戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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ミアシャイマーの「台湾さようなら」論文:その4

今日の横浜北部は朝から雨続きでしたが、夜になってやみました。

ラジオの収録行って参りました。

いやー、本当に難しかったです。何が難しかったって、しゃべる時間の管理と、わかりやすさの追及、そして発音です。まだまだ修行が足りませんね・・・

ということで、台湾論文の第4弾です。2回目の掲載。

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台湾に「さようなら」を言おう
by ジョン・ミアシャイマー

●アメリカは1917年4月に第一次世界大戦に参戦しているが、この時のドイツ帝国は、まさに戦争に勝利してヨーロッパを支配せんばかりの勢いだと見られていた。米軍は戦争の趨勢を一気に傾けるための決定的な役割を果たし、1918年11月のドイツ軍敗北につなげた。

●1940年代初期にフランクリン・ルーズヴェルト大統領は、アメリカを率いて第二次大戦に参戦し、アジアにおける日本と、ヨーロッパにおけるドイツの野望をくじくために努力している。アメリカは1941年12月に戦争に参戦し、二つの枢軸国を倒す役割を果たした。

●アメリカの政治家たちは、1945年以来、ドイツと日本の軍事力に制限をおくために多大な努力を払っており、冷戦期にはソ連のユーラシア支配を阻止し、80年代末から90年代始めにかけての崩壊に手を貸した。

●冷戦終了直後の1992年に、ジョージ・ブッシュ(父)政権の「国防計画ガイダンス」が新聞にリークされたが、ここではアメリカが世界で最も強力な国であり、その高いポジションにいつづけることを狙っている、という大胆なことが書かれていた。いいかえれば、「アメリカはライバルの出現を許さない」ということだ。

●これと同じメッセージは、ブッシュ(息子)政権の時の、有名な2002年の国家安全保障戦略の中でも繰り返されている。この文書には「予防戦争」(preemptive war)という言葉が入っていたために、大いに批判を集めることになった。

●ところがそれとは対照的に、ほとんど批判を集めなかったのは「アメリカが台頭する大国を牽制し、世界のバランス・オブ・パワーにおいて支配的なポジションを維持する」という主張であった。

●結論としては、アメリカは賢明な戦略的理由によって、西半球における覇権を維持するために百年以上もがんばってきたのだ。地域覇権を達成してしまったために、今度は他の大国がアジア、もしくはヨーロッパを支配するのを阻止するために多大な努力をしてきたのである。

●したがって、もし中国がアジアを支配しようとした場合に、アメリカの政治家たちがどのような反応を示すのかはかなり明確だ。アメリカは中国の封じ込めのために努力するだろうし、最終的にはアジアを二度と牛耳ることができないレベルまで弱体化させようとするだろう

●よって、アメリカは実質的に、冷戦時代のソ連に対するようなやり方で中国と対峙することになる公算が高い。

●中国の周辺国は、その台頭を恐れるのが確実であり、彼らも中国が地域覇権を達成するのを防ごうとして、出来る限りのことをしてくるはずだ。

●その証拠に、インド、日本、そしてロシア、またはシンガポール、韓国、そしてベトナムのような小規模な国までが中国の台頭を恐れており、それを封じ込めるための方策を考えているのだ。

結局のところ、彼らは中国の台頭を阻止するために、アメリカ主導の「バランシング同盟」(balancing coalition)に参加することになるだろう。これは冷戦中に、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、日本、そして中国でさえも、アメリカ側についてソ連に対抗した構図と似ている。

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●ここまでの話を踏まえると、この状況に台湾をどのように当てはめることができるだろうか?

●蒋介石率いる国民党が中国本土から逃れた冷戦初期から、アメリカは長きにわたって台湾と親密な関係を維持しているが、ワシントン政府は、中国やその他の国による攻撃から台湾を守る義務を示した協定によって縛られているわけではない。

●それでもアメリカは反中同盟において「台湾に重要な役割を担ってもらいたい」と思うだけの強力なインセンティブを持つはずである。

●第1に、すでに述べたように、台湾は経済面・軍事面での資源を持っており、ここを獲得できれば、実質的には中国の最も重要な東岸の沖合の海域をコントロールするための巨大な空母として利用することができるようになる。

●アメリカは中国側ではなく、自分たち側に戦略バランスを有利にできるという意味で、台湾の資産を欲しがるはずなのだ。


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続きはまたアップします。



奥山真司のアメリカ通信LIVE


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by masa_the_man | 2014-04-30 20:40 | 日記 | Comments(0)