戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中
by masa_the_man
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
連絡先&リンク
カテゴリ
以前の記事
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2004年 08月
検索
最新のコメント
放送で和田さんが陸自はと..
by ミナミ at 14:20
このへんの話は最近JBp..
by 赤い彗星 at 12:35
奥山さん、Twitter..
by ミナミ at 23:18
えんき さま >新生児..
by そば子 at 17:35
自称、戦略学界_地政門_..
by 待兼右大臣 at 01:37
ブログパーツ
ライフログ
ブログ著者の本
↓地政学おススメ本↓
原著!
特別参加
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
2014年 03月 29日

ロバート・カプラン新刊:南シナ海レポート

今日の横浜北部は朝から晴れましたが、午後は少し曇りました。

さて、久々に本の紹介を。私が翻訳したことのあるロバート・カプランが、またまた新刊を発売しました。

今回のテーマは、なんと南シナ海。これは私が二年前に国際会議に出た時にあるBBCの記者に「カプランが書いている最中らしいぜ」と聞いたものです。

Asia's Cauldron: The South China Sea and the End of a Stable Pacific
by Robert D. Kaplan
b0015356_21474218.jpg




タイトルを直訳すると、「アジアの大釜」ということになりますが、Youtubeに上がっている出版記念講演会の話からすると、南シナ海が20世紀におけるミッテルオイローパ(中欧)のようなもので、ここが21世紀の地政学的な問題の中心地になる、というものです。

本は冒頭から本人が現地を旅した様子から始まり、これはまさに『インド洋圏が、世界を動かす』の書き方とそっくりでありまして、違うのは扱っている国と地域。

今回はベトナム、フィリピン、マレーシア、それに台湾や中国までが中心です。

これは見方を変えれば、私が翻訳した本の続編という形で見てもよろしいかと。

まさその時と同じように、現地に行って、政治家などに直撃インタビューなどをかましたり、現地でボートを借りて人々の生活から地域の歴史について思いをはせたり。

個人的にはスパイクマンの理論や、ミアシャイマーのような理論家の文献まで丁寧に引用している部分や「日本海」としっかり表記していることに好感(笑)がもてましたが、意外に中国に甘い見方をしているところが気になるところ。

ということで、南シナ海は「アジアの地中海」であり、「海の環境」であるために第一次大戦のような紛争にはならない、という予測など、なかなか知的刺激にあふれる、しかしながら適度にバランスのとれた興味深い分析をしております。

やや詩的な表現を多用しておりますが、本編は200頁弱なので、英語が読めるかたはぜひ挑戦なさってみては。おすすめです。

余談ですが、上の動画は本当に面白いですな。カプランが現地に行った時の取材の仕方の秘訣などについて語っております。

「印象に残ったことはすぐにノートにとれ」ということであり、「何度も長期滞在してみろ」、「現地の人に何も語られない中に真実がある」というのがその秘訣らしいです。


プロパカンダ&セルフプロパカンダCD

[PR]
by masa_the_man | 2014-03-29 22:18 | おススメの本 | Comments(0)
2014年 01月 20日

日本史の謎は「地形」で解ける

今日の横浜北部もよく晴れて寒かったです。さすが「大寒」だけありましたな。

さて、久しぶりに本の紹介というか、正確には「紹介された本の紹介」です。

日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫)
by 竹村 公太郎

この本、先日行った地政学研究所での講義で参加者の方に教えてもらったもの。まだ到着したばかりなので中身まで詳しくは読み込めていないのですが、簡単にいうと、

●元国交省の官僚さんが「インフラ屋」としての誇りを胸に、日本史の常識を地理の知識を使って徹底的に洗いなおす

というもの。いわば古典地政学でいうところの三位一体のうちの一つである「物理的地理」を軸に、既存の日本史の定説にたいする新しい解釈を加えていくというものなのですが、象徴的なのは著者の以下の記述。

●明治以前は、食糧とエネルギーを自足できるかどうかが、その土地の発展を決した。もちろん、主要な食糧は米と薪(まき)であった。

●この米と薪に共通して必要なものは河川である。河川の沖積平野と水が米を与えてくれ、川の上流域の森林がエネルギーの薪と炭を与えてくれた。

●都市が繁栄するための食糧とエネルギーの確保、それを言い換えると、「大きな川があるかどうか」であったのだ。(p.346)

というもの。まさに徹頭徹尾「物理的地理」という観点から政治地理学を分析しているという特徴がよく出ております。

もちろんあまりにも地形という「下部構造」のみを重視しているために、逆に上の「地理観」のようなものへの言及が少なく、それによってやや強引ともいえる結論付けが見受けられるところは多々ありますが、それでもそれを余りあるほどの魅力的な説明(遷都の理由など)をいくつも展開しております。

ということで、まださらっと読んだだけでもかなり興味深い記述がいくつも発見できる面白そうな本であります。

本ブログをお読みのかたはぜひ一冊。


[PR]
by masa_the_man | 2014-01-20 22:41 | おススメの本 | Comments(2)
2013年 09月 11日

サイバースペースにおける紛争の歴史

今日の横浜北部は朝方曇っておりましたが、昼前から晴れてきました。朝は涼しかったですね。

さて、シリア情勢がロシアの口出しのおかげでなんとなく落ち着いてきた(といっても内戦は続いていますが)感がありますが、今日は久々に本の紹介を。
b0015356_12385214.jpg

A Fierce Domain: Conflict in Cyberspace, 1986 to 2012
by Jason Healey

題名を直訳すると「獰猛な領域:サイバースペースにおける紛争、1986〜2012年」という感じでしょうか。出版元はワシントンのシンクタンクで、主に世界各国の首脳と強いコネを持つことで有名な「大西洋評議会」(Atlantic Council)。

本の体裁の質はやや劣るものの、オススメの言葉がジョセフ・ナイやエストニアの大統領から出ているなど、その「コネ度」の高さは注目すべき本であることがよくわかります。

内容はサイバー紛争にかんする歴史について書かれた論文をまとめた「論文集」ということなんですが、前半のほとんどは編著者で米空軍の将校であるヒーリーが書いたもの。

この本の前提にあるのは、「そもそも過去から得られたサイバー紛争の教訓は全く活かされていない」というもの。その理由として、サイバー領域を研究する人間は、新しい現象ばかりに目が行き過ぎてしまい、過去とほとんど同じようなパターンがあることに気づかないからということ。

しかも新しくそれを研究しはじめた人間たちは、「これが全く新しい分野だ!」として過去を振り返る作業を完全に怠っており、これはアメリカ政府のセイバー研究部門でも全く同じで、たとえば「2007年以前の歴史はほとんど存在しない」としている点だとか。

そして本書は今までの25年間のサイバー紛争を3つの時期に分割し、

1,80年代半ばからの実現化(Realization)の時代
2,1998年以降の「飛躍」(Take-off)の時代
3,2003年以降の「軍事化」(Militarization)の時代

としており、この25年間のうちに起こった大事件として、

①モーリス・ワーム、②エリジブル・レシーバー演習&ソーラー・サンライズ事件、③ムーンライト・メイズ(ロシア)、④中国のスパイ、⑤エストニア/グルジア、⑥バックショットヤンキー作戦、⑦スタックスネット

の7つの例を挙げております。

細かい話は飛ばしますが、彼は最終的に三つの結論として、

1:サイバー紛争は時間を経過してもあまり形は変わっていない。よって、過去のケース(無視されることが多いが)は現在でも非常に多くの示唆を与えてくれる

2:サイバー紛争の可能性やその損害の大きさは過大視されることが多いが、実際に起こった事件のインパクトについては常に理解が不足している。

3サイバー紛争が戦略レベルに近づけば近づくほど、陸上や海上や空で行われる実際の戦闘に似てくることになる。

私の結論ですが、ケースが豊富(日本の例もあり)でよくまとまっており、国別にどの国がどの国に攻撃されているかなどの表もあるくらいで、たとえば日本は中・韓・北に攻撃されているが、日本が攻撃を与えているのは韓国であることなど、意外な事実についても書かれております。

また、サイバーが核抑止に似ていることや、メディアで喧伝されていることと実際はどのように違うのかなど、その興味深い実態を教えてくれるという意味で資料的価値も高いものであると感じました。

サイバー紛争に興味ある人にとっては今後は必読書になっていくくらいの影響力の大きい本になると思います。超オススメ。


[PR]
by masa_the_man | 2013-09-11 22:23 | おススメの本 | Comments(0)