戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


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あなたが仕事を嫌いな理由:社員の「燃え尽き」を防ぐには

今日の横浜北部はよく晴れて、しかも真夏日でした。

目黒にある某幹部学校で学生さんたちの研究発表を聞いてきました。興味深いトピックばかりで、こちらも大変勉強になりました。

さて、久々に仕事関係の記事の要約です。これは「累積戦略と順次戦略」というCDの中でも触れた話題とかなり共通している部分がありました。

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あなたはなぜ仕事を嫌いなのか

by トニー・シュワルツ&クリスティーン・ポラス

●われわれの働き方というのは機能不全に陥っている。職のある幸運な人でさえ、毎朝会社に行くのはあまり楽しいとは感じていないはずだ。

●そして家につくまでには何もやる気が起きなくなっているのに、寝る前までメールに返信を書かなければならなかったりするのである。

●このような経験は中間管理職だけでなく、段々と会社のトップの人たちにも見られるようになっている。

●われわれはコンサル会社を経営しているが、ある企業のトップは自分の時間が失われつつあることに危機感を感じたためにコンタクトしてきた。あまりにも仕事と生活で忙しいために、全く集中できなくなってしまったというのだ。

●「燃え尽き症候群」について研究しているあるハーバード大学の教授も、アメリカの企業のトップ72人を無作為に選び出して調査した結果、ほぼ全員がその候群の兆候を示していたとしており、その一つの原因が仕事にあると指摘している。

●ギャロップ社の2013年に行われた意識調査では、アメリカの従業員たちの中で、「仕事に熱中できている」答えたのは30%だけだという。世界142ヶ国で行われた調査では、この数字が平均13%に落ちる

●端的に言えば、われわれのほとんどにとって仕事は自分を枯渇させ、落胆させる経験であり、しかもその明白な理由から、この状況は悪化しているのだ

●まず要求される時間の量が、われわれの能力を超え始めている。これによって仕事をするのに必要なエネルギーが奪われてしまうからだ。厳しさを増す競争環境も、このプレッシャーを高めている。

おそらくその最大の原因が、デジタルテクノロジーの台頭であろう。われわれを前例のないほどの情報の洪水にさらし、昼夜を問わずその情報への応対を迫ってくるからだ。

●我が社は自分のクライアントの企業2社を含む幅広い分野の会社の従業員にたいして、ハーバード・ビジネス・レビューとの共同調査を行った。その結果は非常によく似たようなものばかりだった。

●従業員の生産力が上がったり、仕事への満足度が高いのは、以下の四つの欲求が満たされた時だという。それは、1、身体、2,感情、3,メンタル、4,精神だ

●これらの要求を満たせば満たすほど、従業員たちは仕事にやりがいを感じて働いてくれるようになるという。別のギャロップの調査で判明しているのは、仕事に熱中できている人が多い社のほうがパフォーマンスも良いという結果が出ている。

●ところが「仕事熱心」は、パフォーマンスの高さにつながるわけではないことも判明している。重要なのはやる気よりも「継続的に熱中できるか」(sustainably engaged)というほうだという。

●単純にいえば、働く人が仕事場で何を感じるかが、彼らの仕事のパフォーマンスにも絶大な影響を与えている、ということだ。

●結果として、これらの研究からわかったのは、会社にとって従業員のこの四つの要求を満たすことがどれほど大切なのかということだ。

●1、身体:これは休息である。休息を差し挟むことによって従業員の創造性は復活するし、上司が休むように勧めているという雰囲気があると、その会社に従業員が残る可能性も高まるし、健康状態にも良い影響があるという。

●2,感情:これは直属の上司に大切に思われているかという部分に最も大きく影響される。

●3,メンタル:仕事場で最も大事な仕事に集中できていると答えている人はたった20%で、最もできていると答えた人でも50%だという。

●4,精神:自分の仕事が「社会の役に立っている」と仕事の目的を感じた人ほどその会社に残る確率が上がる。

●我々が企業のトップによく聞く質問は「社員が仕事に熱意や価値を見いだしたり目的をもって集中できたら、彼らの仕事のパフォーマンスも上がると思いますか?」というもの。答えはほぼ「イエス!」になるのだが、「ではそのために御社では何をされてますか?」と聞くと気まずい沈黙が続くことになる。

●この「不都合な沈黙」をどう説明すればいいのだろうか?

●これについての明白な答えは、「給料以外にも従業員に投資しなければならない」という点について、ごく最近まで必要なことだと思われていなかったという点にある。

●従業員が自分のこなせるキャパシティーの量の仕事をこなしている場合はまだ大丈夫なのだが、最近の彼らの能力は限界に達しつつ(主にデジタルテクノロジーが原因だが)あり、この問題を解決できなくなってきたのだ。

●たとえばある会社に従業員に昼寝をとらせたりする実験をして、彼らの生産効率性が上がることが証明できても、会社側が今後もそれを実行できるかは別問題だ。時間で雇うという習慣から抜け出せないからだ。

●企業にとって、この問題を解決する簡単な方法は、以下のような単純な問いかけをすることだ。それは「従業員によりエネルギーを感じてもらい、ケアされていると感じてもらい、より集中してインスピレーションを感じてもらうにはどうすればいいのだろう?」というものだ

●無料でできるものはいくらでもある。たとえば会議を90分以内にすることや、メールの返信に規定をつけることなどだ。

●また、会社の中にスポーツジムや昼寝用の部屋を作ったり、栄養価の高い食事などを提供するというものもある。これは多くのシリコンバレーの会社がやっている。

●また、会社のリーダーたちに部下を気遣う様子を見せるように命じたり、短期の結果を出そうとして怒りをあらわにしたりするのを止めるように指示したりすることでも大きな効果を生むことができる。

●そのほかにも、従業員たちに「自分たちの仕事が社会に役だっている」ということを教えこむことで、彼らはより熱心に働く確率が高まるのだ。

●リーダーたちの持っているエネルギーは、良きにつけ悪しきにつけ部下に非常に伝わりやすい。リーダーたちが部下に「持続可能な働きかた」をするように明確に伝え、しかもそれを実践してみせると、われわれのハーバードビジネスレビューとの共同調査では、従業員たちは55%も仕事に情熱的になり、53%集中力が上がり、離職率も低くなるという結果が出ている。

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私が最初に気になったのは、テクノロジーの発展による落ち着いた時間の喪失という点でしたが、従業員の心理学という点での知見が意外に大きなファクターであるという分析を聞いてなるほどと思いました。

日本の企業はこの辺について、これから否が応でも対応していかなければならなくなるんでしょうね。



奥山真司のアメリカ通信LIVE


http://ch.nicovideo.jp/strategy

Commented by 中山太郎 at 2014-06-03 09:41 x
「テクノロジーの発展による落ち着いた時間の喪失」。ウーン、意味深長ですね。
Commented at 2014-06-03 21:17 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by masa_the_man | 2014-06-02 22:15 | 日記 | Comments(2)