戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man

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今日の甲州は午後曇りがちでしたが、とにかく蒸し暑い。

部屋の中でPCをいじっていると熱ダレしてしまうので、どうしても喫茶店などに逃げ込むことになります。誰か「水冷式」もしくは「油冷式」のPCを早く開発してくれませんかねぇ。

さて、中国の南シナ海における覇権的な行動について面白い記事がありましたので、例によってポイントフォームで要点だけ紹介します。

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Managing China's Growing Assertiveness in the South China Sea

MICAH SPRINGUT | 27 JUL 2009

●アメリカが中東にかまけている間に南シナ海では競争が激化する可能性あり。

●最近の二つの事件(3月のインペッカブルに対する嫌がらせ、六月のソナーと潜水艦の衝突事件)は象徴的だ。

●中国の南シナ海獲得は周辺国との軋轢を発生させている。ここはシーレーンでもあるから潜在的な紛争の可能性は大きい。

●ところがアメリカ側の反応は90年代半ばから続けられているように、抑制された中立的なものだ。

●アメリカが行っているのは「戦略的ヘッジング」という、中国の軍拡を警戒しながらも経済交流は拡大するという両天秤の政策。

●ところがアメリカは南シナ海の中国の野望を抑制できていない。

●問題は中国が誤ってアメリカと正面衝突するような戦略を選択するということよりも、逆にアメリカの行動を制限できると思って攻撃的な行動をとるようになるという点だ。

●気になるのは中国側が南シナ海における自分たちの地位を求め始めており、アメリカ側が手出しできないと考え始めているという点だ。

●この中国側の誤った考え方を正すためにはアメリカは断固とした姿勢を見せるべきだ。

●しかし中国側にもうまく譲歩させるように加減しなくてはならない。

●問題は軍事だけではないので、より高い外交レベルの話合いが必要。

●アメリカが公海の自由な航行を守る必要があることをしっかりと主張するべき。

●また、アメリカはこの周辺の東南アジア地域の国々と安全保障環境を強化すべき。

●同時に中国のこの地域のプレゼンスにも賛成すべきで、とくに海賊問題や核拡散問題についても参加するよう要請せよ。

●そうすればアメリカの抑止力を上げると同時に、中国も国際協力的な枠組みに組み込むことができる。

●中国に限度をハッキリと示すことができないと、ヘッジングが効かなくなってまずいことになる。

===

この記事でのキーワードは「ヘッジング」と「マネージメント」ということですね。

「マネージメント」というのは、ビジネス戦略の分野ではドラッカーあたりが提唱したコンセプトなんですが、これはリアリスト的な視点で言えば、つまり「コントロール」ということと一緒です。

つまりこの記事を書いている著者は、中国の勃興をうまくコントロールしたい、ということを述べているわけです。

果たして彼らのことを本当にコントロールできるかどうかは極めて怪しい。なぜなら私の元コースメートが述べたように、中国人も中国をコントロールできないからです(苦笑
by masa_the_man | 2009-07-31 22:23 | ニュース | Comments(16)
今日の甲州は完全に真夏日でして、とにかく蒸し暑くて日差しがギラギラ。

まず簡単なお知らせから。

8月8日(土)開催予定の講演会はすでに満席になっていたのですが、ラッキーなことに同じ会場内で大きい部屋のほうに急遽キャンセルが出て、そちらのほうに予約を入れ直したために、席にかなりの余裕ができました。

ということで当日まであと10日ほどですが、いきなり席に余裕ができましたので(苦笑)、まだまだこれからたくさんのご応募をお待ちしております。

すでに申し込んでいただいた方々に念のためにお知らせしておきますが、会場は同じですが、部屋のほうが

「第六集会室→第一集会室」

と変更になりましたので、当日はお間違えのないようにお願いします。

詳しい内容についてはまだつめておりませんが、今のところは「欧米の学会でのクラウゼヴィッツの受取られ方や使われ方の違いなど」についても触れようと考えております。

さて、今日は久しぶりにイギリスに関するネタを。

最近の国際ニュースでも多少報じられておりますが、アフガニスタンにおける七月のイギリス兵の死者の数が過去最高になり、ブラウン政権にとって悩みの種になっております。

もちろん安全保障問題というのはある意味で超党派の部分があるために、イギリス政府全体としても厳しい状況は次期のキャメロン保守党政権(?)になっても変化しないでしょうが、とにかくこの辺が政治問題化するのは政治的に不安定なイギリス政府としてはなんとしても避けたいところ。

そのような中で、先週のエコノミスト誌が「アフガニスタンから撤退してはいけない論」を展開しておりまして、この議論の流れの立て方がなかなか参考になるものだったので、とりあえずここにポイントフォームで紹介しておきます。

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●アフガニスタンは「帝国の墓場だ」と言われてる。

●イギリスは19世紀、そしてソ連は20世紀にここでやられた。

●オバマ大統領はこれから2万人増派する予定だが、いくつかの国は撤兵し始めている。

●イギリスが参加するNATOも、過去の帝国たちと同じ過ちを犯している?

●しかもソ連は現在のNATOよりも多くの兵を派兵していた。

●ところがこのような比較は間違いだ。なぜなら、

1、ソ連の敵であったムジャヒディーンとは違って、現在のタリバンのバックには支えてくれる勢力がない。
2、タリバンはプシュトゥーン族だけの反乱であり、国民的な運動ではない。


3、アフガニスタンの意識調査では、多くの人々が「西側の軍隊に残って欲しい」と考えている。

●アフガニスタンでの戦争は、アメリカにとっては「必要不可欠な戦争」だが、欧州の多くの国々にとっては「しなくてもいい戦争」である。

●批判的な意見の代表的なものとしては、(1)本当の危険はパキスタンにあり、(2)西洋諸国の目標は高すぎる、というもの。

●しかしこの二つの批判は、(1)アフガニスタンでタリバン勝ったらパキスタンにも脅威が及ぶ、(2)目標が低すぎると再びタリバンを増殖させてしまう、という点で反論できる。

●もちろん我々はすでに1200人ほどの命と何十億ドルを失っている。ただし我々が撤退すると、

1)タリバン復権
2)アフガニスタン内戦
3)核武装しているパキスタンの不安定化
4)アフガニスタン内のアルカイダ基地の復活
5)イスラムテロ戦士たちが世界中で勢いづく
6)西側諸国の味方が弱くなる

というマイナスのコストが確実だ。

●アメリカはアフガニスタンにおける戦いの最大勢力だが、同盟国の存在も不可欠だ。

●イギリスの「善なる勢力」という方針には犠牲が伴うものだ。

●アフガニスタンにおける戦いは、イギリスにとってはアメリカの相棒という特権のためではなく、イギリス国内の多くのパキスタン人の存在もあるために重要になってくる。

●ロンドンはアルカイダの標的になっているくらいだ。

●イギリス政府がしなければならないのは、

1、この問題に「戦時である」という覚悟をもって行動する。
2、防衛費を上げろ。
3、陸軍を増員せよ。
4、ヘリや輸送機、無人機、そして装甲車などの装備の充実。
5、空・海軍を怒らせてもかまわない。戦争に負けるよりマシだからだ。
6、戦略防衛見直しをはやく出せ。
7、ヘルマンド地区に2000人常駐させる計画を決定せよ。
8、アフガニスタン軍と警察をはやく整えよ。高くつくが、これが撤退のためには一番の方法。

●アフガニスタンの戦いはまだ始まったばかり。

●オバマの増派策(サージ)が効いたかどうかが判明するのは秋になってから。

●今はやる気を失う時ではない。

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エコノミスト誌の悲壮感がなんとなく伝わってくる内容ですね(苦笑)

とにかく彼らがこのような議論の仕方でアフガニスタン増派を主張していることを知っておくのはかなり参考になるのでは。
by masa_the_man | 2009-07-30 23:24 | ニュース | Comments(14)

長旅から帰りました

今日の甲州の天気はよくわかりませんが、先ほど帰って来たときは雨が降った後のようでした。

一週間に及ぶ外出からさきほど実家に帰ってきました。いや〜、今回は長旅でした。

最初は群馬県の太田市、そして二日目から東京に泊まりっぱなしでセミナーに参加です。

体力的にはきつかったのですが、知的興奮の嵐が続き、個人的には大変実りの多い一週間でした。

後半はニュースをほとんど見ていなかったので浦島太郎状態だったのですが、明日からまたいろいろと時事ネタについて書いていきたいと思っております。

そういえば、おかげさまで8月8日(土)の講演会のほうは、ほぼ満席状態のようです。

間もなく閉め切らせていただくことになりますので、参加ご希望の方はお早めにお申し込みのほうをお願いします。

とりあえずご報告、お願いまで。
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(三省堂本店三階)
by masa_the_man | 2009-07-28 23:51 | 日記 | Comments(16)

中国絶賛論:その3

今日の東京はよく晴れました。しかしほぼ一日中屋内にいたのであまり暑さを感じませんでしたが。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、実は某A省が主催しているあるセミナーに泊まり込みで参加しておりまして、このエントリーはあるマンガ喫茶で書いてます。

地政学と密接な関係のあるセミナーなので、自分としてはかなりの興味を持って参加しております。

そういえば来月八日(土)に開催される私の講演会ですが、残り席が一桁となってきました。

スペースに限りがありますので、ご希望される方はぜひお早目にお申込みください。お願いします。




さて、前回紹介した中国絶賛論の原著者のインタビューの要点の続きを。

読んで行けばよくわかるんですが、この人は思ったほど「絶賛」じゃなくて、むしろ中国の勃興による影響の大きさを警戒せよ、というリアリスト的な発想みたいですね。

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●中国では国家が教会やエリート、それに商人などと戦う必要がなく、いわば最強の状態が何千年も続いた。

●国家のコントロールが強いから経済政策でも強い

●西側の考える「民主制」は普遍的な概念ではない。

●「民主制」が生まれた背景をもう一度考えてみてほしい。

●イギリスだって工業化が遥かに先行して、民主制が出てきたのはかなり後になってからだ。

●経済が上がればそれでも情報はオープンになる

●最近の中国のインターネット統制も実は完全に統制できるわけではない。

●中国はいまでも「民主制モデル」を信じているわけではない。

●これで中国が勃興してくると、「民主制」が本当に良いのか西側の価値観が問われることにもなる。

●中国が勃興してくると、「国内制度としての民主制」よりも、「国際間の民主制」が問題になる

●つまり中国は先進国がとても不平等な扱いをしているという点を突いてくる。

●これからの国際秩序の成り行きには二つ道がある

●ひとつは中国が手にいれたばかりのパワーを使って急激に制度を変えること。

●もう一つは中国やその他の新興国の影響力で世界が彼らの有利になるように変化していくこと。

●IMFが力を持った時代は終わった。

●中国の勃興のしかたは欧米の列強と違ってゆるやかなものだ

●もちろんトラブルはないかもしれないが、ひとつの例として参考になるのは79年にベトナムに対して行ったような軍事行動の仕方だろう。

●最近の彼らの外交はかなり柔軟になった。東南アジアに対してはアメリカと日本を出し抜いた。

●時間は中国に味方していることが彼らにとって最高のアドバンテージだ。彼らは長期的にものごとを見ているし、それが自分たちにとって有利になることも知っている。
by masa_the_man | 2009-07-25 23:21 | ニュース | Comments(46)

オバマの人気

就任後179日目での歴代大統領との支持率の比較です。まあそれほど当てになるものとは思えませんが、とりあえず参考まで。歴代10位だそうです。
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(msnbc.comより)
by masa_the_man | 2009-07-23 08:20 | ニュース | Comments(6)

中国絶賛論:その2

今日の甲州は朝から曇り空でして、ぼけぼけしていたら日食があることをすっかり忘れて見逃してしまいました(苦笑

午後から群馬県太田市のかたにお招きいただきまして、講演会でお話させていただきました。

顔を見てみると運の良さそうな方々ばかりだったので、ちょっとびっくりしました。あれだけの数の運の良さそうな方々が一同に会しているのを見るのはなかなか壮観なものであります。

実は明日から某A省の主宰するあるセミナーに参加することになりまして、数日間東京で泊まり込みです。

その間にブログを更新できるのかどうかわかりませんが、けっこうネタはたまっているので、夜にネットカフェなどに繰り出してできるだけ更新したいと考えております(PC持ち込みは禁止みたいです)。

カナダの「エコノミスト誌」という位置づけのマクレーン誌が、例の中国絶賛論(When China Rules the World: The Rise of the Middle Kingdom and the End of the Western World)を書いた人物(Martin Jacques)のインタビューを載せておりました。これがなかなか興味深かったのでここにポイントフォームで要約を載せておきます。

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●中国の勃興をなめるな。インパクトはデカイ。

●中国の行動の仕方は将来もそれほど変化するわけではない。

●2050年にアメリカの二倍のGDPになっても一人当たりでみると中国人はまだまだ貧乏。

●西側諸国は今までとは価値観の違う世界に生きることになることを覚悟せよ。

●中国は国民国家じゃなくて文明国家だ。中国という国家は中華文明を守るための存在にすぎない。

●中国を理解するには東アジアでのソフトパワーの広まりよ見よ。ここにあるのは人口数をはじめとする不均衡な状態だ。

●冊封体制が復活する。

●東南アジアに広がる華僑も重要。

●世界の中心としての中華思想は、世界を階層的に見る(つまり自分たちが一番上)。

●中国のもつ人種差別と文化優越主義を重視せよ。ウイグルもチベットも「我々が文化を教育してやる」という文脈で見ている

●私の妻(インド・マレーシア系)は中国人の人種差別の犠牲になって香港の病院で亡くなった。

●白人は中国の人種差別的なところをあまりみない。なぜなら人種差別の見方になれていないから。

●西側の学者は白人なのでそこがみえないが、黒人の学者は中国の人種差別に注目している。

●国際関係論の理論は人種について何も語らない。

●グアンタナモやイラクで起こった事件でも、人種差別が背景にあったことは否定できない。

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長くなったので続きはまた明日。
by masa_the_man | 2009-07-23 02:19 | 日記 | Comments(26)

アメリカ外交の「十戒」

今日の甲州は連日と比べてやや気温は低めの曇り空の一日。それでも半袖でバイク乗っても全然寒くなかったワケですが(笑

さて、おなじみのウォルトの「ベスト10シリーズ」が話題になっておりましたので簡単に訳してご紹介。

テーマはズバリ、「アメリカで外交政策に関わる人々にとっての十戒」です。

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#1. アメリカがなぜ北大西洋条約機構(NATO)のメンバーに入っているのか疑問を抱いてはならない。

#2. 核兵器の拡散に反対せよ(アメリカ以外は核兵器ダメ)。

#3. 核抑止の必要性に疑問を抱いてはならない(アメリカは核兵器OK)。

#4. アメリカの優越状態に疑問を抱いてはならない。

#5: キューバ(もしくは北朝鮮やイラン)と和解してはならない。

#5A: チェンバレンの教訓:政敵を非難する時以外は「宥和」という言葉を決して使ってはならない。

#6: CFRやカーネギー国際平和研究所、英国戦略研究所(IISS)、ブルッキングスなどのメジャーな外交政策シンクタンクを批判してはならない。

#7: 軍の働きに疑問を持ってはならない。

#8: 人権、民主制、そしてその他のアメリカの「価値観」の重要性を無視してはならない。

#9: アメリカが他国に介入する権利について疑問を持ってはならない。

#10: 「テロリスト」との交渉を支持してはならない。

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アメリカの対外政策の「前提」というものがよくわかりますね。

ただし個人的には「人種」や「(イスラエルをはじめとする)浸透」など、まだまだ他にも色々あるとは思うんですが(苦笑

明日はまた中国関係について書きます。
by masa_the_man | 2009-07-22 00:24 | 日記 | Comments(8)

中国は「帝国」である

今日の甲州は曇りがちでしたが、気温だけはしっかりと生あたたかい夏日でした。

八月八日(土)の講演会ですが、おかげさまですでに半分以上の席が埋まっております。

しかも嬉しいことに、今回は戦略という「男くさい」テーマにもかかわらず、かなりの数の女性の方々に応募していただいております。そうなると気合いが入ってきますね(笑

さて、エコノミスト誌の編集者で、FT誌のコラムニストを務めるギデオン・ラックマンが、「中国はすでに帝国である」というテーマで興味深い記事を書いております。

これは前回のウォルトの「帝国論」と似たようなところがあってなかなか面白い。

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China is now an empire in denial

By Gideon Rachman

Published: July 13 2009 19:06 | Last updated: July 13 2009 19:06


When the Soviet Union collapsed in 1991, it suddenly became obvious that the USSR had never been a proper country. It was a multinational empire held together by force. Might we one day say the same of China?

Of course, any such suggestion is greeted with rage in Beijing. Chinese politicians are modern-minded pragmatists when it comes to economic management. But they revert to Maoist language when questions of territorial integrity are touched upon. Supporters of Taiwanese independence are “splittists”. The Dalai Lama, the spiritual leader of the Tibetans, has been described as a “monster with a human face and an animal’s heart”. The Muslim Uighurs who rioted violently last week were denounced as the tools of sinister foreign forces.

According to David Shambaugh, an academic, the main lesson that the Chinese drew from studying the collapse of the USSR was to avoid “dogmatic ideology, entrenched elites, dormant party organisations, and a stagnant economy”.

It is an impressive list. But it misses out one obvious thing. The Soviet Union ultimately fell apart because of pressure from its different nationalities. In 1991, the USSR split up into its constituent republics.


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ラックマンはアジア研究者として名高いデヴィッド・シャンボウの意見を引用して、中国はソ連の崩壊から以下のようなことを学んだとしております。

1、ドグマ的なイデオロギーを使わない
2、エリートの害を排除する
3、党を活性化する
4、経済状態を良好に保つ

しかしラックマンはシャンボウが見落としている重大な点として、

5、少数異民族の圧力を抑え込む

という問題があることを指摘しております。

そしてこのような異民族問題を領内に抱えているがゆえに、すでに中国は帝国としての典型的な問題を抱えているとしております。

もちろん13億人の人口の中では二千万人前後のチベットやウイグルの少数民族のパワーは大したことないはずなんですが、問題は彼らが住む「自治区」が中国の全領土の三分の一を占めていることや、しかも石油やガスの地下資源があると見込まれている広大な土地をもっているからですね。

ラックマンは中国が異民族問題の扱いがかなり下手であると見ているようですが、それでも当分の間は中国共産党政府の強い意志のために、この二つの民族の独立運動は成功しないと冷静にみております。
by masa_the_man | 2009-07-21 00:55 | ニュース | Comments(15)

ヒラリーの凋落

CFRでヒラリーはかなりすごい演説をしたらしいのですが、米メディアをはじめ、誰も注目していなかったというドイツメディアの分析。

そういえばたしかにヒラリーの注目度は落ちておりますね。民主党政権内のパワーゲームの結果です。

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Fighting For Influence in Obama's White House

By Gregor Peter Schmitz in Washington

She was supposed to be the strong woman in Obama's cabinet, but Hillary Clinton has been remarkably muted as secretary of state. On Wednesday she sought to reclaim her foreign policy position -- but the White House stole her thunder.

As US Secretary of State Hillary Clinton approached the podium to address the Council of Foreign Relations in Washington, the seating had been as carefully stage-managed as if this were an election campaign event.


Academics, big names from the media, global business people, Washington's foreign policy elite -- all had been invited to hear the secretary of state speak. The front seats, however, were reserved for the top diplomats and special envoys, people who are officially her subordinates. However in recent months they have outshone their boss. Richard Holbrooke, for example, the special envoy to Pakistan and Afghanistan, is a giant of a man with an ego to match. And yet on Wednesday he sat obediently watching Clinton like a schoolboy. When asked whether some of her co-workers wanted to ask questions, Clinton laughed and said: "You better not."

(中略)

It was a comprehensive foreign policy manifesto, perfectly delivered. The president couldn't have done it better.

Upstaged by Obama

There was only one big problem: Hardly anyone was watching Clinton.

A cursory flick through the cable channels during her speech showed live images of a press conference about the murder of the parents of 17 children. Other networks were reporting on the confirmation hearings at the Senate for Sonia Sotomayor, Obama's nominee for the Supreme Court. Even worse, there was President Obama, who was appearing before cameras at almost the exact same time. He had decided that now was the perfect time to talk about his plans for health care reform, surrounded by nurses in the Rose Garden of the White House.

And the networks had decided to broadcast Obama, not Clinton, live. For a few minutes it was like being back in that bitter battle for the Democratic nomination when the two rivals would compete to be the first on the evening news during the primaries.

(中略)

And Clinton is still a politician. She made sure to mention Obama eight times in her speech, calling him the "right president." However she will now coolly analyze why her speech was a PR disaster and continue to fight for more influence. She is in talks to hire a new adviser, Sidney Blumenthal. He worked in the White House when her husband was president and then on her campaign.

Blumenthal was in charge of launching attacks on political rivals -- in particular Barack Obama.

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新しいアドバイザーも雇ったようですね。彼女はこれからどのように動いて行くんでしょうか。
by masa_the_man | 2009-07-20 01:10 | ニュース | Comments(19)

軍官と外交官の違い

今日の甲州は曇りがちで、午後には大雨が降ってからいきなりやんで虹がみえました。

さて、ある本の中に載っていた軍人と外交官の対比です。

単純なんですが、あらためて違いというものがよくわかります。彼らは全く違う生き物である、ということですね。

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軍官 vs 外交官

任務: 戦争に備えて戦うこと / 外交を行うこと

訓練:大規模な活動の為に(個人、部隊に関わらず)重要 / あまり重要じゃない

訓練:シナリオ的で不測の(好ましくない)事態を想定 / 形式的なものナシ。経験中心。

曖昧なもの:好きではない / 対応可能

計画:概略的なものと詳細の両方が重要 / 大枠は計画するが、達成のための価値観は柔軟。

ドクトリン:重要 / あまり重要ではない

注目しているのは:外交政策の軍事的要素 / 外交政策の全ての面

集中すること: 明確な出来事や活動に対する目標、計画、行動の仕方、そして結末 / 結末を期待しない現在のプロセスそのもの。

敵や味方とは:戦闘においてはあまり出会うことはない / 外交において常に出会っている

上官が管理するのは:多数の下士官や一般兵士 / 自分たちの(政治と経済)活動に直接関係ある部下だけ。

メインの活動には:下士官や一般兵士が集中して担当(戦闘) / 直接たずさわるのは上官だけ(外交) 

リーダー: 軍事組織出身者のみ / 政治家、学者、官僚など

平和維持活動では:民間、外交的な面が重要度を増す / 軍事面が重要度を増す。

書かれたもの:あまり重要ではなく、むしろ行動 / とても重要であり、外交の実行の際に多く使われる。

賞賛されるのは:チームワークと管理スキル、内向きの対人関係のスキルが重要 / 個人の達成と想像的なアイディア、外向き対人スキルが極めて重要

よくわかっているのは:「言わなくてもいいこと」と 「紛争回避」 /  「転換策」と「口頭・非文書」

慣れているのは:大規模な資源、マンパワー、機材、そして金 / 必要不可欠なものに対する資金の足りなさ

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まあこれはアメリカだけなのかも知れませんが、とりあえず組織文化の違いを知る上で参考まで。
by masa_the_man | 2009-07-20 00:50 | 日記 | Comments(2)