今日の横浜北部は曇っておりまして、夕方に雨が降りました。
さて、論文をやっていて時間がないので、本の紹介だけ。
昨日書かせていただいた批判地政学に関連する本なのですが、私がいまから20年ほど前にカナダで政治地理学の授業を受けたときに使われていた教科書が、以下のものでした。
Gearóid Ó Tuathail, Simon Dalby, Paul Routledge eds.,
The Geopolitics Reader (London: Routledge, 1997)
97年後半の出版ですから、私が授業を受けていた99年頃にはまだ新刊ホヤホヤだったわけですが、その後に同じ編著者たちによって
改訂版が出て、さらに現在は編著者たちも代替わりして、以下のものが出ております。
厚みといい中身の充実度といい、やはりこれが現在の批判地政学系の政治地理学の教科書としては決定版となるのかも知れません。
編集方針は上の本と全く一緒で、実際に前書きの部分で「The Geopolitics Readerを踏襲してます」とお断りもしております。
どうやら初版の先生たち公認の後継本ということみたいです。
全部で4つのパートにわかれて49本(!)もの論文が収録されているのですが、10本少なかった初版のものと比べても、宗教やジェンダー、それに環境系の論文など、分野も拡大&充実しておりまして、その筋のものが好きな方には非常に勉強になるものと思われます。
それにしてもやはり象徴的なのは、この本のパート1のタイトルが「帝国主義的地政学」(Imperial Geopolitics)となっているところでして、マハン、マッキンダー、ハウスホーファー、ヒトラーまで収録されているところです。
ということで、英語圏の大学の、政治地理学の授業で使われる教科書の紹介でした。
明日から通常モードで大戦略の話に戻ります。
(2月の都内某駅の様子)
====