新刊:『地政学の逆襲』の発売開始 |
さて、昨日のことですが、私が解説を書いた(さらにちょっとだけ監修をした)『地政学の逆襲』が発売されましたのでお知らせします。
実はこの本の原著は、私が今回翻訳した「南シナ海本」の数年前にアメリカなどではすでに出版(2012年)されておりまして、私も個人的に翻訳をしたいなぁと思っていたのですが、嬉しいことに名訳者であらせられる櫻井祐子さんの訳で出版されました。
ようするに、原著が発売された順番でいえば、「インド洋」→「地政学」→「南シナ海」となるわけですが、日本で発売された順番は、「インド洋」→「南シナ海」→「地政学」となります。
今回の地政学本は分厚かったし、内容があまりにも「地政学」すぎるので、私は日本では出版されないのでは思っていたほど。
詳しい本の内容やその分析については私がこの本の最後に書いているので是非そちらを読んでいただきたいのですが、おそらくカプランにとって「主著」と言っても過言ではないほどの中身の密度の濃さ。
本ブログではおなじみの、マハン、ハウスホーファー、マッキンダー、スパイクマン、モーゲンソー、ハンチントン、ベイセヴィッチ、ミアシャイマーなどの名前が頻発してくるだけでなく、マクニールやホジソン、さらにはブローデルまで出てくるという超豪華ラインナップ。
とくに今回はいつもの旅行記的な記述は控えめにして、歴史や地政学の文献を縦横無尽に参照しながら、今後のグローバルな世界の未来像を地理的な面を中心に描き出しております。
本書のハイライトは、前半の地政学の理論の話もさることながら、後半の中国とロシアについての地理・歴史的な面からの分析でしょうか。
正直申しまして、一般書としてはかなり重厚で、もしかしたら読み進めるのに苦労する方もいらっしゃるとは思いますが(400頁オーバー)、知的刺激を受けることは間違いなしのリッチな本です。
古典地政学の「神の視点」から国際政治を俯瞰してみたいという方は、ぜひお読みになってください。オススメです。
↓以下は原著と動画↓
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https://www.youtube.com/user/TheStandardJournal