アメリカは台湾をどのように守るべきなのか |
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2021年 12月 07日
今朝の有楽町は曇っておりまして気温も低めです。
さて、最近注目しております新刊を出したばかりのエルブリッジ・コルビーの意見です。 彼は官僚経験が長い人物ですが、アメリカの2018年の国防戦略の策定に関わる過程で当時の国防長官であるジェームズ・マティスと一緒にイギリスに行ってコリン・グレイに話を聞きに行ったときもその同行メンバーでもありましたね。 この人物が最近色々なところに本のプロモーションを兼ねて意見記事を書いているのですが、以下はイギリスの保守系の雑誌に、想定される台湾有事について書いた記事の試訳です。 === 21-11/11 The Spectator 中国が台湾を攻撃したら、アメリカはどのように反応するだろうか?圧倒的とまではいかないまでも、台湾を守るべきだという圧力は相当大きくなるだろう。アメリカは台湾防衛に関して表向きは「戦略的曖昧さ」を公言しているが、アメリカと台湾は多くの点でつながりがあるため、バイデン政権は最近、台湾に対する「確固たる」コミットメントを繰り返し強調している。 北京は自治的に運営されている台湾を明らかに従属させたいと考えている。その一方で、アメリカの信頼性は台湾を守れるかどうかにかかっている。また、台湾は軍事的にも重要である。もし台湾が陥落すれば、日本、韓国、フィリピンの防衛力を著しく低下させ、太平洋の中央部を中国軍に明け渡すことになる。 北京は、厳しい制裁や嫌がらせをしても、台湾が自由を手放すことはないことを知っている。だが同時に、迅速かつ決定的な空と海の侵攻があればそれが可能となることも知っている。中国がこの25年間、台湾を占領するための準備に資源を費やしてきた一方で、アメリカは不用意にも他のことに注意をそらしてきた。そして台湾や日本も防衛を怠ってきた。その結果、侵略された場合に島を助けることが非常に困難となったのだ。しかしまだそれが不可能となったわけではない。 台湾を防衛する上でのワシントンの目標は、中国を包括的に打ち負かすことではなく、むしろ侵略そのものを打ち負かすこと、つまり中国の目的である「台湾の従属を否定すること」にある。アメリカ、台湾、そして戦いに参加しようとするすべてのパートナーたちは、中国の艦隊や航空機に対してあらゆる障害を与えて、侵略行為そのものを阻止することに集中する必要がある。その一例が、機雷や、陸・海・空のさまざまなプラットフォームから発射される対艦・対空ミサイルなどだ。また、防御側は上陸してくる中国軍を排除したり、追い出したりする必要もある。 侵略に対する抵抗が成功した場合、中国は一つの選択肢を迫られることになる。それは、裏目に出る可能性の高い方法で戦争をエスカレートさせようとするか、それとも限定的な敗北を受け入れるかだ。 しかし、このような防御の基準を満たすのはかなり難しい。台湾、そしてアジアの他の同盟国を効果的に防衛するためには、米国は中東、アフリカ、ヨーロッパでの軍事的コミットメントを大幅に削減しなければならない。台湾をはじめとするアジアの同盟国を中国から守り、同時に他の地域でも大きなプレゼンスを発揮するには、米軍には単純に軍事力が不足しているからだ。その他の地域はたしかに重要ではあるが、アジアに比べるとその重要度は低いため、権力の真空地帯となってしまう。 これはアメリカの同盟国であるイギリスなどにとってどのような意味を持つのだろうか。当然ながら、アメリカは台湾が攻撃された場合にはイギリスが支援してくれることを期待している。しかし、極東におけるイギリスの軍事力はたかがしれている程度だ。 その強みが欧州や中東にあることを考えれば、イギリスはNATOの欧州防衛の強化に主導的に協力するのが得策であろう。 台湾をめぐる戦争の際には、イギリスはインドと協力して他の地域の中国軍に対処することができるはずだ。だがイギリスは他の西欧諸国とともに、ロシアとイランがアメリカの台湾への集中を利用するようなチャンスを得られないようにすべきである。 私たちは冷戦後の世界を離れ、新たな大国間の競争の時代にどっぷりと浸かっている。このような状況で戦争の惨禍を避けるための最善の方法は、いかにして紛争を抑止し、そしていざとなったらいかに紛争に勝利するかを慎重に検討することなのだ。 === 他の議論もあわせて考えると、彼の意見は以下の5点ほどにまとめられると思います。 1:大国間競争の時代が来た。ライバルは中国、ロシア、そしてイランである 2:アメリカは世界三大戦略地域おける「中東」と「西欧」は他に任せて「東アジア」に力を集中せよ 3:中国がいざ侵攻してきたら拒否することに注力せよ 4:勢力均衡は(アメリカの)優位がいいに決まっている 5:東アジア各国は大幅な軍備増強をせよ。日本はGDP比で2%といわず10%を目指せ。 ということになります。 とにかくそのやる気と危機感を強く感じられる意見記事でありますが、彼の本やこの意見をめぐって対中戦略について活発な議論が始まったことは個人的には実によろこばしいことだと感じております。 (日本の車窓から) ==== ▼〜奴隷人生からの脱却のために〜最新作! 「戦略の階層」を解説するCD。戦略の「基本の“き”」はここから! ▼〜あなたは米中戦争の時代をどう生き残るのか?〜 ▼〜あなたは本当の北京の工作の手口を知らなかった〜 ▼〜あなたは本当の「孫子」を知らなかった〜 ![]() ▼〜あなたは本物の「戦略思考」を持っているか〜 「奧山真司『一発逆転の非常識な成功法則〜クーデター入門に学ぶCD』」 ![]() ▼〜あなたは本当の「国際政治の姿」を知らなかった〜 「奧山真司『THE REALISTS リアリスト入門』CD」 ![]() ▼〜"危機の時代"を生き抜く戦略がここにある〜
by masa_the_man
| 2021-12-07 09:12
| 戦略学の論文
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