戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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今日の横浜北部は朝から風が猛烈に強く、午後になってから雨も混じって台風状態です。

さて、以下のようなタイトルと目次でブログを更新しましたのでご覧下さい。

ちょっと長くなってしまったのですが、手段を持たないために対外政策面で決定的な弱さを抱えている日本と、先日ここで発表した中国の若手分析家の対外政策についての見解を読みやすくまとめてみました。

まあなんというか、日本はここらへんに意識が行かないことは仕方ないのかもしれませんが・・・。

「シーパワー」を目指す中国 ■ 

1:戦略なき国家のKY総理
2:"志向"錯誤するチャイナ
3:国際政治は危険なビジネス

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来週はBRICs会合の地政学について書いてみようかと思っております。
by masa_the_man | 2012-03-31 17:47 | Comments(0)
今日の横浜北部は快晴です。春らしくなってきましたな。

さて、すでにTwitter上では流しましたが、昨日の続きを。あと二回分の質疑応答があります。

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Q:中国国内のリベラルな言論について教えて欲しい。

●かなりマイノリティーではあるが存在します。最もリベラルなのは「大きな海にある島なんかこだわるな」というもの。

●別のものとして挙げられるのは、「とにかく現状維持で行けばいい」というもの。今のような状態を長期間続けるだけでいい、というもの。

●もう一つは「中国は大きな大国なんだから小さいことにこだわるな」という主張。中国の国益や生き残りには関係ない、ケチケチするな、ということでしょうか。

●もちろんこれらはかなりマイノリティーな視点です。中国の大半は「われわれは現状を甘んじて受ける。武力を使って南シナ海を取りに行こうとは思っていない」と考えているはずです。


Q: 中国は南シナ海の80%をコントロールしようと考えているはずだ、というフィリピン側の発表者の指摘についてはいかが?

●なぜこんな結論になるのか理解できません。おそらく南シナ海についての中国の立場を表明するのに最も適切な言葉は「あいまいさ」でしょう

●私は北京政府のあらゆる主要人物の南シナ海における発言を見ていますが、80%を獲得したいということは言ってませんね。公式にはまったくそのようなことを言っておりません。

●だから「あいまい」なのです。シンガポール政府が去年、中国政府にたいして「南シナ海における立場を明確にして下さい」と言われたのはまさにその理由からなのです。

●中国政府自身はこの海域についてのどのような権利も明確に言っていません。対外政策の人々が言っているのは、「中国はこの海域に権限を持っている」ということだけであり、どの権限を持っているのかについては何も言っていないのです。

●だから私は「80%の主張という証拠を見せてくれ」と言うしかないのです。


Q:中国は国内問題を解決するために対外政策で何か紛争を行おうとするという意見に対してはどう思う?

●うーん、それについてはなんとも言えませんね。おそらくこのような国内政治と対外的な紛争との関わりについて書かれたものとして最も良いものは、MITの教授であるテイラー・フラヴェル( M. Taylor Fravel)の以下のものなどでしょうね。

"The Limits of Diversion: Rethinking Internal and External Conflict," Security Studies, Vol. 19, No. 2 (May 2010)

"China's Search for Assured Retaliation: Explaining the Evolution of China's Nuclear Strategy," International Security, Vol. 35, No. 2 (Fall 2010)(with Evan S. Medeiros)

●この研究によれば、結論は反対です。彼によれば、中国政府は国内で難問に直面している時には対外問題でも妥協することが多いということです。

●個人的にはこの分析には納得できないところがありますね。中国はやはり外国との紛争を国内問題の解消のために使っている部分はあると思いますし、その実例もあると考えています

●ところがいまは状況が完全に変わっているのではないでしょうか。

●つまり北京政府のリーダーたちが「国内を安定させられている」と感じつづけている限り、対外政策面でわざわざ問題を起こす必要はないということです。

●そして今はそのリーダーたちが「安定させている」とまだ自信を持っている時なのでしょう。

●もちろん現在でも暴動は起きておりますが、これは「人民元」(マネー)をめぐる不満なのであり、政府はマネーを大量に持っているためにまだ余裕はあるのです。

●もちろん将来これがどう変化するかは私にもわかりませんが、ひとつだけ言えるのは、中国が民主化に向かうことだけは非常に危険だ、ということです。

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あと二つ質疑応答がありますので、これは後ほどアップします。
by masa_the_man | 2012-03-29 14:09 | 日記 | Comments(0)
今日の横浜北部はよく晴れまして、ほとんど春並みという感じに。

さて、ちょっと告知は遅れましたがメルマガを更新しましたのでぜひ。今回はちょっと長めです。

諸行無常な最前線のガラパゴスアイランド

1:尖閣道中記
2:ガラパゴス的言論状況
3:日中間の「格差」

今週のニュースの中で、特に地政学的に視て需要なものは、
なんと言っても北朝鮮の「衛星」発射事件であるが、

その少し前に、中国の漁業監視船が
尖閣諸島沖の日本の領海内に侵入したという事件が起こった。

これは私にとっては、非常にタイムリーなトピックであったのだが、
今週の「アメ通」も、この尖閣諸島に纏わるエピソードを起点にして、
日本の安全保障政策上の「チョークポイント」について考察してみたい。

すでに私のブログやTwitterなどでも触れているので、
ご存知の方もいらっしゃると思うが、
私は先週、次に出す本の取材を兼ねて、沖縄に滞在していた。

日本の地政学的なホットスポットである南西諸島の状況を、
この目で確かめてみたかったからである。

しかも、今回はとある団体のご好意により、
そのホットスポットの中でも、
特にセンシティブなエリアである尖閣諸島周辺に飛ぶ機会を得た。
by masa_the_man | 2012-03-25 21:15 | 日記 | Comments(2)
今日の横浜北部は昼すぎまで小雨が降っておりましたが、夕方くらいから晴れました。

さて、来週あたりに目黒某所のある勉強会で講演をするためにテクノロジーについて調べているのですが、関連資料を色々と読んで気づいたことを以下にメモしておきます。参考まで。

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●軍事テクノロジーの歴史についてもっともよくまとまっているのはフラーの本(1945年)。それを補完するものとして優れているのがクレフェルトのTechnology and War: from 2000 B.C. to the Present

●テクノロジーの発展は「みんな一緒に」というわけにはいかない。かならずどの国の軍事テクノロジーも一部は導入が遅れる。

●その例がベトナム戦争の時のアメリカ(M114 155mm榴弾砲)とソ連(M-46 130mmカノン砲)の大砲と、第一次湾岸戦争の時の米(M109 155mm自走榴弾砲)とイラク(南ア製のG5 155mm榴弾砲)の射程距離。いずれもアメリカ側が下回っていた。と。

●軍事テクノロジーを考える上では、個別の技術よりも全体としての「システム」というとらえかたがないと、もう分析不可能なところまできている。

●軍事テクノロジーの導入にはその国特有の文化や地理、それに歴史などが色濃く反映される。

●軍事における革命(RMA)のディベートでは断定的な結論はほとんど出ていない。

●軍事テクノロジーの発展は、地理的な環境に影響されてそれぞれ発展段階を踏んでいる。つまり、陸、海、空、宇宙、サイバースペース、そして最近は「生物」。六次元だ。

●最近の中国は、「制空権」ではなく「制生権」という概念を提唱している。

●なぜ特定のテクノロジーが社会や組織に採用・導入されるの?という疑問に対する説明については、どうやら以下の4つの学派があるらしい。

①機が熟した/熟していないという説明をする学派
②必要性に迫られたから(必要は発明の母)学派
③失敗から生まれる学派
④非合理性(組織の利便性や習慣)を重視する学派

●ひとつだけ確実に言えるのは、どの軍事組織も新しいテクノロジーを、既存の古いタイプの組織に導入しなければならない、ということ。

●テクノロジーにおいては、時として「見えない技術」がものすごく重要な役割を果たすことがある。その例として挙げられるのが、

①ドイツ軍の戦車部隊がフランス(やソ連軍)に勝利に大きな役割を果たした「無線」。
②太平洋戦線におけるアメリカ軍が使ったDDT(殺虫剤)の存在。

●現代でもほとんど進化していない軍事テクノロジーの典型は、空母の甲板上の風景と空挺部隊の装備など。50年前とほとんど変わらず。

以上。
by masa_the_man | 2012-03-24 21:37 | ニュース | Comments(0)
ついでにお知らせです。

以下のように、「月刊日本」で私のインタビューが掲載されました。

それにしても顔をさらしてしまっててけっこう恥ずかしい(苦笑

全文ではないですが、一部は以下のように公開されております。タイトルはけっこう過激ですが、基本的にレイン本についてのインタビューです。

以下、転載

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日米安保条約破棄に備えよ!  奥山真司
3月 20th, 2012 by 月刊日本編集部.
地政学者 奥山真司

 大統領選挙を控えたアメリカはいま、外交戦略の大きな転換期に差し掛かっている。それを象徴的に示しているのが、リアリスト系国際政治学者クリストファー・レインの唱えるオフショア・バランシングという大戦略のアイディアの台頭であり、それはアメリカからの日米安保破棄要求をもたらす可能性すらある。レイン著『幻想の平和』の翻訳者で、欧米の地政学、戦略論に精通した奥山真司氏に、アメリカの外交戦略に何が起きているのかを語っていただいた。

オフショア・バランシングは一九世紀英国外交の再来だ

―― クリストファー・レインはアメリカの外交戦略がどうあるべきだと主張しているのか。

奥山 レインらのリアリストが手本としているのが、一九世紀のイギリスの外交戦略だ。当時イギリスは覇権国だったが、自国に対して脅威になる国の出現を防ぐために、ヨーロッパ大陸に対して一歩引いた立場に立ち、巧みな勢力均衡(バランス・オブ・パワー)外交を展開した。ある国を支援して別の国とぶつけさせ、相討ちさせることによって、両国の力を相殺させたり、関係を分断したりするという政策だ。
by masa_the_man | 2012-03-20 16:46 | 日記 | Comments(0)
今日の横浜北部は朝からよく晴れておりまして、絶好の仕事日和(?)となっております。

さて、すでにご存知の方もいらっしゃるようですが、なぜか突然あの有名なメルマガである「ロシア政治経済ジャーナル」に私が最近はじめたメルマガである「アメリカ通信」が掲載されて紹介されました。

しかし「現代の孔明」はちょっと言い過ぎです(汗)ご紹介いただいてありがたいやら、それでいて猛烈に恥ずかしいやら・・・

ということで「ロシア政治経済ジャーナル」のほうもぜひご覧下さい。鋭い分析が満載です。

北野さん本当にありがとうございます!
by masa_the_man | 2012-03-20 16:41 | 日記 | Comments(0)
今日の横浜北部は朝から冷たい雨です。

メルマガ更新しましたのでご覧下さい。最近の世界の大きな情勢について書いております。

下には書いてませんが、やっぱりハウスホーファーの視点がけっこう役に立つのかと。

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2012年03月17日 

■ 地政学的世界の中心で「戦略」を叫ぶ ■ 

1:「TPP」が意味する本当の事
2:フラット化して"いない"!?世界
3:冷酷な地政学的大前提を意識せよ

前回から引き続き、インド洋や南シナ海という海域をめぐって
印中間で展開されつつある「包囲」という話から、
「環太平洋戦略的経済連携協定」、いわゆるTPPをめぐる一連の動き
についての考察を進めてみたい。

さっそくではあるが、TPPが意味している本当の事とは何なのか?

読者の皆さんの中には、それは穿った見方なのではないか?
と思われる方もいるかもしれないが、それでも敢えて、
私の個人的な見解に地政学的な解釈を加味して断言してしまおう。
by masa_the_man | 2012-03-17 16:47 | 日記 | Comments(3)
われわれの行動とは関係ないと思いますが、一応。

中国船、日本の領海内に一時侵入 尖閣沖

産経新聞 3月16日(金)14時41分配信

 沖縄・尖閣諸島沖の日本の領海内に16日、中国の海洋調査・監視船1隻が一時侵入した。海上保安庁が直ちに退去するよう無線などで警告。1隻は領海を出た後、もう1隻とともに領海のすぐ外側を沿い、同諸島の回りを時計回りに航行している。中国公船が領海内に侵入したのは、昨年8月に漁業監視船2隻が一時侵入して以来。

 海保によると、2隻は中国国家海洋局所属の「海監50」と「海監66」。

 16日午前6時ごろ、尖閣諸島久場島から北東約40キロの日本の接続水域内を航行しているのを海保の巡視船が確認。巡視船が領海内に侵入しないよう無線で警告し、監視を続けた。

 海監50は、午前9時38分から10時3分ごろまで日本の領海に侵入した。

 巡視船が航行目的を尋ねた際には、海監50は「この海域でパトロールを行っている。魚釣島を含むその他の島は中国の領土だ」と応答。同船の電光表示にも日本語や中国語、英語で同内容を表示しているという。
by masa_the_man | 2012-03-16 17:54 | 日記 | Comments(3)

尖閣諸島の写真

今日の横浜北部は朝からさわやかに晴れております。

さて、すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、実は昨日まで沖縄のほうに次の本の取材のために出かけておりまして、なんと尖閣諸島まで行って参りました。

ここではちょっと名前を明かせませんが、私を連れて行ってくれたのは某団体組織。

灯台が立っている肝心の魚釣島のほうは私はビデオカメラの撮影のために忙しかったので持っていないのですが、動画はそのうちにSengoku38という名前でYoutubeにアップしたいと思います(笑

それでは美しい日本の島々の風景をお楽しみ下さい。


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by masa_the_man | 2012-03-16 10:11 | 日記 | Comments(1)
メルマガ更新しました!

今回は先週シンガポールで参加してきた国際会議で感じたことを簡単にまとめております。

===

日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信

2012年03月09日 ■ 真珠とダイヤの国際政治

1:地政学をシンガポールで学んだ!?
2:「真珠の首飾り」と「ダイアのネックレス」
3:実は既に他人事ではなくなっている日本

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今週の国際ニュースには、プーチンの再選、イランの核開発疑惑、
そして米朝直接協議の再開などがあるが、
今回は私が先週シンガポールで開催されたある学会に参加したので、
その際の気付きを基に考察したことを述べてみたい。

その学会の参加者はかなり豪華で、
インド、中国、ベトナム、フィリピンなどの政治や軍事の関係者、
学者、それにジャーナリストなどが集合し、
それぞれの見解や分析を発表して、
その見解に関する議論を交わすという充実した内容であった。

会議のテーマは東/東南アジアの海域の安全保障であり、
私も会の最初のほうで古典地政学の理論について発表を行わせて頂いた。

この手の会合は、私自身がロンドンに留学・研究中に
何度も部外者として見学した体験はあった。
しかし、自国の政策とも深く関わるテーマについて
自分が発表者として論じる経験はあまりなかったので、
個人的にもなかなか感慨深いものがあった。
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by masa_the_man | 2012-03-09 13:37 | 日記 | Comments(10)