戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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ルトワックの「日本復活案」?

今日の長良川は快晴でした。昼間は上着なしでもいいくらいでした。

ここ連日は色々なところに出張して忙しくしておりました。土曜日は学会の大会で司会をしまして、日曜日は幕張で生放送です。

そのような中で、数日前に面白い話を聞いてきましたので、そのネタについて少し。

エドワード・ルトワックと言えば、私が翻訳した『自滅する中国』以外にも、そろそろ出版される『エドワード・ルトワックの戦略論』でも有名な戦略家であることは、本ブログをご覧の皆様でしたらご存知の通り。

この人、話を聞くと、ほぼ毎年のペースで来日しているようで、前回日本に来たときに、このルトワックの講演を聞きに行ったある政府関係者の方に聞いた話。

この彼は、まさに『自滅する中国』で展開されている内容の話をこの時の講演会で聞いたらしいのですが、最後の質疑応答の時間に、以下のような質問を、ルトワック本人にぶつけてみたそうです。

1,日本がとるべき戦略は?

2,戦略を練るには具体的にはどうすればいい?

そしてこれに対するこたえは、なかなか刺激的なものだったそうで、

1,日本人はもっと子供を産んで増やせ

2,サロンをつくれ

というもの。これだけだとなんだかサッパリわかりませんが、要するに彼が言いたかったのは、人口減少は国力の衰退に直結するので、もし東アジアで現在くらいの生活水準を維持したいのであれば、国力、経済力、そして社会保障制度を支えることができるだけの税金を支払ってくれる「これからの若年層」がいないとダメ。

そして今のままでは先細りが必至なので、これから一気に子供を増やさないと(中国などに対抗する上での)国力の維持ができない。無理でもいいから子供を増やせということでした。

もう一つの「サロン」ですが、これはもっと非公式なところで外交や安全保障を考える人々のグループが定期的に集まれる場をつくって、そこで人脈のネットワークを構築しておけ、ということなんでしょう。

ヨーロッパの場合はそれがもうちょっとフォーマルなものになってチャタムハウスのような存在につながっていったと言えますし、イギリスの場合はオックスブリッジ、フランスの場合はエコール・ノルマルのような学閥系の人脈もありそうな。

ただし日本でこれをやる場合には、無理に高級なホテルなどでやる必要はなく、別け隔てなくできる「居酒屋」という便利なものがありますので、これを活用しない手はないかと。

また、原則として、この会議で発言したこは外にもらしてはいけない、というようなルールを互いに作っておくことも重要かと思います。そうでないと、自由な発言ができませんので。

ちなみにルトワック自身は、「アメリカにはサロンがないので、アメリカには戦略がない」と断言していたそうであります。

なかなか示唆に富む視点かと。


Commented by t at 2014-04-24 23:03 x
国力維持のためには「無理にでも子どもを増やす」べきというのは全くその通りなんですが、じゃあ無理に増やすって具体的にはどうやるのって言うと、そんな方法なさそうなのですよね。このあたりルトワック氏はどう考えているんでしょうか。

子育てしやすい環境とか、若年層の所得補償とかの王道策は効果が出るまで時間がかかるわけで、海外の経済系の識者は移民入れればいいじゃん、という具体的な方策を出していますが。
Commented by だむ at 2014-04-24 23:28 x
まあ「不可能な行動を唯一の解決策として提示する」ってのは「絶望しろ」って言うのと同じ意味だよね
Commented by sdi at 2014-04-25 00:36 x
>「アメリカにはサロンがないので、アメリカには戦略がない」
そんなものなんですかね。人が集まる場所の確保はそう難しくないように思うんですけどね。スポーツクラブetc・・・・・・。でも、サロンとなると「主宰者」が必要になってくると思うんですが、そういう役割をこなす習慣がないのでしょうか?
Commented by 中山太郎 at 2014-04-25 09:28 x
「サロン」と一口に言いますが、日本で実際にやると、極右、左の方々が自分が「スカッと」するための発言を喋り捲り、その他大勢が潮が引くようにだんだん少なくなるという流れになりがちです。
Commented by at 2014-04-25 10:37 x
戦前であれば一夕会などがサロンに該当するかと思います。
ただ、こう言ったサロンによって戦略が作られたとして、結果として戦略が乱立し
複数の戦略の綱引きの結果国策が右往左往してしまっては意味がないのではないでしょうか。
結局はリーダーシップの問題になりませんか?
Commented by まろ at 2014-04-25 11:00 x
一番の少子化対策は地方にある程度の収入の仕事を作ることです。コマツの会長によれば石川県のコマツの社員の出生率は2.0、東京は0.5だそうです。

なぜ東京への一極集中が続くのか?アメリカと比べると日本は地価にかかる税金が安い。アメリカだと1.5%から2%の固定資産税があるので、NY郊外の1億円程度の住宅だと税金で150万から200万円もかかり、高収入の職業しか住めない街になります。

サンフランシスコベイエリアは世界一のIT産業集積地ですが、住宅が余りにも高額なので、年収1千万円程度プログラマーだと生活が厳しく、結果的に他都市への分散につながってます。

消費税を上げる前に日本も地方分散につながる地価税を検討すべきだと思います。
Commented by 愚人 at 2014-04-26 02:05 x
人口増やせなんて、軽重は兎も角、日本人のほぼ全員が分かってることなわけで

問題は「どうやって?」に焦点が当たってるのが現実でして、手法について左翼と右翼で真っ向から対立しているものの
右翼も左翼オバマのアメリカの意向も無視できないジレンマに陥っている状態かと
一部、アメリカの意向を無視すべきという真正右翼もいますが、カルト化していて必ずしも国益に合致しないのが歯痒く
科学的に原因と対策を調査すべきだが、余りにポリティカルコレクトが幅を効かせすぎていて、どうにもならいのが先進国に共通した現状だと思うのですが
Commented by 通りすがり at 2014-04-30 07:25 x
少子化は意味のない進学率の上昇も関係していると思うよ。
進学率を下げて、親から自立できる年齢を下げることが重要。
by masa_the_man | 2014-04-24 22:54 | 日記 | Comments(8)