戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

2011年 02月 12日 ( 2 )

今日の甲州は朝から薄く雪化粧が残りまして、先週の春のような風景とは違った景色を見せております。

さて、エジプトではとうとうムバラク大統領が政権を追われ、カイロから逃走するという地政学的激震に発展する可能性のある事態が発生したという大ニュースが飛び込んで参りましたが、それにやや関連したコラムニストの意見記事の要約をまた。

================
40%の国
byデービッド・ブルックス

●1990年代に世界中で民主化革命の嵐が吹き荒れていた時、このプロセスの中で一番難しいと思われていたのは、独裁者を取り除くという部分であり、これさえ実現できれば民主化への道は開かれると思われていた。

●ところが2002年のトマス・キャロザースの記念碑的な論文では、独裁者を排除しても必ずしもそれが民主化につながるわけではないことが論証されている。

●なぜならこの頃に独裁者を排除した国々の多くは、民主化というよりも曖昧な政体へと変化したからだ。

●それ以降の多くの研究でわかっているのは、民主化に成功するのは比較的強力な統治システムを持っていた国であるということだ。

●そのため、学者の中にはいくつかの独立した党組織をもつ制度機関や、横のつながりのある社会システムを持つことのほうが民主化を成功させるためには重要だと論じている人もいる。

●よって私はエジプトの社会制度などについて国連や世銀がどういう報告をまとめているのかを見てみたのだが、これらではエジプトの民衆が非効率で硬直化した官僚組織に社会改革のチャンスを阻まれていることが浮かび上がってくる。

●たとえばエジプトの就学率は高いのだが、教育システムの質そのものは世界でも最低レベルである。

●政府機関などの効率や法の支配については中程度であり、一番の問題は責任の所在が明確でないことや、プロセスの透明性が全くないことだ。この点において、エジプト政府の機関は世界最低レベルである。

●経済面での改革では改善も見られており、以前よりも起業しやすくなったのは事実だ。

●ところが腐敗は世界の平均と同じくらいのレベルで頻発しており、国有化されたビジネスは政権にとって旨味のある腐敗の温床なのだ。

●たとえば映画を配給しているのは、政権の一族の経営によるたった2社だけなのだ。

●エジプトの国際競争力は世界でも平凡なレベルにあり、短期的な決定は得意だが、長期的なプロジェクトの計画については不得意であることがわかっている。

●たとえば頭脳流出の問題は世界でも最も深刻だ。

●社会的にも、例えば非政府組織の数は他国と比べても少なく、存在してても政府にかなり制限を受けているものや、直接的に介入を受けているものもばかりだ。

●一番問題なのはムスリム同胞団を除いて、野党というものが存在していない点にある。これについては海外の国々も支援すべきだ。

●それでもエジプトはサダム政権下のイラクやハマス政権前のガザ地区の状態よりマシだ。

●エジプトは世界のランキングでは40%の位置にあるわけで、平均以下の国なのだ。一週間前までの彼らは、世界でも自分たちの国の将来に最も悲観的な意見を持っていたという調査もある。

●ところがこの状況は変わりつつある。社会・政治制度などはあまり強くなく、劇的な民主化は難しいかも知れないが、それでもなんとかなりそうな社会基盤を彼らは持っているのだ。

●そしてなんとかうまく統治が成功すれば、彼らが世界の民主国会の仲間入りを果たすチャンスはあるのだ。
by masa_the_man | 2011-02-12 21:09 | ニュース | Comments(4)
遅くなりましたが、前のエントリーの続きです。

=============

●このモジラの元幹部は、必然的に様々な機器やソーシャルメディアを使わざるを得ない立場にあったが、新しくベンチャー企業を立ち上げるにあたってオフの時間をとることを宣言している。

●彼はこれによってゆっくりと長期的なことを考える時間が増えたと喜んでいる。彼はメールの返信やソーシャルメディアの更新に疲れたという。

●彼は生活をぺースダウンしたことによってモジラ時代との違いを実感している。なぜなら彼がしたかったことは、ゆっくりと腰を落ち着けて、会う人の話やアイディアに集中する事だったからだ。

●スタンフォード大学のある教授によれば、あまりにオンライン状態にいると、仕事の成果の質が落ちるという。

●その理由は皆があまりにも多くの仕事をこなすようになってひとつのことに集中できなくなってきたために、個別の仕事の完成度が落ちてきたからだ。

●つまり携帯機器やソーシャルメディアは、我々を注意散漫かつ能力減退の状態に導いたことになる。

●この典型的な例が、2年前のコンピューターをいじっていて目的地の上空を通りすぎてしまったパイロットの話だ。

●このような通信携帯機器や、情報が溢れる生活スタイルは、逆に人々のリアルな生活面で起こっている問題を無視させることにつながっている。

●たしかにこのような携帯機器というのは、その一面として現実逃避に有効であるというのは事実である。

●例えば上の例に出てきた出産中に携帯電話で仕事をしていた彼女は、通信機器をいじっている間だけは二人の子供を育てるという新しい強烈な現実を実感する事なく、古いアイデンティティーの自分のままでいられて安心できたという。

●休暇中の彼女は、スマートフォンを仕事ではなく、家族や友人との交流のために使うようになったという。

●しかし同時に、彼女はテクノロジーのおかげで仕事面での要求が高まったことも忘れていない。

●彼女のコーチを務めるクラウス氏は「我々はテクノロジーの津波の真っ只中におり、好むと好まざるに関わらず、我々はこの大波を生き残って自分たちに役立てるようにしていかないといけないのだ」と言っている。
by masa_the_man | 2011-02-12 15:22 | ニュース | Comments(3)