今日の恵比寿は相変わらずの猛暑日です。街に暖房が入ってます。
さて、昨日まで香港に滞在しておりまして、そこで感じたことをいくつか。
かなり以前から計画していたこととはいえ、今回の香港滞在はタイミングよく香港一斉ゼネスト(8月5日)に日程をあわせることができました。
まず自分の結論から言うと、
「デモを体験できてよかった」
との一言につきます。
日程は3泊4日となったのですが(8月3日〜6日)、結果的に私が滞在していたすべての日程では毎日デモが行われ、さらに毎晩デモが暴徒化して警察と衝突をしておりました。
しかもその3日間で、毎晩デモがエスカレートするというおまけつき。
たとえば日曜の朝の報道では、6月にデモが開始されてからこれまで香港警察によって使われた催涙弾の数が1000発という報道があったのですが、最終日の報道を見ると、ゼネストが行われた月曜日のたった一日だけで800発(!)の催涙弾が使われたという報道がありました。
それを受けての昨日の北京側の反応ですが、香港マカオ担当の部署のトップがさっそく
「火遊びする人間は火遊びによって滅びる」
という
強い言葉で警告しております。今回の滞在の期間だけでも、事態はどうしようもないところまで来ているという印象を受けました。
以下ではポイントにしぼって簡単に説明していきたいと思います。
▼デモのやりかた
われわれが見学したデモなんですが、これは警察にあらかじめ情報がデモ主催者側から伝えられており、開催場所、開始時間、そして行進ルートまでは決まっておりました。
つまりデモは基本的に合法的な形で始まるわけです。
以下はわれわれが到着した当日に参加したデモの案内ですが、
というように、おおまかなデモの発着点と終着点らしきものは記してあるわけです。
ところが私が上の地図の右にある「旺角地鉄駅」と書かれている、地下鉄レッドラインの「旺角」(Mong Kok)という駅から地上に出た1630頃、つまりデモ集合から2時間たった時点では、すでにデモ隊の群れが灰色で「彌敦道」と書かれている道を南下しているような状態。
つまり彼らは計画されていた道を外れて行進していたわけですが、この時点でデモ隊は香港の法律に照らせば「非法集会」となったわけです。
このような非法集会ですが、夕方までは比較的おだやかなもので、子供や老人まで参加する、ややお祭り的な雰囲気はあります。
ところが日が暮れると状況は一変し、ヘルメットやガスマスクをした「武闘派」らしき若者たちが、街角で戦闘準備を始めます。
とりわけ印象的だったのは、数人の若者たちが持ってきた荷物を囲んで、腕に台所用品として使うプラスチック製のサランラップ(商品名)を、互いの腕に巻きつけ始めた姿でした。
これは警察に催涙弾を発射され、そのガスに接したときに火傷状態になるのを防ぐためのもの。
とにかく「デモの本番は夜」という雰囲気であり、夕方頃から黒いシャツを着た若者たちが、行進したあとの車の通らない路上に次々と数人ごとに座りこみ、武闘派たちは近くの警察署をレーザーポインターで照らしながら襲撃を開始しはじめました。
そして遅くとも真夜中までは居座り続けるデモ隊を排除する目的で警察は催涙弾を使う、というサイクルが連日繰り返されているということでした。
長くなりそうなので続きはまた明日。

(デモ隊に襲撃される油尖警察署)