戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28

なぜ北朝鮮に文句を言わないのか

今日の横浜北部は曇っておりまして、かなり涼しくなってます。

さて、久々にコメントを。

つい先日の話ですが、夏休みがもう終わろうという8月29日の早朝に、北朝鮮が津軽海峡上空を越えて弾道ミサイルを発射しました。

これによって全国瞬時警報システム(Jアラート)というシステムが作動し、主に東北を中心に携帯電話などから警告が鳴り響いたり、鉄道各社が運行を見合わせるなど、一時的に日本各地で混乱が発生しました。

もちろんこのニュースを聞いて

「またミサイル発射実験か」

と感じたかたもいらっしゃるとは思いますが、今回が前回までと違ったのは、北朝鮮が予告なしに実験を行い、しかもJアラートが実際に鳴らされたという点です。

とりわけこのJアラートの作動は、それを聞いたほとんどの国民に対して「警戒すべきだ」という心理的なインパクトを与えたように思えます。

幸か不幸か、私の住んでいる地域ではJアラートは発動しなかったのですが、今回ネットの意見で極めて印象的だったのが、この発動に対して、日本政府、もしくは安倍政権に対して極めて批判的な声が多かったことです。

その典型が、ホリエモンこと堀江貴文氏がツィッターに「こんなんで起こすなクソ」と書いて炎上したケースでしょう。

たしかに早朝の朝6時前後に突然前触れなしに警報を鳴らされたら誰かに文句の一つも言いたくなるのはわかります。私も少しだけ、彼に同情したい。

ところが私が問題だと思ったのは、その怒りの矛先を、ミサイルを発射した当事者である北朝鮮、もしくはその指導者である金正恩に向けず、なぜか日本政府と安倍政権に向けた人がけっこういたという点です。

世界中のどの国にも、政府に対して不満を持つ層が一定数いることは当然なのですが、それにしても、なぜ今回は、ミサイルを発射した北朝鮮ではなく、批判すべきは日本なのか

このような疑問について、私も長年その理由を色々と考えてきたわけですが、従来の保守系のメディアなどでは、今回のような批判的な態度をとる人々に対して、

「日本のことを本気で邪悪な存在だと見なしている」

という、いわゆる「反日派」というものや、

「彼らの故郷は北朝鮮だ」、「北朝鮮にシンパシーを感じている」

という意見が長年にわたって展開されてきたわけです。

ところが私は個人的に違うなぁと感じておりまして、なぜ違うのかいくつか理由を考えていたわけですが、今回なんとなくまとまったので、ここで簡単に披露してみたいと思います。

❊❊❊

まず、今回の北朝鮮に絶対に悪口を言わず、その代わりに日本政府に対して批判的な人々は、大きくまとめると、以下のような五つの「学派」(school of thought)に分かれるのでは、というのが私の分析(といってもそんな大げさなものではないですが)です。

一つ目は「無視学派」です。

いきなり「無視」と言われても意味不明かもしれませんが、簡単にいえば、彼らは今回のように北朝鮮にミサイルを発射されても、そもそもそのような実体(エンティティー)は彼らの中に存在しないので、北朝鮮を批判する、というところまで意識が行かないのです。

つまり、北朝鮮を存在を無視している、もしくは見えないわけです

これはエドワード・ルトワックが私の訳した『自滅する中国』や『中国4.0』の中で展開しているような、いわゆる「大国の自閉症」(the great power autism)とそっくりな現象。

彼らの世界観の中には日本だけしか存在せず、外からミサイルが飛んできても、それは日本政府が全て悪い、という形で脳内変換されてしまうのです。

二つ目は「日本大国派」です。

日本政府に批判的な界隈の人からよく聞く言説として、「日本が挑発的な行動をとるから悪い」というものがありまして、今回の案件では慶応大学の金子勝氏の「北朝鮮も怖いが、”戦時放送”を流す安倍政権も怖い」というのがその典型。

彼らにとって、あくまでも北朝鮮の暴走を誘発しているのは日本側の態度であり、日本こそが戦争を挑発しているのだ、というロジックになるのです。

ところがこれは、実際は実に傲慢な態度だといえます。というのは、彼らの中では、日本のたった一つの小さなアクションでも北朝鮮のような国の強烈なリアクションを引き起こすということであり、これはまさに自国の強さと影響力を無自覚に前提としているからです。

そういえば数年前にISが「72時間以内に日本政府が2億ドルを支払わなければ、人質の邦人2人を殺害する」と動画で予告した事件がありました。

その時に「人質の命を救う手段があるとしたら、イスラム国に対する対決姿勢を表明した安倍首相自身が、人質の命と引き換えに辞任することだ」と述べた人がいましたが、これも日本(もしくは安倍首相)の実力を過大なものとしてとらえているといえます。

彼らは日本や安倍首相が強大な存在であり、その動き次第で他国(この場合はテロ組織)が対応を変えるという前提を(知ってか知らずか)持っているわけです。

もちろん日本はいまだにGDPで世界第三位の国ですから「大国」と言えるのかもしれませんが、今回の対北朝鮮のような安全保障の分野ではほとんどレバレッジをもっておりません。

この学派の考え方は、1950年代にジョン・ハーツという学者が提唱して有名になった「安全保障のジレンマ」(security dilemma)と親和性が高く、日本が武装化するから北朝鮮も武装化する、という矛盾を意識する傾向が強いわけです。

ところが彼らの中では、日本が(武装化によって)挑発しなければ、北朝鮮も挑発してこない」という、きわめて楽観的な考えが存在しております。

三つ目は「陰謀派」です。

これは単純に、北朝鮮と安倍首相は「グル」であり、支持率が落ちると、安倍首相は金正恩に一本電話をかけて「ミサイル一発撃ってくれ」と頼むというものです。

論じるまでもないくだらない考え方ですが、国際スパイスリラーやフィクションとしては一定の需要がある、というのは私も理解できます。

なぜなら「上で支配者同士がつながっている」と考え方が生まれるのは、多数のプレイヤーがからむ複雑で混沌とした世界を、単純にすっきりとした「物語」として考えたい、という欲が人間に備わっている、と私は考えるからです。

このような因果律の逆点した不思議な考え方は、ものごとを単純化して考えたいという希望的観測から出たものである、と考えれば納得できます。

四つ目は「弱い者いじめ派」です。

彼らの考えの中では、北朝鮮は国際的にいじめられている「極めてか弱い存在」です。

そうなると、彼らが核実験をしたり、ミサイルを上空に飛ばしてきても、それは「追いつめられたかわいそうな国がやることだから、許されるべきだ」ということになります。

これには「日本が戦前に朝鮮半島に対してひどいことをした」という贖罪意識もからんでいるのでしょうし、「弱気を助け、強きをくじく」的な判官贔屓(ほうがんびいき)のような感情もあるでしょう。

いずれにせよ、この考えはあくまでも目線は北朝鮮にあり、日本がどう感じようと関係がない、ということになります。

最後の五つ目は「荒魂派」です。

これは北朝鮮を「自然の神様」のようにとらえて、その「荒ぶる魂」にはなるべく手を出さないほうがいい、と考えるものです。

つまり彼らの中では北朝鮮は自然災害をもたらす「疫病神」や「たたり神」のような存在であり、その対処方法としては「さわらぬ」か、もしくは台風や地震のように「過ぎ去るのを祈って待つだけ」となります。

これはおそらく日本の神道的というか、土着信仰的な考えがベースになっているのかもしれませんが、メディアの議論を見ているとこのような文化的・宗教的な視点というのも無視できないと感じます。

そうなると、日本古来の対処法として、「金(キム)神社」や「北朝鮮神社」のようなものを造って祈祷したり、祇園祭のように毎年お祭りをする、ということになるのかもしれません。

ところが現状で提案されているのは、「触らない」という方向か、もしくは「安倍首相のような腐敗政治をやる人間は徳がないので辞任すべき」という、まさに徳治主義的なもの

そういえば石原慎太郎氏が東北大震災の直後に「津波は天罰」という趣旨の発言をしたこともありますが、これも「荒魂派」的な「徳のないリーダーは辞任すべき」という典型的な徳治主義の考えでしたね。

❊❊❊

以上、五つ学派をそれぞれ説明してみました。

お気づきかもしれませんが、これらはすべて「相互排他的」ではなく、いくつかの学派の考えはオーバーラップしております。

たとえば「弱い者いじめ派」と「無視」の両方の考えを、混合的にもっている人もいるわけです。

もちろん私はこの五つは単なる個人的な「試論」であると思ってますが、「北朝鮮がミサイル発射したら日本を批判せよ」という不健全な考え方のロジックを探るものとして、それなりに意味があるものだと考えております。

なぜなら、この五つの学派がわかると、その視点は北朝鮮だけに行っているのか、もしくは日本国内だけに向かっているのかというバランス問題であるともわかってくるからです。

このような考え方を知ることで、逆にわれわれは「国際的な戦略関係というものが、実は相互関係によって成り立っている」ということを、ルトワックや孫子などを参照せずに学べるとも言えるでしょう。

他にも「私はこう思う」という方がいらっしゃいましたら、ぜひ。

b0015356_16374719.jpg
(ウィーン)



▼〜"危機の時代"を生き抜く戦略〜
奥山真司の『未来予測と戦略』CD
奥山真司の『未来予測と戦略』CD



▼奴隷の人生からの脱却のために
戦略の階層」を解説するCD。戦略の「基本の“き”」はここから!
戦略の階層を徹底解説するCD


▼〜あなたは本当の「孫子」を知らない〜
奥山真司の『真説 孫子解読』CD
奥山真司の『真説 孫子解読』



▼〜これまでのクラウゼヴィッツ解説本はすべて処分して結構です〜
奥山真司の現代のクラウゼヴィッツ『戦争論』講座CD
奥山真司の現代のクラウゼヴィッツ『戦争論』講座


▼〜これまでの地政学解説本はすべて処分して結構です〜
奥山真司の地政学講座CD 全10回
奥山真司の地政学講座 全10回






奥山真司のアメリカ通信LIVE


奥山真司のアメリカ通信LIVE
Commented by だむ at 2017-09-01 21:26 x
「いままでアベ首相をさんざん敵視してきた手前、いまさら北朝鮮に核ミサイルを撃ち込まれた程度で北朝鮮を非難したら悪のアベ首相に対するいままでの自分の態度が間違っていたことを認めることになるからできない」というあたりかなあ
Commented by 博多の人 at 2017-09-01 23:35 x
たまに、youtubeをみさせてもらってます。

北朝鮮がミサイルを撃ってるのに、何故、撃った側でなく、撃たれる側日本を非難するような発言が多いのか?
個人的な経験として、①福岡に限らず、全国でしょうが小中学の時期に平和授業なるものがありました。
「戦争は怖い、やっちゃいけない」といった感じをすり込まれるようなものという記憶しかありません。
②テレビ番組や学校での歴史の授業などで、日本がアジア諸国にひどいことをしてきたんだとすり込まれる。
①と②がまじりあって、今の日本での生活を担保するには、日本には米軍が駐留して監視をし、二度とアジア諸国には迷惑をかけませんよ的な態度をとることが一番なんじゃないかと、かなり反日のような態度をとりながらも日本人として日本に住んでるといった複雑な気持ちでいました、昔のボクは。
このような気持ちでいると、ミサイルを撃ち込まれるのは、日本に悪いところがあって、その理由として、記事にしてある5学派をミックスしたようなものに同調し、発言するだろうなと思います。どこかに、リベラルの理想主義が強くあり、話せばきっとわかりあえると思い込み、ただただ、戦争はさけたい一心のような気もします。
Commented by 79790 at 2017-09-01 23:43
楽な方にカイゼン要求派

批判とはカイゼン要求。
要求を誰にするかの問題。
楽な方に要求してる。

1自己反省
2変われる方を批判
3弱い方を批判

1自分なら、変われる。
他人を変えるのは、困難。
21と3の間。
3弱い奴なら、変えれる。
強い奴を変えるのは、困難。

日本は1寄りの人が他国より多いと思う。
反省(カイゼン)は、誰しもがする必要がある。
しかし、批判(カイゼン要求)は、一方だけになりがち。

Commented by 待兼右大臣 at 2017-09-02 01:10 x
この5つの分類に共通するのは
わが国と北朝鮮との二国間(或いはそれ以上)の関係であるのにも拘らず、当事者間の相互性を無視している所にあります。

つまり、日朝間の紛争に発展するのは、日本側「のみ」の意思によるのであって、北朝鮮の意思は関係ない

というものです。
その意味において、小室直樹の

明治以降、わが国か関係した戦争(日清、日露、第一次大戦、第二次大戦)は全てわが国の意思で改選しているので、わが国が非戦の意思を持ては戦争にはならない

という固定観念が植え込まれているのではないか
という仮説が妥当しているのだと思います。

この仮説の分析を行ったうえで、この5分類の意味が出てくるのではないかと考えています

ということで、現時点では「そんなに細分化しても『意味がない』派」(将来的には意味があるかもしれない)です。
Commented by 7743 at 2017-09-02 05:32 x
違うだろう。
ミサイルは自分に何ら実害を起こしていないが、朝っぱらに警報で起こすのは実害がある。
これがすべだたろう。

ついでにいうなら、ミサイルを外交で止められない、
安全保障も満足にできない政府は何をやっているの?という問題もある。

もちろん、北朝鮮が一番悪いのはその通りだが、
現時点で自分に一番実害を与えているのは日本政府だから、政府に怒っているのではないの。
Commented by JJ at 2017-09-02 09:22 x
ミサイルが危険なら空爆演習も安全ではないし、整備不良で墜落するオスプレイも全然安全ではないわけだが、前者のみを悪とし後者を問題視しないという点でブログ主が現在の政権のスタンスを無意識に踏襲しているのは大変残念だ。物事を分析的に批判するなら、自分の拠って立つスタンスに同じ程度の批判・分析の目を向ける必要があるだろう。
たとえば、「ミサイル(など仮想的のもたらす危険)を過大に吹聴すること自体が一つの国としてのプロパガンダであり、これは世論操作の典型的な手法だ」という視点をもてば(政権側がその視点を公に述べることは絶対に無いが、ありふれた政治手法なので政治家は当然そういう視点を知っている)、Jアラートに対して「本当に必要だったのか」という疑問や批判意識は当然起こりうるものであり、正当な意見でもありうる。こういうごく簡単な理屈に思いが至らないのは、申し訳ないがブログ主が自分の「無意識の前提」を疑うことが十分でないからだ。
「無意識の前提」をもったまま行われる言説は、たとえば上の「五分類」などもそうだが、残念ながら学問ではなく単なるプロパガンダでありそれ以上の価値はない。
Commented by 北日本の住民 at 2017-09-02 11:07 x
今回対象地域としてアラートで起こされた北日本の住民として率直に、家族や住民の安全を守る為に何が必要なのかと考えた。当日は一応、カミさんや小さい子供を窓から離し部屋の真ん中へ移動させた。

Jアラートは、発射時点で100%本土及び領海内に着弾しない確証があれば鳴らさなくて良いが、0.1%でも着弾する可能性があれば、ミサイルの着弾を判断する情報は皆無であることや、避難や回避行動の可否を選択する権利は個人に有することから、国家と国民間の情報の非対称を埋めるためにも、やはり鳴らすべきだと思う。

例えば、着弾リスクを踏まえた上でアラートを拒否するような人もいると思われるので、Jアラートの設定を切り替えることは可能なのだろうか?私は少なくともアラートによる情報は欲しているし、必要だと思う。Jアラートに対する反応は、日本国民の国防に対する意識差も反映させている。

ブログ主はこうした日本人の国防に対する意識や価値形成のプロセスについて述べており、一読に値する。
Commented by jomo at 2017-09-02 15:24 x
二つ目の「日本大国派」と四つ目の「弱い者いじめ派」を合わせると、詳しくは知らないけど「ストックホルム症候群」のようなものになるのでしょうかね。
・立てこもり犯:北朝鮮
・人質:日本国民
・取り囲む警察:日本政府(やアメリカなどその他)
犯人を興奮させると危害が加えられる恐れがあるから、刺激する警察に対して苛立つ人質
という異常な心理状態になりつつあるのかなと感じます。

現状では、北朝鮮はなかなか理知的だし、それほど追い詰められてもいない訳で、日本人の中の北朝鮮に対するイメージを改めないと日本国民の方が情動的になってしまう恐れがあるのではないかと少し心配です。
Commented by ふゆつき at 2017-09-02 15:33 x
今回の件で個人的には、「自虐教育洗脳」派ですね、私の考えはw

国際的に問題が起こると、どうしても最終的に「日本が悪い」と持って行きたがる考え、欲求の事ですw

自らをあえて悪く言い律する事で、モラル的な部分でも上位に立ち、満足感を得られる、という副作用もあります。リベラルの方に多い考えでしょうか。
Commented by 名無し at 2017-09-02 16:35 x
天気予報が外れたとき、クレーマーの多くは「天」ではなく気象庁関係者や気象予報士にヘイトを向けます。「天」は自分達の意向が通じる相手では無いということを知っていて、「仕事でやっているのだからしっかりやれ」と気象予報士を責めるのです。
Commented by 思いつきの人 at 2017-09-02 17:26 x
国際社会があるとして、国際社会が議論する場が国連であれば、北朝鮮は国連で決議されたことを全て無視してきたから、国際社会は北朝鮮をコントロール出来ない。まずはその前提が事実としてある。

そういう国がミサイルを撃った。

ミサイル防衛の一観として、システムを作った警報が作動した。

そしたら怒った経済人がいた。

北朝鮮にはコトあるごとに,官房長官、総理大臣が文句をいっているので、ここに書かれている5の学派はブログ主が勉強してきたことを一定の型にいれたことの御開帳以上のものではないように思いました。
Commented by bb at 2017-09-02 18:49 x
個人的には弱虫派と思っております。
安倍政権の悪口を言っても実害はありませんが、
北朝鮮の悪口をいうと実害が伴う、
という弱虫の心理でしょう。
あと、
北朝鮮系ファンドは随分と儲けたでしょうね。
Commented by JJ氏のような詭弁学派にご用心 at 2017-09-03 13:46 x
様々な場での奥山氏の発言をお聞きしていると、どうにも日本における左派の情報工作について懐疑的というか、そのことに言及すること自体を好んでいないように見受けられますね。
戦前より、地道なプロパガンダで政権、政党政治、議会制民主主義に対する国民の信用を傷つけようとする情報工作は、コミンテルンを始めとする極左勢力の得意とするところでありまして、膨張する中国の脅威や北朝鮮の動向よりも、首相のスキャンダルである森友だの加計だのといった瑣末な問題を取り沙汰して、国民の意識を撹乱・操作しようと努めている一部マスメディアの尋常ならざる動きを見れば、これが氏の仰る5の類型で説明可能なものとは到底思われません。一部メディアの上層部が極左勢力の巣窟になっていることは度々指摘されるところでもありますし、日々国内で行われたる分断工作等も勘案すれば、今回の件も左派勢力の工作であると考えるのが自然かと思うのです。間違っても国民一般の性質がしからしめたものなどではないでしょう。
しかし、悪意ある敵性国家の予告なき核攻撃(ミサイル)の脅威と同盟国アメリカの軍事演習のリスクをあたかも同じものであるかのごとく論ずる>>6のような人間が、知らず知らず左派のプロパガンダに協力するデュープスとなることを思えば、案外国民性というものを問題にするのは間違っていないのかもしれませんね。
Commented by nana at 2017-09-03 14:37 x
最近起きた中学生をビンタする一件に見る「なにか他のやり方があった”はず”だ」とする意見の、なら「他の」とはどういうものがあるだろうかと話が続いていかない。事象への否定のみでその当事者らより高い目線になれた気がするところで言いっぱなしにしてしまう、ワイドショーのコメンテーターのスタイルに知らず知らず毒されていると感じます。
外交が上手くないとする言い分も見かけますが、どうするのが上手い外交かと問われると「こうした状況に陥らぬように立ち回れなかったのが問題だ」と別の責任論(それも本当に日本の外交が原因か怪しいもの)にすり替えられたり。この辺りは日本大国派に当てはまるのかな。根性論でどうにかできたはずとだけしか言わず、首相や政府の努力が足りてないとする理想が高い人たち。
似たようなことを自分もどこかでしてしまっている心当たりもあります。日本独自の信仰なのですかね。
Commented by mm at 2017-09-03 17:21 x
文章拝見させて頂きました。

今回などのミサイル発射において政府を批判する方の中で、極端な左翼の方を除けば、恐らく殆どの一般の方は「荒魂派」(「荒魂」というのもまた極端な表現であるように思いますが…)に属するのではないでしょうか。
自分に制御や関与ができないような害悪に対しては、それに対して制御や関与ができる“味方”に対して働きかけるのが道理の通った、ごく一般的な対処であると思います。

例えば、善良な市民の一人が、言葉も通じず力も及びそうにない巨漢の外国人の暴力を行う場面を目にしたならば、警察に対して連絡をするなどの働きかけをするでしょう。

また、もし仮に日本が超平和主義国家で自衛隊すら持たず、今回のミサイルが国土に着弾し死傷者が出ても「遺憾だが報復は勿論、中露を刺激しないためにもBMDの整備もしない」などというスタンスだったなら、右翼の方々は北朝鮮に怒る前に弱腰の日本政府に対して怒り、批判するでしょう。

私はこの“味方”に対する働きかけ、すなわち自国政府に対する批判そのものを不健全として否定すべきではないと思います。防衛能力を強化すべきなどの右翼的批判、外交的融和に努めるべきなどの左翼的批判、そのどちらも無ければ国家としてそれこそ不健全というものではないでしょうか。

無論、私個人としては今の北朝鮮が融和策を提示して諸実験を止めるようには見えませんので、政府に対しては自衛隊の能力強化や米韓との軍事的連帯の推進、国際的な外交圧力を期待する所存ですが、北朝鮮との融和について可能性を切り捨ててはいけないとも考えております。
Commented by 79790 at 2017-09-04 00:43
日本脅威派(日本が敵派)
遠くの脅威よりも、近くの脅威。
日本の方が脅威(敵)。
敵に塩は送らない。
敵(日本)の脅威は、大きく評価。(日本大国派)
敵の敵(北)の脅威は、小さく評価。(無視学派)

加計の事を考えると、こっちの方が良いんじゃないかと思う。
北(前川、岩盤利権)の脅威が、無視されてる。

あの無慈悲さ(理不尽さ)は、敵だから。
Commented by ドルガチェフ at 2017-09-04 10:46 x
記事を読んだ。面白い分析だった。もう一つ、笑ってしまうような珍説を紹介しよう。保守本流から大きく離れ、しかし左派的でもないが、「北朝鮮は大日本帝国の遺児である」という説だ。アジア解放を掲げた我々のかつての帝国の明白なる天命を北朝鮮が継承しているという馬鹿馬鹿しい主張で、調べればすぐに出てくる。金正恩は天皇家だとか、金日成は親日派だとか、幅があるようだ。
Commented by jun at 2017-09-04 16:24 x
ひとつの理屈できれいに解けるとは思えないので、いくつも並列するっていう奥山さんの方法が実際的だと思いました
荒魂派には笑った
ただ、自然災害との同一視には、どうにもならないという側面のほかに、自分たちの努力だけで被害を最小限にできるというプラスの面、しかし戦略論的には奥行きのない面もあると思うんですよね。相手が理屈通りに動いてくれるという期待というか
今度のことより、もっと一般的な局面で日本人の在り方を説明する野に都合がよい考え方じゃないかな
Commented by sdi at 2017-09-06 00:25 x
八紘一宇を唱え欧米の植民地利権の排撃を唱えた戦前の大陸派の後継者こそ、(極東)アジア諸民族との連帯を唱え反米闘争に熱中するサヨクな方々です。彼等の間には「反(欧)米」という心棒が通ってます。冷戦中「のソ連の核は平和のための核、アメリカの核は戦争のための核」というのも、そういう観点からみたら首尾一貫しているともいえなくありません。
そういう点で、「日本が変われば世界は変わる」プラス戦前から連綿と続く大陸指向の情念が沈黙を正当化しているのではないでしょうか。
Commented at 2017-09-06 19:24 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 杏仁胡椒 at 2017-09-06 19:26 x
興味深く拝読いたしました。

総じて言うと日本人の7~8割は国際政治に関心を持っておらず、この問題についてはメディアの言説や味方に左右される部分が大きいと思います。

great-state-autismという言葉は日本には少しあたらないかと思います。日本人はアメリカ人よりも文化などの面では外国に強い関心があり、また今回のような場合も、アメリカ人ならば、まったく違う劇的な反応を示した筈です。

私は日本人の国際政治への無関心さは冷戦時代の無力感が大きいと思います。また昔から「島国論」として言われてきたように、鎖国などを含む歴史、人種的な均質さ、海外同胞からの情報の少なさもあるでしょう。

大国派は恐怖心を利用して子供の頃から刷り込んだプロパガンダの結果じゃないですかね。
陰謀派は個人の知見に応じて様々なレベルで存在するものと思います。
荒魂派のような宗教的解釈も世界中で一般的に見られるように思います。

弱い者いじめ派についてですが、ヨーロッパのインテリには意外と北朝鮮シンパが多いのは、彼らの反米思考にあるそうです。北朝鮮がいじめられていようとも、アメリカに対して「ノー」を突きつけていなければ、彼らの同情は集まらない。日本の場合でも、このような社会心理学的な力学を考える時、アメリカも加えて考えなければならないのでは。

戦後に日本でおきたことを単純に言えば、占領下での左翼の重用、そしてその後の逆コース、それに対する反応として社会党の再統一、それを受けた保守合同の55年体制、そういう一連の流れだったと思います。

そして親米路線の自民党に対抗する野党等のグループは、北朝鮮を含む反米・共産党勢力の支援に回る、こんな感じの国際関係をめぐる棲み分けのようなことが国内政治の世界で起きる。こういうことではなかったでしょうか。このように冷戦下で二項対立に基づく色分けの過程が進行しました。

日本の左翼やメディアが、あろうことか北朝鮮のような独裁の超階級国家を持ち上げる、どうしてこんな奇妙キテレツな現象が起きたのかを、私も他の多くの人と同様に長年考えてきました。

そして今ではそれを説明する為には、思想性に関する過度の注目を一旦脇へ置いて、より群集間における社会心理学的な反応、あるいは生物学的な生存本能のようなものを考慮しなければならない、そんな気がします。
Commented at 2017-09-08 08:16 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by やり方論 at 2017-09-09 02:19 x
⚪︎北朝鮮は批判しても行動変容はなされないと見込まれる。
⚪︎日本政府は批判すれば行動どころか、政権すら変更し得る→日本政府の対処『方法』への批判
このような論理と考えます。根底には、北朝鮮は超自然的な『荒神』であり、日本政府は変更可能な『システム』であり改善の余地があると考えているのだと推測します。もちろんこのような考え方は、危機管理の要諦から考えると視野が狭いと思いますが、理屈は通るかと。
Commented by 田中 at 2017-09-09 11:52 x
面白い分析ありがとうございます。
荒魂派、笑いました。

私の周りはほとんど無視派と大国派ですかね。北朝鮮にも当然独自のロジックがあり動いているはずですが、そんなの思いもよらない人達が多い印象です。
Commented by おおた at 2017-09-10 04:57 x
ホリエモンは北海道でロケット実験をしているので、ミサイルと緊急避難速報という組み合わせが自分の利益を損ないかねないので呟いてしまったのでは?
Commented by kaztako at 2017-09-12 15:45 x
こんにちは。最近、北朝鮮の狙いを色々考えてみました。報道では米国による体制の保障だと。しかしトランプ大統領が約束するとは考えられません。北朝鮮も同様でしょう。それでは北朝鮮は何を考えているのか?ズバリ日韓の核配備だと思います。もちろん米国との核シェアリングになります。日韓の核配備で核による均衡が生まれます。核は使われない抑止力です。印パのように安定が訪れると思います。米国も朝鮮半島ごときの為ににアメリカ人の生命を失いたくないでしょう。北朝鮮は日韓の核配備の発表を聞いた当初は反発するふりをするでしょうが内心ほくそ笑みます。米国の武力行使は無くなるから。つまり自国の存立の保障が得られたのです。日韓の核配備は同時に対中、ロシアへの抑止力となり北朝鮮には一石二鳥です。中露は日韓の核配備に猛反発するでしょうが、じゃー北朝鮮の核をどうにかしてくれよと言われても中露は何もできません。北朝鮮が最も困るのは、日本国内の反核団体、左翼マスコミでしょう。彼らは日本の核配備に猛反発するでしょうから。そして北朝鮮が最も歓迎するのは日本の核配備を主張する和田さんを始めとする保守とされる日本を心から愛する人々です。何とも皮肉な話です。これこそがルトワックが言うパラドキシカル・ロジックですか?


Commented by 真相を見抜け at 2017-09-19 14:58 x
自民党が批判されるのは、
自民党と北朝鮮が偽装対立のマッチポンプをやってるからだろ。
それを見抜いてる人間は結構多いよ。
リチャードコシミズのブログを見て勉強した方がいい。
Commented by 通りすがり at 2018-01-17 00:25 x
北朝鮮に対して日本人が怒らないのは大半の日本人が
外国人に対して諦めているからだと個人的に思う
例えば朝青龍や白鳳が問題を起こしても誰も「モンゴル人は
野蛮だ」と言わない、アメリカや他の国では必ず「○○人は」と
人括りにして過剰に批判します
逆に日本人はどこか自分に直接害がなければ関心を持ちません
つまり核ミサイルを撃つ北朝鮮に怒りを向けるのではなく、
抗議しか出来ない日本政府を見てて不安を覚える方が強いのです
また堀江やひろゆきなど、英語が出来る日本人はいざとなれば
海外へ逃げることも出来るので、日本の為に死ぬ覚悟はありません
戦前の日本人なら逆上して日露戦争みたいになっていたかもしれません
しかし今の日本人は自分たちが無闇に怒れば逆にアメリカに
戦争でやられたように痛い目を見ると知ってしまいました
真珠湾攻撃をしたことで原爆2発を落とされ、未だに一般の
アメリカ人や米軍兵士に国を蹂躙されている
つまり日本人は外に出れば踏みつけられることを
知ってから、臆病になっていることは確かです
そして経済やスポーツでも叩かれることに疲れた日本人は
北朝鮮のミサイルでいちいち目くじら立てることもしません
まあ、そもそも朝鮮総連やコリアタウンでデモを行っても
海外や朝日からヘイトスピーチと言われてしまうと何も出来ないですしね
by masa_the_man | 2017-09-01 16:57 | 日記 | Comments(28)