戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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日本人よ、卍マークは残すべきだと主張せよ!

今日の横浜北部は朝から曇っておりまして、意外に風があってけっこう寒かったです。

さて、昨夜の放送(http://www.nicovideo.jp/watch/1456294080 /https://www.youtube.com/watch?v=ViyfZfnbmBI)でも触れましたが、ジャパン・タイムズ紙に鎌倉在住の日本人と結婚した女性が興味深い意見を投稿しておりましたので、その意見の要約を。

===

人々を教育して日本の地図に卍を残せ

Japan Times 16-2/10

親愛なる日本の住民のみなさんへ

数週間前、日本では地図がメディアの注目を集めました。もちろんそれは日本の領土が外国に占領・獲得・されたからではなく(国境はかわってません)、日本の国土地理院が外国人向けの旅行地図で使う目印を変更すると提案してから小さな論争を巻き起こしたからです、

国土地理院の狙いは地図をわかりやすくするというもので、日本に来たばかりの人々にとっては現在使われている地図の表記法がいま一つわかりにくいものであるから、というのがその理由でしょう。たとえばHといえば普通は病院ですが、日本だとホテルを意味し、Xだと「宝のありか」ではなくて交番のことだからです。

この変更の理由は理解できるものです。たしかに外国で絵葉書を受け取ったとして、〒というマークを見て「あら、郵便局ね!」と喜ぶ人はほとんどいないでしょう。記号を標準化するというのはすばらしいことですが、地図にはその記号が使われているそれぞれの理由というものがあるのです。

ところが変更を提案している人々は、それが日本人か外国人かに関係なく、それほど熱心に「変更しなければならない!」と情熱を感じているわけではないのです。

その中でもとりわけ大きな変更は、寺院を示す記号であるマンジ(卍)を三段の仏塔を表すマークにするというものです。欧州中心史観による第二次世界大戦の歴史を知っている人だったら誰でも痛いほど知っていると思いますが、マンジはナチスのシンボルであるスワスチカ(写真下)によく似ているのです。

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もちろんマンジ自体はすでに千年以上存在しているわけで、ネガティブなイメージに関連付けて考えられたのはその中のたった70年から80年ほどです。また、そこにはいくつかの違いもあります。ナチスのシンボルのほうは菱型になっているのですが、マンジは四角になっています。「カギ十字の向いている方向が違う」と指摘する人もおりますが、日本の仏教では右向きと左向きの両方が存在するのです。

多くのみなさんがご存知の通り、マンジのシンボルはサンスクリットから来ており、ドイツにおけるヒトラーの台頭に使われるようになるまでに、すでにヒンズー教や仏教、それにジャイナ教でも使われており、さらには西洋でもすでに有名なシンボルとなっておりました。

このシンボルは幸福や幸運、それに健康などを表すものであり、日本の仏教でも長い歴史を誇っていて、旅行者用の地図には載らなくなっても日本国内には豊富に存在して残ることになるのです。

この変更のニュースがネットに載り始めた時に、心を痛めたのは私一人だけではないことを知っております。私の場合、すでに西洋側のマンジについての感覚をじっくり考えてきました。一週間前に私は自分のフェイスブックのページに御朱印帳の写真を載せようと思ったのですが、途中でそれをやめました。なぜなら以前は気づかなかったんですが、マンジが私の鮮やかなオレンジ色の御朱印帳の表紙にマンジが書かれていたからです。

もちろん私はそれらがマンジであることを知ってましたし、他の人々もそれをマンジであることに気づくはずだと思ってました。ただそれに気づかない人々、つまりそれをナチスのスワスチカと勘違いする人の場合はどうなんでしょう?

私はそれについて長時間にわたって真剣に考えました。私は写真を掲載しつつ、そこに教育的な宣伝文を書くべきなのでしょうか?それとも私はまだ会ったこともない友人や人々を、そこに説明文を添えたとしても傷つけることになるのでしょうか?それともその写真を見た瞬間にショックを受けて、何も読まずに私のことを「ネオナチのシンパだ」と勘違いすることもあるのでしょうか?

このようなことに悩んだ経験を持つのは私だけではありません。私のある友人は、自国のオーストラリアに帰った時にマンジで彩られたアイテムを持ち帰ったおかげでトラブルに陥ったことがあるからです。よって、私はその危険を知っていたわけです。

日本に来て初めてマンジを見た時に、私はそれがサンスクリット由来のものであることをわずかに知っていたにもかかわらず、一瞬ためらったことを鮮明に覚えています。しかも私は第2次世界大戦のヨーロッパ戦線について歴史について学位を持っておりましたし、9歳の頃から戦争やホロコーストに関する小説などを読む習慣をもっていたおかげで、その辺のことについては色々と知識を持っていたわけです。

正直なところ、私がそれについて萎縮するのを止めるまでけっこう時間がかかりましたし、いまだになんの説明もなしにそれだけを見ると、一瞬たじろぐ自分がいることもたしかなのです。

私の御朱印帳に関していえば、結局その写真をアップすることはやめにしました。それでもその決断が正しかったのか、私はいまだに悩んでいます。

教育(と旅)というのは、いままでの考えを打ち破ることや、新しいことを学ぶことにその肝があるわけで、泡の中に閉じこもっていたらそのようなことは起こりません。今回の場合は、その泡が三つの仏塔になるわけです。

私は自分に怒りを感じておりましたが、フェイスブックにナチスのシンボルに近い写真をアップしてそれに説明を加えるというのはかなり勇気のいることだったのです。

そのような時に、私が閲覧しているニュースのサイトに変更の話が出てきたわけです。私は国土地理院に対する変更停止の嘆願がChange.orgのサイトに上がっているのを見かけ、結局をそれを告知するためにツィッターでリツィートしたわけですが、その時の気持ちは、まだ決心がそこまで固まっていたわけではありませんでした。

それでも私がそれをリツィートしたのは、最初にそのツィートをした人が「教育が重要だ」と書いており、それを私も心の深い部分で同じように感じていたからです。

そういうことなので、日本が時間と資金を費やして地図を変更するまで、そして次の海外旅行者が来て「なんで寺の上にスワスチカがあるの?」と最初の疑問を持つようになるまで、われわれは教育を進めるべきなのです。

これについて書いている記事を広め(検索すれば豊富に出てきます)、嘆願をシェアし、本紙だけでなく様々なリソースを使って議論を始めるべきなのです。

日本に在住のみなさん、われわれはマンジが幸運のシンボルであることを知っております。そして西側における一般的な知識だけでなく、(もしその変更を阻止できれば)日本の旅行のだけでなく、滞在中に実りある知識を得ることにもつながるのです。

だからこそ、日本の文化の伝統の将来や、日本への訪問者のためにも、その事実を広めなければならないのです。

===

こういう議論は本来は日本人がやらなきゃいけないものですね。卍を残すべき理由を筋道立てて論理的に、ということです。

ただしここから逆に見えてくるのが、やはりナチスのシンボルマークに対する強烈なマイナスイメージですね。ここまで浸透していると逆に説得して教育するのは困難であるという気が。
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Commented by とおる at 2016-02-25 11:44 x
「偏狭なナショナリズム」や「歴史修正主義」という言葉で日本を批判する方法がありますが、これに似て、ナチスの被害に有った西洋人の価値観こそ至上なものと考える「偏狭なEUナショナリズム」であり、西洋人の歴史感に反するものは「歴史修正主義」だと当然のように考える原理主義的な事。
無知で傲慢という事です。
Commented by Q at 2016-02-25 17:18 x
「旭日旗はやめろー」「卍は残せー」
という西側のご都合主義
Commented by 児斗玉文章 at 2016-02-27 07:51 x
アシモフの黒後家蜘蛛の会で登場人物の1人が幸福のシンボルであったスワスチカがナチスのせいで二度と使えなくなったことを嘆いていましたが、そういう感覚を持つ人が他にもいることを知って感慨深いです。
by masa_the_man | 2016-02-24 23:33 | 日記 | Comments(3)