「次の戦争」はアメリカ本土で起こる? |
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2021年 12月 24日
今日の中目黒は快晴で本当に寒いです。 さて、一部の界隈で話題だったジョンズ・ホプキンス大学SAISのハル・ブランズによる中国との「次の戦争」を予見するような意見記事の試訳です。 === byハル・ブランズ 21-12/15 アメリカは「向こう側」で戦うことに慣れてしまっている。だが次の敵は紛争を「こちら側」に持ち込んでくる可能性がある。 アメリカ人にとって、戦争とは通常「あちら側」で起こるもの、つまり自分たちの海岸から遠く離れた外国で起こるものである。しかし戦争が「向こう」で起こっても「こっち」で経験することになる、と考える時期に来ているのかもしれない。今後の紛争では、アメリカの領土は聖域ではなくなる。アメリカは技術進歩のおかげで、テロ集団だけでなく、地政学的敵対者がアメリカに直接戦争を持ち込むことを可能にする、国土の脆弱性の時代に突入しているのである。 もちろんアメリカは、過去にも直接攻撃されたことがある。1812年の戦争ではイギリスがワシントンを焼き払った。日本軍は1941年に当時米国領であったハワイを攻撃した。9月11日の同時多発テロは、ニューヨーク、ワシントン、ペンシルベニアに大惨事をもたらした。 しかし、これらのエピソードが記憶に残るのは、それが例外的な事例だからだ。アメリカは国力と地理的条件により、他のどの主要国よりも安全保障に優れた国である。アメリカは冷戦時代からテロと戦ってきたが、テロ攻撃を受けた国、特にイラクとセルビアは、それに対応する能力を欠いていた。 現在はそれがいくつかの点で変わりつつある。 一つは、紛争時に核兵器で米国を脅すことができるライバルが増えつつあることだ。中国は、従来は小規模で脆弱な核兵器を保有していたが、急速に拡大している。北京は、台湾やその他のホットスポットをめぐる紛争で米国を攻撃できるようにしたいのである。北朝鮮は、米国の標的を攻撃できる核弾頭ミサイルを持つ寸前か、すでに持っている可能性がある。 アメリカのライバルは、このような核攻撃を行わない強い動機を持っている。なぜならアメリカからの壊滅的な核報復の脅威があるからだ。 しかし、冷戦時代とは異なり、今日ではあまり終末的でない方法でアメリカ本土を攻撃することも可能であるために、逆にそれが実現する可能性は高い。 ロシアも中国も、長距離ミサイル(巡航ミサイル、極超音速滑空機、大陸間弾道ミサイルなど)に通常弾頭を搭載してアメリカの目標を攻撃する能力を持っているか、それを現在開発中である。中国がコンテナ船から発射した小型無人機の群れを使って、アメリカ西海岸やハワイのターゲットを攻撃する可能性があるとの懸念も高まっている。 こうした攻撃は、おそらく壊滅的な破壊を引き起こすことはないだろう。しかし紛争時にはアメリカの兵站、通信、動員を混乱させる可能性がある。あるいは、モスクワや北京が、中国やロシアの領土に対するアメリカの攻撃を抑止したり、それに対する報復を行ったりするための手段を提供することになる。 最も可能性の高いアメリカへの攻撃は、表立った暴力を全く伴わないものであろう。重要なインフラや金融システムに対するサイバー攻撃は、日常生活を麻痺させ、地球の裏側からの攻撃への対応を阻害する可能性がある。昨年春、東海岸でガス不足を引き起こした「コロニアル・パイプライン」のランサムウェアによる攻撃は、それを予感させるものであった。台湾、ウクライナ、バルト三国をめぐる重大な国際危機のさなかに、はるかに大規模な攻撃が繰り返されることも想像できる。 このような攻撃は、ロシアや中国の計画者にとっては魅力的なものだろう。なぜなら直接の軍事攻撃では不可能な「曖昧さ」を装うことができるからだ。直接的に大量の民間人の死者を出すことなく、国内を混乱させることができるからだ。また、北京やモスクワが東欧や西太平洋で軍事的目標を達成しようと躍起になっているときに、紛争の初期段階でアメリカの動きを鈍らせることもできる。これはアメリカの政策立案者に、厳しい問いを投げかけることになる。 もしこれが実行されて自国の痛ましい弱点が露呈する可能性があるとすれば、アメリカは本気で遠く離れた場所での侵略を食い止めるために武力を行使するのを厭わないだろうか? このジレンマには、完璧な解決策はない。例えば、ミサイル防衛は重要な標的を守るのに役立つが、包括的な保護を提供するには費用がかかりすぎるし、信頼性にも欠ける。アメリカができる最善のことは、防衛、攻撃、回復力を組み合わせることによって、自国の安全保障の弱点を緩和することである。 そのためには、かつて「民間防衛」と呼ばれたもの、すなわち重要なインフラ、物流施設、通信ネットワークなどをデジタルな混乱から守るための、より大規模で体系的な投資が必要となる。ワシントンは、平時において、国家が支援するサイバー攻撃に対して報復する能力と意思を大々的に宣伝する必要がある。そうすれば敵対勢力は、アメリカが戦時中に物理的であれデジタルであれ、より大規模な攻撃にどのように対応してくるのかを真剣に考えるようになるからだ。 しかし、絶対的な保護が幻想であることは避けられない。自国への攻撃の可能性が高まることを受け入れ、それを吸収するために必要な経済的、社会的な回復力を身につけることは、地理的な条件によって免責されない世界において、世界的な影響力を得るための代償となる可能性がある。 このようなメッセージは現在のアメリカ人にとっては耳の痛いものであり、その代償について鋭い議論を引き起こすかもしれない。 ==== このところかなり頻繁に発言しているブランズですが、対中国におけるジョージ・ケナン的な立場を狙っているのでしょうか。 地理の壁がサイバーのような新しいテクノロジーによって克服されたという意見は、今後の実態もからめて注目すべき論点です。 ▼〜奴隷人生からの脱却のために〜最新作! 「戦略の階層」を解説するCD。戦略の「基本の“き”」はここから! ▼〜あなたは米中戦争の時代をどう生き残るのか?〜 ▼〜あなたは本当の北京の工作の手口を知らなかった〜 ▼〜あなたは本当の「孫子」を知らなかった〜 ▼〜あなたは本物の「戦略思考」を持っているか〜 「奧山真司『一発逆転の非常識な成功法則〜クーデター入門に学ぶCD』」 ▼〜あなたは本当の「国際政治の姿」を知らなかった〜 「奧山真司『THE REALISTS リアリスト入門』CD」 ▼〜"危機の時代"を生き抜く戦略がここにある〜
by masa_the_man
| 2021-12-24 10:34
| 戦略学の論文
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