ハードシングスという戦略本 |
さて、ここ数日チラホラ読んでいる本のご紹介。

HARD THINGS
by ベン・ホロウィッツ
現在書店にも平積みされている本ですが、立ち読みしてみたら面白かったので即購入。
内容はアメリカ西海岸のベンチャー投資家の話でして、創業者としての心構えを自らの体験を通して語るというもの。IT関連に興味の有る方でしたら、シリコンバレーの歴史書としても読めるかもしれません。
もちろん私はこの辺のテクノロジー系の話は専門ではないのでなんと言えませんが、とくに響いたのが、経営者としての強烈な孤独感や、先の見えなさ、そして不安感などを、成功本という体裁ではなく、どちらかといえば失敗教訓本として書いているという点。
こういうところは、まさにクラウゼヴィッツの『戦争論』と近いものがありまして、戦争の不確実性とIT系の企業の経営の「手探り感」というのが、まったく瓜二つであることがよくわかります。
また、この本はクラウゼヴィッツの言うところの「摩擦」が企業内部においてどのように、そしてどこから発生するのかについて、かなり具体的に書いているところがとても好感持てます。
また、非常にリアリスト的というか、幹部や親友の「解雇の仕方」という、ちょっとドキッとするようなことも詳細にかかれており、日本とアメリカの企業文化の違いを知る上でも参考になります。
この手の本としてやや字が小さめで分量が多いのは仕方ないのかもしれませんが、翻訳も十分読みやすくなっており、起業家を目指さない人でも戦略的な感覚を身につけるという意味で勉強になることが多いです。オススメ。

▼ビジネスと人生に活かす『クラウゼヴィッツ理論』
※詳細はこちらから↓
http://www.realist.jp/clausewitz-business.html


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