今日の横浜北部はちょっと雲があって寒いですね、なんとか晴れるみたいですが。
さて、前回ではルトワック以外に大戦略を論じていた人々の話を書くと予告しておりましたが、ちょっと気分を変えて別の話を。
大戦略の話ですが、これは国家の話だけではなくて、別の分野の話にも応用できるのでは、というのが以前からの私の考えです。
たとえば個人のレベルの話に応用してみますと、大戦略が優れている人間というのは、ルトワック式に考えてみれば、
外交:良い人脈や仲間、味方を持っている。
インテリジェンス:頭がよい、情報を持っている。
軍事力:健康、体力がある、仕事ができる。
という風にも言い換えることができるでしょう。
ではここで
軍事≦外交
の不等式に関してはどうなるのかというと、フリーランスの人の間でよく言われるように
「締切を守る人間は、締切は守らないが質の高い仕事をする人間に勝る」
と言いかえることができるかもしれませんし、
「いくら仕事ができても、人付き合いの下手なやつは出世しない」
という一般論で表現することができるかもしれません。
もちろん個人レベルでは上記の例外はいくらでもあるわけですが、大きな枠組みとしてはルトワックの言うような
「大戦略レベルで優るものは、軍事戦略レベルで優るものに勝つ」
という公式は当てはまると思います。
また、大戦略レベルは、その下の軍事戦略につぎ込める国家の経済力や資源配分、さらにはインフラなども入ってくるわけですので、ややゲスい話ですが、これを個人的に当てはめてみますと、
「家柄が良い、家が金持ち、学歴が高い、は有利」
という身も蓋もない話になってしまいます。
もちろん上記の三条件に当てはまらないで成功した人もいるでしょう。
だだし、そのような人物は、人生のどこかで必ず自分を引き上げてくれる人との縁、つまり「同盟関係」によって助けてもらったり、資金をうまく貯めたり、インテリジェンス、つまり頭脳や情報を磨くなどして、結果的に大戦略レベルで力をつけた人ばかりです。
また、個人レベルで素晴らしいスキルやアイディアを持っている人や、仕事だけはできる人、つまり技術〜作戦レベルで優れている人、軍事力のある人(?)も、クラウドファンディングなどを活用するなど、工夫やアイディア(これもインテリジェンスという頭脳部分なので大戦略ですが)次第では、大戦略レベルの不足を補うこともできるような世の中になってきております。
いずれにせよ、私がここで皆さんに訴えたいのは、「
戦略の階層」は実に参考になる考え方なので学んでくれ、ということです。

(山口の橋)
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