今日の横浜北部は、朝からスッキリ晴れました。
さて、昨日のエントリーでは、競争戦略において重要なのは、主観的ながらも「弱者」として相手に立ち向かう考え方であると指摘しました。
それではいよいよ競争戦略のアプローチとして、具体的に中国に対してどのような対策がとれるのかを簡単に考えてみたいと思います。
まず中国のように国土が広く、しかも国力のある国家に対して重要になってくるのは、軍事的な力で直接対抗しようとすることではありません。
すでにアメリカがソ連に対して行ったように、その一つ上のレベル、つまり大戦略のレベルで相手に対応させることです。
この際に考慮する要素として重要になってくるのは地理や歴史であります。
そして
前回のエントリーでも示唆されているように、その安全保障面での脅威というのは「陸地」、とりわけ北部や西部から侵入してきた遊牧民や騎馬民族からもたらされてきたことがわかります。
さらに2018年現在の中国の
国内の治安維持費は、国防予算を20%を上回っているというデータもあります。
もちろんこのデータが正しいかどうかという議論はあるわけですが、少なくとも北京政府は官僚的な事情から
国防<治安維持
という形で懸念するこの比重が違うわけです。
すると競争戦略のアプローチではこの
「国家予算を治安維持に対して余計に割かざるを得ない」
という北京の共産党政府の官僚主義的な事情、つまり「クセ」としてとらえます。
そしてこのクセを「弱点」としてとらえ、それを活用するように考えるわけです。
すると、このアプローチでは、「治安維持費」の方にさらに長期的に資金を投入させるように仕向ければよい、という結論が出てきます。
より具体的にいえば、競争戦略を仕掛る側として、
「西部や北部において、民族分離・独立運動や、反北京運動を仕掛ける」
ということになります。
物騒ではありますが、国内で反乱を煽るということです。
すると、いまや海洋進出し、「シーパワー国家」とならんとしようとしている北京政府も、さすがに国家のリソースを陸上の方に戻さなければならなくなるからです。
マハンは主著『海上権力史論』の序章において、
「国家はランドパワーとシーパワーを両立させることはできない」
と喝破しているわけですが、これは国家のリソースが有限であり、「二兎を追うものは一兎を得ず」になってしまうからです。
そうなると、現在の中国の海洋進出は、明らかにリソース的に無理した状態であり、これは自然に反しており、いつしか収縮することになりかねません。
では弱者側がどうすればいいかというと、それは北京を陸上に呼び戻すことです。
これを古典地政学の言葉を絡めていえば、
「中国に、自分たちがランドパワー国家であることを再び自覚させる」
ということになるわけです。
ここまで書いて、時間切れです。続きはまた明日。
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