戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

2010年 09月 26日 ( 1 )

ミアシャイマーの警告?

今日の甲州は午後からスッキリ晴れましたが、完全に秋の気配でした。「暑さ寒さは彼岸まで」というのは本当だったんですね。

さて、中国の漁船衝突事件によってますます東アジアの政治事情は地政学なしでは理解できないような状況になってきたわけですが、論文を書いていて時間のない私は、代わりにミアシャイマー先生の言葉を引用してこの状況を簡単に分析しておきたいと思います。

それではミアシャイマー先生、お願いします。

========

(私は自分の理論を)「オフェンシヴ・リアリズム」(攻撃的現実主義)と読んでいるが、これはアジアにとって重要な関連性を持っている。

なぜならこの理論は、「中国が次の十年間(2006年〜2016年)に見事な経済成長を続けていけば、強力な軍事組織を築き上げ、アメリカが西半球で行ったようなやり方でアジアを支配しようとするはずだ」ということを予測しているからだ。

中国が覇権を目指す理由は、中国の文化が伝統的に攻撃的であるとか、政治指導者の失策などにあるのではなく、ただ単に「覇者になることが自国の生き残りを最も確実に保証してくれるから」という点にある。

もしアメリカの国益が他の地域にある大国を西半球から追い出しておくこと(そしてこれがモンロー主義の核心なのだが)にあるのなら、中国の国益が「アジアからアメリカを追い出すこと」にあるのは言うまでもない。

(中略)

もし中国の経済発展が落ち込んでアジアを支配できなくなると、アメリカはその周辺地域から軍隊を撤退させ、日本への安全保障の供給を停止する可能性が高い。しかしながら日本は相変わらず危険な周辺国の中で生きなければいけないだろうし、国家の生き残りを心配しなければならないはずだ。

とくに日本は潜在的な同盟国たち、もしくは危険な敵となる可能性のある中国やロシアのような周辺の大国たちとかかわっていかなければならないし、北朝鮮からの各の脅威も心配しなければならなくなる恐れがある。

また、日本はアメリカの核の傘がなくなった時に核兵器の保持をけんとうしなければならなくなるかも知れない。核兵器の強力な抑止効果を考えた場合、日本が核兵器を入手したいという強力な動機にさらされることになる可能性は高い。

今後十年間に向けての日本の正しい国家安全保障戦略を探り出すのはかなり難しい作業だ。

しかしながら日本が日本が自国の生き残りの可能性を最大限に高めようとするなら、同盟国の組み合わせやバランスオブパワー、大国の行動、核兵器などについて、もっと時間をかけて真剣に考える必要があるだろう。

2006年9月22日:ジョン・ミアシャイマー

『大国政治の悲劇』pp.5-6

=======

うーん、あまりうれしくはないですが、ミアシャイマー先生の理論の予言はけっこう当たっているような気が・・・・

究極的には、「武力の裏付けがない外交は効果なし」というのはまだ正しいわけで。

b0015356_0175870.jpg

by masa_the_man | 2010-09-26 00:18 | 日記 | Comments(32)