戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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被爆者たちのもたらす核抑止力

今日の横浜北部は、わずかですがここ数日のうだるような暑さが和らいだような気分です。

次に出るグレイ本の翻訳がとうとう最終章まできました。もう少しすれば一段落です。

さて、先日の生放送( http://www.nicovideo.jp/watch/1438946598 )でも取り上げましたが、また今年も「終戦の夏」がやってきましたが、そうなると国際政治に非常に大きな影響を及ぼした核兵器、つまり広島と長崎に落とされた「原爆」についての議論も忘れてはなりません。

この人類最終兵器の戦略的な役割(第二次大戦に勝利する)ですが、ワシントン・ポスト紙にベテランの歴史学者が「原爆に関する5つのウソ」という興味深いものを書いておりました。その5つとは、

(1)原爆が戦争を終わらせた
(2)投下が米兵50万を救った
(3)投下以外には侵略しかなかった
(4)日本人に事前警告あった
(5)戦後露の優位に立てる時機を選択した

というもので、これらはウソであるということを、それぞれの簡潔に論じております。

歴史に詳しい人であったり、国際政治を勉強している人々の間では、これらのいくつかについては「まあウソだよね」ということが広く知られているわけですが、たとえば(2)や(4)のように、アメリカ国内では強く信じられていたことをこの記事を読んで始めて知った・・・という日本人は多いのではないでしょうか。

私がこの記事に注目した理由は2つあります。

一つはアメリカのような国も、自国民に対してプロパガンダする、いわゆる「ナショナリスト的な神話」が極めて重要になってくるということ。

彼らも自分たちが原爆という人類最終兵器を使ってしまった・・・という意味で完全に「イノセント」ではないことをある程度は自覚しており、それをカバーするためにウソを必要としているということです。

そしてもう一つ。番組中( http://www.nicovideo.jp/watch/1438946598 )でも詳しくお話しましたが、被爆者が語る恐怖の地獄絵が、そのまま世界の平和と安定に寄与しているという、まさにパラドックスとでも言うべき状態を引き起こしている、ということです。

核兵器はたしかに悲惨です。そしてそれを語り継ぐことは本当に重要です。ところがそうすることによって、世界の野心や恐怖心にかられた国のリーダーたちは、そんな大災害を引き起こす兵器を、あえて持とうとしてしまうのです。

そしてそれを持ったが故に、逆にそれが強烈な抑止力となり、大規模な戦争が起こせなくなって平和が訪れるわけです。

なんというか、この世は本当にパラドックスに満ちております。




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Commented at 2015-08-11 13:30 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by masa_the_man at 2015-08-14 16:47
八咫烏 さんへ

ご指摘の通りです。整合性の問題だと思います。コメントありがとうございました
by masa_the_man | 2015-08-08 15:52 | 日記 | Comments(2)