えてくれたところによれば、中国政府はこのプロジェクトにまったく関与していないということであり、中国の政府高官はなるべくそれから距離を置こうとしているという。

●それにたいしてアメリカ側の政府高官たちは、この計画についてあまりよく知らないと言っている。

●国務省のラテンアメリカ担当の高級官僚であるロベルタ・ジャコブソンは「これまで透明性がありませんでしたからわかりません」と私に教えてくれた。

●ところがHKNDのために働いているアメリカのコンサルタントたちは、ワンの経歴などを調べており、彼自身が怪しい人物だったら社の評判を汚すようなことはしないと言っている。

●ところがワンは来年にかけて運河建設の可否を調査するだけで4500万ドルを支払うとしているのだ。

●たしかに公共入札ではなかったが、HKNDの職員によれば、ニカラグアの天然資源法によって投資者に許可を与えることが許されているという。さらに彼らによれば、ニカラグアはこのプロジェクトに投資する会社を何十年間にもわたって探していたというのだ。

●ワシントンのコンサルタント会社のマクラーティーアソシエイツ社(クリントン政権の主席補佐官が率いる)のスティーブン・ドネホーは、「このプロジェクトをとる前にわれわれは彼のことを調べ上げており、彼は中国政府の手先ではないとわれわれは確信しております」と言っている。

●さらに加えて、「彼はチャンスを求めている起業家であり、自分の資金をリスクにさらしながら計画の調査をしているのです」と述べている。

●HKNDの公式報道官であるマクリーン・アバロア(ボリビアの元政治家/対汚職専門家、後に世銀で働く)が私に教えてくれたのは、ワンの狙いはプロジェクトの透明性を保つことにあるという。なぜなら調査が終われば彼は国際的な資金マーケットで資金を集めなければならないからだ。

●「誰もサギにお金なんか突っ込みたくないですからね」とマクリーンは述べている。

●運河計画におけるオルテガの息子の絡みについてマクリーンは、「彼の関与は政府機関としてのものであり、個人的なものではありません。彼の仕事は国家に投資を呼び込むことなのですから」と答えている。

●私の意見はこうだ。それでもこれはかなり怪しい契約だ。ラテンアメリカの中でも最も非民主的な大統領が関わっており、しかも公共入札は行われておらず、そして誰もよくわかっていない中国のビジネスマンがその契約をとっているのだ。

●もしワンが中国政府の手先ではなく、個人的な事業として行いたいのであれば、彼はダニエル・オルテガに国民投票を―ーパナマがやったように――かけて、そのプロジェクトが法律に基づくもので、経済、環境、そして社会的にも正しいものであるか判断させるべきである。

●そうでなければ、他の投資家はあらわれないだろうし、最大の勝者はニカラグアではなく、ワンのプロジェクトからすでに大金を得ているアメリカのコンサルティング会社だということになるのだ。

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ニカラグアに運河つくっても、パナマの三倍近くの長さになってしまうんですよね。それでも中国は自分でチョークポイントを握りたいんでしょうなぁ。


by masa_the_man | 2013-06-26 23:05 | ニュース | Comments(6)
さて、昨日のつづきです。

僕の子供はテクノロジーに没頭している。そしてその間違いは僕のせい。
by スティーブ・アーモンド

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●我が家で「リープスター・インブログリオ」事件として知られることになったエピソードをご紹介しよう。

リープスターをご存知ない方に念のために解説するが、これは「学習ゲームシステム」のことであり、4歳から9歳までを対象としたものだ。娘のジョシーはこれを一年前から欲しいとせがんでおり「友達二人は持っているのにあたしは持っていないの!」と最近になって母に向かって涙ながらに訴えている。

●妻はこの話を僕に教える時に実際に涙を流しながら語ってくれたのだが、僕自身もこれを聞いてひどく不憫な気持ちになった。なぜなら僕の娘の心の中で、ひとつの電子機器がそれほどまでにパワフルな存在になったからだ。ところがさらに悲しかったのは、僕が彼女が感じていた気持ちがよくわかったからだ。

●彼女が生きているこの時代は、僕らが子供時代にすでに予知されていたことだ。

●彼女がおばあちゃんのキンドルを借りてゲームを十回連続でやったり、息子がアニメに没頭しているのを見ると、僕が子供の頃を思い出すのだ。愛に飢えていながらその焦った気持ちや退屈を紛らわせるために電子機器に頼っている状態だ。

●この昔の体験が気にならなかったとしても、僕は親として失敗しているという事実には向き合わなければならない。結局のところ、子供たちの前にスポンジボブ(アメリカのキャラクター)の前におくのは、それが彼らのために良いからではなく、われわれにとって便利だからだ(われわれはこれを「静かな時間」と呼ぶ。もちろんその呼び名は単なるまやかしにしかすぎないのだが)。

●もちろんわれわれの子供たちは、このような後に落ち着きがなかったかっり短気になったりするのかもしれないが、実際にわれわれはこのような「取引」を毎日行っているのだ。

●僕らが子供の頃の時代には、僕らの友人たちもテレビを消して本を読んだり外に出て遊ぶのは正しいことであるという文化的な背景があった。スクリーンの前で座っているだけでは「本当の世界」が体験できないことはみんな知っていたのだ。つまりスクリーンの前に座るのは単なる気休めだったのだ。

ところが今日はスクリーンこそが現実の世界であったり、もしくはそこが世界の一部であることが少なくとも認められている。そしてそれは単なるおとぎ話ではすまされない話なのだ。

●先月僕がアップルが小学生以下の子供たちに売り込もうとしていることに不満を述べると、ジョシーは僕に向かって「iPadは教育用のツールなのよ、パパ!」と宣言している。

●彼女自身の読解力の向上はたしかにその言葉の正しさを支持している。われわれ夫婦は彼女に一年ほどなんとかして入門レベルの本を読ませようと思ったが、それでもかなり難しかった。

●すると彼女の先生はわれわれに本を読み聞かせするサイトのアドレスを記したノートを送ってきたのだ。このサイトでは、本を読む前にアニメがあったり、クイズが出て点数をかせぐことできるというようなものだった。それ以来、彼女は50冊ほど読んでいるのだ。

●ジョシーはもちろん「読書」が彼女の最も嫌いなことであることを繰り返し証明してくれているのだが、彼女のこのような姿を見ていると、また自分の子供時代を思い出してしまう。それは読むことを楽しむのではなく、点数を稼ぐことのほうに興味がある状態だ。

●さらに僕が嘆いているのは、彼女がスクリーンを通して読書するのが好きだということではなく、スクリーンが想像的な体験を変化させて薄めたりしてしまうからだ。

●もちろん6歳の彼女が将来25歳になったら当時の僕のように「解放」されるようなことを期待するのは愚かなことかもしれない。彼女は僕が子供の頃(そして十代や大人になっても)と同じようにほぼ衝動的な決断をするのが仕事であり、僕の仕事は、僕の決断を押し付けるのではなく、彼女自身が決断できるようにすることなのだ。

●それでもテクノロジーの急激な発展に衝撃を受けている親は僕だけではないはずだ。しかもそれはあらゆる分野に及んでおり、そのすべてが小さな携帯機器の中に集約されてきているのだ。

●ではこれらの魔法のようなデバイスを、僕たちはスクリーンの外にある世界の不思議の感覚を損なわずに子供たちに渡すことができるのだろうか?

●僕は人間の脳は柔軟な器官であると気付いている。僕の娘は僕がやったこともないやりかたでテクノロジーを使いこなすことができるようになるだろう。つまり集中力を切らさず、想像力を刺激し、彼女の可能性を拡大するために使いこなせるのだ。

●そして僕はほとんどの人々が自分たちのデバイスを、比較的害の少ない形で効率性とつながりを高めてくれるものであると見ていることも知っている。

●それでも僕は批判的だ。

●ジョシーが来年学校で手にするiPadは、莫大なアーカイブにアクセスができるものであり、たとえばショウジョウコウカンチョウ(カージナル)という鳥についてのビデオなんかすぐ見られるはずだ。

●でも本物の深紅の姿が5分間息を殺して待った後に枝に現れた時の感激は、タブレットをクリックしただけでは味わえないのだ。

●このような感覚を僕は彼女に大切に覚えておいてもらいたいと思う。そして僕と娘の両方がそう思ってくれていたら最高だ。

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以上。

テクノロジーの変化というのは地政学的にも重要なんですが、それ以上に社会生活やわれわれの文化や生き方そのもののほうに直接的な影響を及ぼすことになりますね。

たとえばアメリカで通信ケーブルが発展したために新聞で使われる英語が標準化、統一化されたという話はその典型です。

しかし最近のデジタル化やスマホ化というのは、我々の生活に数十年後にどういう影響を与えていることになるんでしょうね・・・まったく想像がつきません。


by masa_the_man | 2013-06-25 22:40 | Comments(2)
今日の横浜北部は雲が多めでしたがなんとか晴れ間が見えました。梅雨の晴れ間という感じです。

さて、私が長年興味を持って追いかけているテクノロジーについて、今度は教育についての興味深い記事が。かなり長いです。

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僕の子供はテクノロジーに没頭している。そしてその間違いは僕のせい。
by スティーブ・アーモンド

●数ヶ月前に自分の娘ジョシーの幼稚園の授業参観に出かけた。そのハイライトは、われわれの子供たちがiPadを使って書き方を習っている様子を映したスライドだった。親たちはここで驚いた。

●僕はたまたま先生の隣に座っていたので、自分が聞いた噂を先生に聞いてみた。翌年にこの町のすべての小学生たちが、それぞれ自分用のiPadを提供されるのではないかという話だ。

●先生の答えは、この試験的な計画はわれわれの家から三ブロックは慣れた新しい学校で採用されるはずだというものだ。ぼくの娘のジェシーは翌年そこに通う予定になっている。「あなたは幸運な親御さんですね」とは先生の弁。

●このような意見は学校のバスの停留所でも同じように聞かれた。iPadがやってくる!これでわれわれの子供たちは学ぶことが大好きになるだけでなく、彼らは最新のイノベーションを使ってそれを行うのだ!ところが僕はこのような会話の中で、一人大きな不安を感じていた

●僕が不安を感じていたのは、僕が反テクノロジー主義者(ラッダイト)だからではない。誓って言うが、僕はiPadがしっかりとした計画にのっとって導入さて監督されていけば子供たちの学びを強化するはずだし、自分たちの好きなペースで学習させることができると感じている。

●現在のようにクラスの人数が多い時代には、もちろんこれが実現するかどうかは誰にもわからないことなのだが、僕の直感では、われわれの学校はなんとかやりこなしてくれると思う。僕たちは才能溢れる先生や両親たちのいる地域に住んでいるからだ。

●正直に言えば、僕が気になったのはブランドの名前を冠した製品が学校の供給品として必需品にまでなった点である。

●さらに僕が心配になったのは、iPadがクラスを社会的環境から、それぞれの生徒が個人的な教育ガジェットをいじって離れることができなくなっているような、地下鉄の列車の中のような状況に変えてしまうのではないかという点だ。

●ところがこのような心配の底にあったのはさらに根本的な不満だ。それは学校システムが、そのつもりもないまま、僕の子供への教育を誤らせてしまうのではないかということだ。僕がとくに注意しているのは、子供になるべくスクリーンを見させないようにするという点だ。

●このような努力は、そもそも僕自身の初の「デジタル世代」としての体験から来ている。そしてこの葛藤は、僕の中でいまだに「テクノロジーの素晴らしい恩恵を活用する」というものと、「スローで不便なアナログ世界の歓び」として衝突しているのだ。

●僕がいま経験しているのは、実質的に世代的な「応報」であり、われわれの子供たちが、テクノロジー革命を突き動かすせっかちな欲望に直面しなければならないことを考えた時に吐き気をもよおすのだ。

僕はテレビを持っていない。そしてこのことを自慢するような「面倒くさい奴」かもしれない。そう思われて当然のところはあるだろう。

●でも実際にこれを言うのは誇らしい部分がある。なぜなら僕はまるで時代の表層的な動きとは逆行しているからだ。

●だがその理由について僕はほとんど口にしないことにしている。なぜならもしテレビを持っていると、僕はずっとそれを見続けてしまうからだ

●僕が子供の頃、僕と兄はテレビに夢中で、それに関する言葉を色々とつくったほどだ。テレビをつけてチャンネルを制御している兄は「発する」という言葉を使っていた。その意味はわからなかったが、僕もその言葉を「テレビをコントロールすること」だと理解していた。

●このような話は1970年代のことだ。僕たちはテクノロジーが発展し始めた新しい世界に生きていたのであり、その数年間に最新式の計算機やゲームセンターのゲーム機などが表れることになった。僕はそのようなゲームを最後のコインまで徹底してやるような子供だったのであり、それで寂しさを確実に紛らわすことができと知っていた。

●僕が大学を卒業するまでにはパソコンの時代が始まっていた。僕は自分のパソコンでフリーセルやトランプのゲームで没頭した。

●ところが20代半ばにくると一つの転換期が訪れた。僕は本を読んだり小説を書き始めたのだが、そこですぐ明らかになったのは、僕の仕事の質は無駄な事に使う時間をいかに省けるのかという能力に直接的に比例して上がるということだ。

●僕はここ20年間で、人間の注意を引きつけることにすべてをかけている「画面」の永遠の誘惑から自分を切り離す戦いを続けている。

●この戦いに僕は勝っているのだろうか?微妙なところだ。僕は同時代の人間より少し遅れているのだろう。

●でもテレビやスマホがなくても、僕たちの家はコンピューターに支配されている感じることがある。とくに僕と妻(彼女ももの書きだ)が家で働いている時などはそうだ。僕らはスクリーンと何時間もにらめっこしているし、そこでも仕事から注意をそがれていることが多いからだ。

●僕らの子供はこの不安をさらに増幅されている。僕たち夫婦はジョシー(6歳)とジューダ(4歳)の二人が一日に画面を見る時間を45分に制限している。でも彼らはうまくごまかしてそれ以上見ている。ビデオを抱え込んでおじいちゃんやおばあちゃんたちとテレビ電話をするとかだ。

●彼らはテクノロジーに溢れた世界でこれから育つわけだから、その誘惑も倍増することになる。

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長いのでこの続きはまた明日。


by masa_the_man | 2013-06-24 22:15 | 日記 | Comments(0)
さて、つづきです。

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●中国はベンガル湾周辺の国々と政治的・経済的・軍事的な結びつきを強めており、主にその理由は中東やアフリカからのエネルギーへのアクセスを確保するというところにあるようだ。

●これらの国々の中でもミャンマーは中国のインド洋につながる戦略的野望にとって最も重要な国である。中国は公式的にミャンマーの国際社会への復活を祝っているが、同時に長期的な安全保障の権益を確保したいと考えているのだ。

●北京政府はこの代替的なエネルギー供給ルートの開設を、東シナ海と南シナ海における領海争いの状況への対抗策として見ている。ミャンマー中国パイプラインは、中国にインド洋へのアクセスをもたらすことになり、アジアの大国ゲームに新しい動きを及ぼすことになるのだ。

●ところが中国はすでにミャンマーにとっての「唯一の友」ではなくなっている。テイン・セイン大統領の五月の訪米はオバマ大統領のミャンマーへの歴史的訪問のたった半年後に行われているのだ。両国高官同士の交流の高まりはアメリカのミャンマーにおける利害が大きくなっていることを示しており、これは「軸足」戦略にとって有利であるとアメリカは考えているのだ。

●アメリカはミャンマーの改革の支援を協調しており、ミャンマー側は自国の大統領の訪米はアメリカからの投資を促すものと期待している。

●中国の専門家たちは米・ミャンマーの関係復活を、アメリカによる中国の台頭の「封じ込め」の一環であると見ているのだ。

●日本おミャンマーへの関与を復活させている。日本の安倍首相は五月にミャンマーを訪問しているが、この後には野党の代表であるアウンサンスーチー女史が訪日しており、日本は5億ドルもの新しいローンを提供しており、安倍首相の訪問中には174億ドルもの対日負債を帳消しにしている。

●その理由は、少なくともジャパンタイムス紙の記事で明確に述べられている。安倍氏の訪問の直前に書かれた論説記事では、「日本の動きの理由の一つは、中国の影響力の増大に対抗するためだ」と書かれている。

●インドはこれまでのところ、あまり動いてはいない。中国の李克強首相が5月にインドを訪れた時に、「インドと中国は、共通の近隣諸国にたいする友好的な関係の強化を助け合う、互恵的、ウィンウィン的な結果を得るという点で合意した」と述べている。

●パイプラインは北京にとってエネルギーの代替的な輸入ルートを与えてくれることになる。アメリカがこの地域の優位を保っていることから、中国にとってこれは極めて重要だ。ところが北京が長期的にこのパイプラインのおかげで得る戦略的有利は、ミャンマー国内の発展と、それにおける中国の関係に左右されることになるのだ。

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微妙な時期に完成したんですね。建設そのものは中国とミャンマーの関係が悪化する前から始まっていたわけですから、結局はミャンマー国内の政治的バランスの問題に焦点を当てて考えるほうが有益なのかもしれませんが。

やはり伝統的に情報をとれている日本についても触れてますね。

何度もいいますが、(古典)地政学で大事なのは資源の場所と、その運搬ルート(の安全)です。そういう意味で、このパイプラインの開設はたしかに重要ですね。

実質的な意味でも、シンボリックな意味でも。


by masa_the_man | 2013-06-23 00:00 | 日記 | Comments(1)
今日の横浜北部は朝から晴れまして、気温もかなり上がりました。まだ朝晩は涼しいのでよいのですが、真夏になるのがコワい・・・

本日はチャリティー講演会にご参加いただき、本当にありがとうございました。いずれまたこの関連のネタで開催しようかと考えております。

と、そのようなことを考えていたら興味深い記事がありましたので要約します。時間がないのでまずは前半だけ。

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中国の新しいエネルギールートの地政学
By K.ヨーメ

●中国国営の中国石油天然気集団(CNPC)は、ミャンマーから中国までつなぐ、天然ガスのパイプラインの建設を、先月の五月二八に完了した。同時に石油パイプラインもすぐに完成させるところまできている。

●パイプラインは7月1日に、ミャンマー西岸のベンガル湾から昆明(雲南省の首都)までガスを運び始めることになっており、石油パイプラインのほうは年内に中国の原油をペルシャ湾やアフリカから運び始めることになる。

●この中国への石油とガスの新しいルートは、この地域の地政学的な情勢にとって非常に重要な痕跡を残すことになり、主要国の戦略的計算にとってカギとなる要素を構築することになる。

●まずこのパイプラインは中国が南西部の省とインド洋をつなげるという夢の実現である。中国は研究者たちによって言われている、いわゆる「二大洋戦略」(two-ocean strategy)の完成に一歩近づいているといえる。これはインド洋と太平洋の両大洋で海洋コントロールを達成するということだ。

●パイプラインは戦略的にも非常にタイミングのよい時に完成している。エネルギー安全保障が地域の地政学にとって支配的となり、この石油パイプラインは戦略的に致命的なマラッカ海峡を通る石油の3分の1の量の海上輸送をバイパスできることになったからだ。

●北京はこの海域を「アメリカがコントロールしているシーレーンである」と見ており、いざ紛争になった時にはそこに資源を依存していることになるため中国の脆弱性が増すと考えているのだ。

●現在中国の80%の原油の輸入はマラッカ海峡を通過しているのだ。

●このパイプラインのロケーションが重要な理由は他にもある。ミャンマーはこの地域の主要国の影響力を争う場となっているのだ。中国は段々とミャンマーの利害を高めていたが、最近のミャンマーの突然の変化は中国にとって思わぬ障害となっており、「新しいミャンマー」に対処し、アメリカと日本の新しい政策に対抗すべく政策を考え直さなければならなくなったのだ。

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つづきはまた明日。


by masa_the_man | 2013-06-22 22:11 | 日記 | Comments(0)
今日の横浜北部は蒸し暑いですが曇ってます。

スパイクマンの音声も無事に撮り終えまして、これから土曜日の講演会などの準備をはじめております。その合間にルトワックのゲラもやりながら地政学の本も書くので、けっこう忙しい毎日です。

さて、アメリカ史上最大のリーク事件ともウワサされるエドワード・スノーデンのNSAリークについて、ひとつ面白いコメントがありましたでのその記事の要約を。

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エドワード・スノーデンは中国の「有益なアホ」か?

●スノーデンはアメリカの監視と国家機密を暴きたかったという。ところが香港に逃げたおかげで、彼はその両方の分野ではるかにひどい記録をもつ国を、意図せずに助けたことになる。

●NSAのサイバー監視計画についての機密情報を漏らした人間であると公式に表明してから、エドワード・スノーデンは香港への逃亡を「愛国的な行動である」と主張している。

●その当時に彼は「英雄」と「売国奴」のどちらかと聞かれたときにも、彼はそのどちらでもなく、「ぼくはアメリカ人です」と主張している。

●そして本日のガーディアン紙によって開催された公式の質疑応答セッションでは、この元国防関係者の愛国主義はさらに明確にされている。これから彼と同じようなリークをしようとする人にたいして、スノーデンは単に「この国のために命を捧げてもいい」と言っているのだ。

●皮肉なことに、スノーデンの暴露によって一番得をするのはアメリカというよりも、彼がいま滞在中の中国だ。

●このような奇妙な主張が示しているのは、チェイニー元副大統領のような人々が指摘していように、スノーデンは中国の「ダブルエージェント」であるということであり、これは彼にとっては明らかに笑い話である。

●この質疑応答の時に中国のスパイだったらどうかと聞かれ、スノーデンは「もしぼくがスパイだったら宮殿に住んでいて不死鳥を飼ってますよ」と答えている。

●スノーデンは中国の政府とは何もコンタクトをとっていないと主張しているが、この主張がどこまで正しいのかは怪しい。というのも、彼が泊まっているホテルの周辺のフロアのいくつかは中国側のエージェントによって占められていると考えられているからだ。

●そしてエヴァン・オスノスによれば、北京政府は彼の居場所について詳細に見張っているという

●そして香港の基本法によれば、中国は国家安全保障の名のもとに彼の本国送還を拒否できる権限をもっており、右派の環球時報はすでにこの解決法を主張している。

●ある意識調査によれば、スノーデンの本国送還に反対している中国国民の数はその逆の立場をはるかに上回っており、このアメリカ人は彼らにとってちょっとした「英雄」的な存在になっているのだ。

●中国政府の決定が何であれ、スノーデンの香港への突然の登場は、自国のサイバー詮索を責められていた国にとっては大きな象徴的な贈り物となっている。

●アメリカのセキュリティー会社のマンディアント社が、人民解放軍が上海のビルからアメリカの軍や企業にたいしてサイバーでスパイ活動を行っていると発表してから、北京政府もアメリカが同罪であるとして非難しており、スノーデンのおかげでその正しさが証明されたのだ。

●二つ目としては、アメリカの反体制派の人間が中国の領内に逃げ込むというのは、その逆に中国の高名な反体制派の多くの人々がアメリカに亡命している事実から考えると皮肉なものだ。

●中国側がスノーデンから実際にどのようなインテリジェンスを得たのかは不明だが、これらのゲインはかなり貴重なものなのだ。

●いずれにせよ、スノーデンは中国についてそれほど気にしている様子はない。ガーディアン紙のスペンサー・アッカーマンが中国政府の保護を得るかわりにアメリカの秘密を渡すという噂についてコメントを求めると、スノーデンはこれを古い時代の「赤狩り」と同じだと述べている。

●たしかにその通りかもしれないが、それにしてもスノーデンが中国の利益のために彼の人生と自由を犠牲にしたという疑念はぬぐえないのだ。

●しかもこの国が行っている国家の監視というのは、スノーデン自身が支持している主義そのものに矛盾しているように見えるのだ。

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彼自身の身になってみると、まあ身の安全の保証はないわけで、今後はかなり不安な毎日を過ごさなければいけないのかと。

最悪なのは、中国にとってもアメリカにとっても、彼の存在を「消す」というのは理にかなっている部分があるのがなんとも。


by masa_the_man | 2013-06-19 16:19 | 日記 | Comments(5)
おしらせです。

今週の金曜日にいよいよヘビーなネタで国際地政学研究所がワークショップを行います。

その翌日の土曜日は、私が久々に地政学ネタで講演会やります。

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2013-07-IGIJ-Workshopご案内

「戦争とどう向き合うか」

日時:平成25年6月21日(金)1800-2045 

場所:アルカディア市ヶ谷(私学会館)JR市ヶ谷駅⇒靖国方向徒歩3分左
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プログラム:
  1800-1915プレゼンテーション(各25分)

「趣旨説明・戦争法規(戦時国際法)」栁澤協二 IGIJ理事長

「戦争と報道」太田昌克 共同通信編集委員

「ドイツの場合―リヒャルト・カール・フォン・ヴァイツゼッカーの示唆―」庄司潤一郎 防衛研究所戦史研究センター長
 
1915-1925 休憩

1925-2000 コメント&ディスカッション

2000-2040 Q & A

2040-2045 総括

2013年IGIJ第7回ワークショップはテーマを大きく変えさせて頂きました。国際社会において日本が堂々と胸を張って諸国と伍していくには国民一人ひとりが知見の豊かな感性を持つことが大切な要素になっていくかと思います。分けても自国の歴史を正鵠に認識することが基本として求められる、それは日本人であって日本にこよなく愛着を持つ限り必須の教養でもあります。

そこで、日本国民が自らの歴史について客観的且つ冷静な態度で認識を共有出来るように、最も悩ましく深刻なテーマについて聴講者の皆様と学習させて頂くことと致しました。

今回のワークショップでは、おそらく議論を収斂することは出来ないと思っております。この悩ましいテーマについて、皆様とどのように認識の共有へと導いていけるか、それは必ずしも史実認識を一点に絞ることではなく、理論の力で相手を捻じ伏せるのでもなく、ある認識に到る思考の環境や過程などを理解できる成熟した知見の習得へのインプリケーションを導くことにあると考えております。

皆様とのコラボレーションを得て、日本国内だけではなく国際社会の相互理解のための議論を発信できればIGIJの役割の一端を果たせるものと思い、ここにご案内申し上げます。

その他:
① 参加の皆様には、勝手ながら2000円頂戴致します(会員・学割あります)。
② 7月のワークショップ予定:7月19日(金)1800-2045(アルカディア市ヶ谷)「アメリカが見る日本」
③8月はお休みです

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以上

by masa_the_man | 2013-06-17 00:00 | ためになる情報
つづきです。

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●中国の台頭についてあまりに怖がらないことが重要なもう一つの理由は、パワーの拡散である。

●中国とアメリカ(そしてヨーロッパ、日本、その他の国々)は、気候変動やテロ、サイバーセキュリティ、そしてパンデミックのような、新しい難問に直面することになる。これらの問題はより切迫したものとなり、協調が求められ、しかも多くのケースでは非政府機関の助けが必要となるのだ。

●オバマ政権の二〇一〇年の「国家安全保障戦略」では、アメリカはパワーというものをゼロ・サムではなくポジティブ・サムで考えるべきであるという事実が指摘されていた。いいかえれば、中国の台頭はアメリカ(と世界)にとって良いことになる場合がある、ということだ。

●たとえば中国が温暖化ガスの排出をコントロールして減少させるということだが、たしかに中国はこの点で明らかに大きな権力を持っている。われわれはこの分野における中国のパワーの増大を歓迎すべきであり、これには中国国内のシェールガスのガス田の開発も含まれる。これはウィンウィン状態だ。

●新しい国際的な難問の多くに対峙する上で、アメリカは誰かのパワーについて考えるのではなく、誰かと一緒にパワーをどう使うかを考えなければならないのだ。われわれは中国と協調するやり方を考えられないために恐怖に陥りたくはないのだ。

●今日の世界政治は過去二〇〇年間のそれとは違う。それはまるで三次元のチェスのようであり、アメリカに国際的な軍事力が一極集中しているが、国際的な経済力は多極的な形で分配されており、気候変動やテロ、それにパンデミックのような国際的な問題はかなり拡散しているような状態なのだ。

パワーの構造は一極ではないし、多極でもなければカオス的でもない。この三つが共存しているのだ。

●したがって、スマートな戦略は異なる分野におけるパワーの分配状態に対処しなければならず、その間のトレードオフを理解しなければならないのだ。

●世界を純粋なリアリスト的視点から見るのはもう時代遅れで割りに合わない。なぜならそれはチェスボードの最上階を見ているだけで、中国との紛争を予測しているものだからだ。

●ところリベラルなレンズから一面だけを見て、協力関係だけを予測するのも間違っている。これは三面からのゲームなのであり、ボードの一面だけに集中するプレイヤーは長期的には負けることになる

●幸いなことに、中国とアメリカは紛争的な関係よりも、協力的な面による関係から獲得することのほうが多いのだ。両者はこの点を認識すべきなのだ。

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最後に新しいアイディアを出してきましたね。つまり「パワー三面論」ということでしょうか。

1、軍事力:アメリカ一極状態
2、経済力:多極状態
3、脅威:カオス状態

ということみたいです。このオッサン、こういうアイディアだけは豊富ですな。
by masa_the_man | 2013-06-16 00:00 | ためになる情報 | Comments(5)