2015年 06月 12日
日経ビジネスオンラインで「地政学入門」を連載中 |
今日の横浜北部は昼まで降ったりやんだりでしたが夕方にはなんとか雨が上がりました。
さて、遅きに失した感がありますが、一つお知らせがあります。
すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、日経ビジネスオンラインというウェブサイト上で、地政学入門という形で4月末から連載をしておりました。
途中で休んだこともありますが、基本的に一週間一本ペースで書いておりまして、すでに9回分を書き上げました。
タイトルは“「あなた」のための「地政学」講座”というものでして(例によってタイトルは著者に決定権限はないのですが)、現代の国際政治に役立つものの見方を、本ブログのみなさんもご存知の通りの、古典地政学の理論をベースにわかりやすく説明するというスタイルです。
ちなみにすべての回を列記しますと、
第1回:キッシンジャーがタブーを破った禁断の「地政学」
第2回:『坂の上の雲』に登場するマハンが唱えたシーパワー:陸の勢力と海の勢力の二項対立
第3回:地政学の父マッキンダー:欧州の成り立ちを地図と歴史で解く
第4回:「ソ連封じ込め」の原型を作ったスパイクマン
第5回:ヒトラーに地政学を個人教授したハウスホーファー:「日独防共協定」に関与
第6回:米国と地政学:戦後のソ連との戦い方を戦前ドイツに学ぶ:基本は「上から目線」
第7回:地政学的手法で斬ると見えてくる“ギリシャ危機の真の姿”
第8回:米中関係を地政学的に分析する:「地理的世界観」が全世界に影響
第9回:中国がかわしたい米国の“海峡封鎖”:大国の世界展開は「内海」の確保に始まる
となっております。
おそらく次は北極海の地政学について書くことになりそうですが、原稿の元ネタは次に出す予定(のハズ)の本の草稿なのです。
意外に思われるかもしれませんが、今回の連載を通して私が全般的に主張したいのは、「現在の国際政治のすべてが(古典)地政学で説明できるわけではない」ということです。
ただしそれに付け加えて言いたいのは、「それでも地政学的な視点が重要性を帯びてくる場合があるので、最低限この知識はもっておこう」というものです。
あえてたとえるならば、(古典)地政学的な視点というのは、現代の国際政治全般を山の森にたとえると、その森の下にある「地層」の部分に注目するような見方でしょうか。
普段は金融や情報通信のようないわゆる「第三の波」的な分野がわれわれの日々の生活の中心でして、これは山や林の中にどのような花や木の実がなっているかが最大の関心のようなもので、その下にどのような地層や土の種類があるのかはあまり自覚されないのと似ています。
ところがいざ台風が来たり、地震が起こったりすると、森の下が地すべりを起こしたり、その近くを通る川が氾濫したりするなど、地質学的な要素、つまり地政学的な要因というものが突然決定的な重要度を高めてくるのと一緒です。
地政学、および地理的な要素というのは、たしかに普段はそれほど要素的に活躍はしませんが、何かの拍子に(好むと好まざるにかかわらず)フォーカスされてしまうわけで、だったら無視せずに勉強しておきましょうよ、と私は言いたいのです。
ということで、もう少し連載のほうを続けます。

▼ビジネスと人生に活かす『クラウゼヴィッツ理論』
※詳細はこちらから↓
http://www.realist.jp/clausewitz-business.html


http://ch.nicovideo.jp/strategy

https://www.youtube.com/user/TheStandardJournal
さて、遅きに失した感がありますが、一つお知らせがあります。
すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、日経ビジネスオンラインというウェブサイト上で、地政学入門という形で4月末から連載をしておりました。
途中で休んだこともありますが、基本的に一週間一本ペースで書いておりまして、すでに9回分を書き上げました。

タイトルは“「あなた」のための「地政学」講座”というものでして(例によってタイトルは著者に決定権限はないのですが)、現代の国際政治に役立つものの見方を、本ブログのみなさんもご存知の通りの、古典地政学の理論をベースにわかりやすく説明するというスタイルです。
ちなみにすべての回を列記しますと、
第1回:キッシンジャーがタブーを破った禁断の「地政学」
第2回:『坂の上の雲』に登場するマハンが唱えたシーパワー:陸の勢力と海の勢力の二項対立
第3回:地政学の父マッキンダー:欧州の成り立ちを地図と歴史で解く
第4回:「ソ連封じ込め」の原型を作ったスパイクマン
第5回:ヒトラーに地政学を個人教授したハウスホーファー:「日独防共協定」に関与
第6回:米国と地政学:戦後のソ連との戦い方を戦前ドイツに学ぶ:基本は「上から目線」
第7回:地政学的手法で斬ると見えてくる“ギリシャ危機の真の姿”
第8回:米中関係を地政学的に分析する:「地理的世界観」が全世界に影響
第9回:中国がかわしたい米国の“海峡封鎖”:大国の世界展開は「内海」の確保に始まる
となっております。
おそらく次は北極海の地政学について書くことになりそうですが、原稿の元ネタは次に出す予定(のハズ)の本の草稿なのです。
意外に思われるかもしれませんが、今回の連載を通して私が全般的に主張したいのは、「現在の国際政治のすべてが(古典)地政学で説明できるわけではない」ということです。
ただしそれに付け加えて言いたいのは、「それでも地政学的な視点が重要性を帯びてくる場合があるので、最低限この知識はもっておこう」というものです。
あえてたとえるならば、(古典)地政学的な視点というのは、現代の国際政治全般を山の森にたとえると、その森の下にある「地層」の部分に注目するような見方でしょうか。
普段は金融や情報通信のようないわゆる「第三の波」的な分野がわれわれの日々の生活の中心でして、これは山や林の中にどのような花や木の実がなっているかが最大の関心のようなもので、その下にどのような地層や土の種類があるのかはあまり自覚されないのと似ています。
ところがいざ台風が来たり、地震が起こったりすると、森の下が地すべりを起こしたり、その近くを通る川が氾濫したりするなど、地質学的な要素、つまり地政学的な要因というものが突然決定的な重要度を高めてくるのと一緒です。
地政学、および地理的な要素というのは、たしかに普段はそれほど要素的に活躍はしませんが、何かの拍子に(好むと好まざるにかかわらず)フォーカスされてしまうわけで、だったら無視せずに勉強しておきましょうよ、と私は言いたいのです。
ということで、もう少し連載のほうを続けます。

▼ビジネスと人生に活かす『クラウゼヴィッツ理論』
※詳細はこちらから↓
http://www.realist.jp/clausewitz-business.html


http://ch.nicovideo.jp/strategy

https://www.youtube.com/user/TheStandardJournal
by masa_the_man
| 2015-06-12 21:59