戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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米中戦力デタントを提案する論文のサマリー

今日の横浜北部はまたしても快晴。気温も上がって完全に初夏でした。夜になると涼しいですが。

さて、米中の戦力のデタントを提案するある論文の要約部分の冒頭部分を、さらに要約しておきます。

今後のアメリカ側が今後の中国との関係を(軍事)戦略面でどのようにしたいと考えているのか、ひとつの方向性を教えてくれるものであると言えるでしょう。

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米中は、現在、もしくはいずれかの時点で、核攻撃や衛星への攻撃、もしくはコンピュータのネットワークに対する攻撃で、相手に甚大な被害を与えるような能力を互いに持つことになる。逆説的ではあるが、互いの持つ国力にもかかわらず、その戦略的脆弱性は高まりつつある。とくに2001年9月11日以降のアメリカ人は、この脆弱性を感じることになった。ただし中国側がどこまでこのような感覚を持っているかは明確ではない。

核攻撃に対する脆弱性というのは、米中両国にとっておなじみのものだ。ところが米中両国は宇宙やサイバー領域での被害を受けやすくなっている。これは、両国の今後の発展と安全がこれらの領域に依存度を深めつつあるのに、互いに対衛星(ASAT)能力やサイバー戦争の能力を身につけつつあるからだ。中国にとって経済的統合、生産、そして他国との貿易――そしてつまり成長の継続とおそらく政情の安定――は、アメリカの場合と同じように、データの共有の活力やネットワークの形成などに戦略的面で左右されることになる。

これらの3つの戦略領域の特徴は、技術的にも経済的にも、そして作戦的にも「攻撃優位」(offense dominant)であるところだ。核兵器、ASAT、そしてサイバー兵器からの防御というのは困難であり、米中のように大規模で先進的な攻撃力を持ち、さらには決意の堅い国家に対しては、先細りするような結果しか生むことができない。核兵器は明らかに攻撃優位なものである。なぜならたった一回の爆発で1つの都市を破壊することができるからだ。さらに言えば、アメリカが核兵力による第一攻撃能力を維持するよりも、中国が戦略ミサイルの発射台の残存率を上げたり、発射可能な兵器を増やしたり、アメリカのミサイル防衛網を突破するほうが、容易かつ安価なのだ。まだ公式に認めてはいないが、アメリカは中国が獲得しようと決意を固めている第二攻撃による核抑止を阻止することはできないのである。

衛星というのは、そもそも脆弱性の高いものだ。発見されやすく、追跡も容易で、しかも壊れやすい。これらを破壊したり、そのパフォーマンスを劣化させたりするのは、それらを守ることよりも容易なのだ。ASATインターセプターというのは衛星そのものよりもはるかに安価である。同様に、コンピュータ・ネットワークの防御は攻撃側の規模と精度が上がったことによってその難易度と値段がますます上がっている。サイバー攻撃を防ぐ側にとって頭の痛いのは、デジタル機器などの世界の市場と供給網が統合――その主な競合企業は、アメリカと中国の半国営企業――されてきており、ネットワークのインフラの戦略的な劣化や、サービスの妨害を引き起こす潜在力が上がっていることだ。一般的に言って、戦略面での攻撃優位があれば、米中両国とも攻撃側に投資しようするのは自然であり、互いに相手に負けまいとして開発を競い合うことになる。

攻撃優位の他にも、テクノロジーの進歩のおかげで戦略攻撃にかかる人命と資金面でのコストが下がっており、その様相も重爆撃による大規模な侵入から、核兵器、対衛星兵器、そしてサイバー戦争へと移り変わってきている。もし公共サービスの妨害による死亡の可能性を考慮しなければ、ASATとサイバー戦争は「非暴力的」なものとして捉えることもできる。戦略的攻撃の選択肢における予期される犠牲者の数が落ちるということは、国際的な憎悪や国家のリーダーの抑制のレベルが落ちる可能性もある。抑止が欠如しているため、宇宙とサイバー領域における戦争の敷居は、攻撃側が強くなることによって、危険なレベルまで低下するかもしれないのだ。

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「米中は互いに攻撃に弱くなっているので、そろそろ手打ちをしましょうよ、中国さん」というのがこの論文の主旨です。

問題なのは、この論文を書いた人間が現在のオバマ政権に近いところにいるというところでしょうか。

アメリカのアジアの対応(南シナ海での衝突など)にどこまで影響を与えているのかはまだ明確ではありませんが、少なくとも政権の中にこういう意見の人間がいることを知っているだけでもよろしいかと。

メルマガのほうでは、去年暮れのバイデン訪中時に起きた米中艦船ニアミス事件の真相(?)について書きます。



奥山真司のアメリカ通信LIVE


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by masa_the_man | 2014-05-11 23:23 | 日記 | Comments(0)