今日の横浜北部はなんとか晴れました。初夏の陽気で暑かったです。
さて、またしても不確実な未来について。
ものごとを実行する人たちは、とくに戦略的な要素が増えれば増えるほど、情報がない中で手探りでものごとを進めていくしかなくなることを説明してきました。
それに備えるためには、グレイを始めとする戦略家たちは「歴史」と「予測」(フィクション)しかないと語っているわけです。
そして「歴史」を使う場合、それが恣意的になってしまい、間違った教訓を応用してしまう誤りは避けられない、というところまで話をしました。
こういうことを考えていた時に、先日自分の専門とはだいぶ異なるある学会に参加しまして、懇親会の時に興味深い話を聞きました。
それはリーマン・ショックの時の話です。
その方は金融機関にお勤めになっていたかたなのですが、2008年の世界金融危機の時に、まっさきに調べようと思ったのが、過去の金融危機。
そしてそれはもちろん「昭和恐慌」です。
この当時の本を色々と読んでみると、実に興味深かったのは、当時の銀行の中で、うまく預金の取り付け騒ぎを回避した例。
ではこの回避できた銀行が何をしたかというと、その前の明治23年恐慌を実際に体験した年寄りの銀行員がまだいて、その人にどうやって取り付け騒ぎを乗り切ったのかを聞いたということ。
するとその爺さんは
「中央銀行からありったけの現金を借りろ、窓口に有り金全部積み上げろ、整理券を配って行列を作らせるな」
とアドバイス。
おかげでその銀行は取り付け騒ぎを回避できたとか。
この話がどこまで正確なのかは知りませんが、実際に「歴史」が使われて(戦術レベルですが)効果を発揮した一例ということは言えそうです。
ここまで書いて時間切れです。つづきはまた明日。