戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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ロバート・カプラン新刊:南シナ海レポート

今日の横浜北部は朝から晴れましたが、午後は少し曇りました。

さて、久々に本の紹介を。私が翻訳したことのあるロバート・カプランが、またまた新刊を発売しました。

今回のテーマは、なんと南シナ海。これは私が二年前に国際会議に出た時にあるBBCの記者に「カプランが書いている最中らしいぜ」と聞いたものです。

Asia's Cauldron: The South China Sea and the End of a Stable Pacific
by Robert D. Kaplan
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タイトルを直訳すると、「アジアの大釜」ということになりますが、Youtubeに上がっている出版記念講演会の話からすると、南シナ海が20世紀におけるミッテルオイローパ(中欧)のようなもので、ここが21世紀の地政学的な問題の中心地になる、というものです。

本は冒頭から本人が現地を旅した様子から始まり、これはまさに『インド洋圏が、世界を動かす』の書き方とそっくりでありまして、違うのは扱っている国と地域。

今回はベトナム、フィリピン、マレーシア、それに台湾や中国までが中心です。

これは見方を変えれば、私が翻訳した本の続編という形で見てもよろしいかと。

まさその時と同じように、現地に行って、政治家などに直撃インタビューなどをかましたり、現地でボートを借りて人々の生活から地域の歴史について思いをはせたり。

個人的にはスパイクマンの理論や、ミアシャイマーのような理論家の文献まで丁寧に引用している部分や「日本海」としっかり表記していることに好感(笑)がもてましたが、意外に中国に甘い見方をしているところが気になるところ。

ということで、南シナ海は「アジアの地中海」であり、「海の環境」であるために第一次大戦のような紛争にはならない、という予測など、なかなか知的刺激にあふれる、しかしながら適度にバランスのとれた興味深い分析をしております。

やや詩的な表現を多用しておりますが、本編は200頁弱なので、英語が読めるかたはぜひ挑戦なさってみては。おすすめです。

余談ですが、上の動画は本当に面白いですな。カプランが現地に行った時の取材の仕方の秘訣などについて語っております。

「印象に残ったことはすぐにノートにとれ」ということであり、「何度も長期滞在してみろ」、「現地の人に何も語られない中に真実がある」というのがその秘訣らしいです。


プロパカンダ&セルフプロパカンダCD

by masa_the_man | 2014-03-29 22:18 | おススメの本 | Comments(0)