戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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ネットで崩壊する中国中央政府のプロパガンダ

今日の甲州は朝から曇りでしたが、午後になってようやく少し日が出てきました。

さて、国際政治から個人まで活用されている「プロパガンダ」について解説したCDを発売したわけですが、そのプロパガンダにからむ興味深い記事がありましたのでその要約を。

中国中央政府の情報統制とプロパガンダが、ネットのおかげで崩壊しつつあるということを、中国のブロガーが解説してくれたものです。

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北京政府のプロパガンダの危機
by Murong Xuecun

●先月のはじめに中国国営の中央電視台(CCTV)は南部のセックス産業の中心部として名高い東莞市の様子をレポートする内容の番組を放送した。

●CCTVのレポーターたちはホテルやサウナ、それにマッサージなどの場所に隠しカメラを持って入り、売春婦のパレードや性サービスの交渉、そしてダンサーたちの赤様な様子を写しだした。

●もちろんCCTVのレポートは劇的なニュースではなかった。中国のほとんどの人間はこの町の評判を知っていたからだ。

●ところがこの放送の翌日に、われわれはそれが放映された本当の意味を知ることになった。政府がこの産業にたいして一斉取り締まりを数日間にわたって行ったからだ。

●この報道はネット上でCCTVにたいする強烈な批判を巻き起こすことになり、CCTVは選択的な報道や、女性の搾取、そして北京政府の言いなりであることを強烈に非難された

●この批判のムードを最もうまくとらえていたのは、「魂を売った人間というのは、身体を売った人間を見下すものだ」というコメントであった。

●批判があまりにも強烈だったために、CCTVはこれになんとか対応しなければならないと感じたのであろう。彼らはホームページにアップした声明で、「当局の信頼性の欠如が視聴者からの不満につながった」と認めている。

●この状況に、私ほど当てはまる人間はいない。実際のところ、中国人民の多くは、以前のような固い信頼をCCTVに寄せていない。彼らはもう北京政府のプロパガンダには飽き飽きしているのだ。

●プロパガンダというのは、過去60年以上にわたって共産党政府の統治を維持するための最も重要なツールの一つであった。政府と党にたいする惜しみない賞賛に加えて、プロパガンダは人々に道徳的な指針を伝えるために使われてきた。

●たとえば去年の11月に、テレビ番組や映画の猥雑さを教える番組が。CCTVで集中して放映されている。われわれは粗悪なものを見ないように促されたのだ。

●以前の私は、CCTVが世界で最も権威のあるニュース組織だと思っていた。1997年以前――たしかこの年にネットが登場した――のほとんどの中国人は、CCTVや数少ない国営の新聞以外の情報源をもっていなかったのであり、私はCCTVを無条件で信頼していた。

●たとえばCCTVが社会主義の素晴らしさを称えると、私も社会主義の楽園に生きていることを本当に嬉しく感じたものだ。資本主義の堕落した腐敗を酷評すると、ヨーロッパやアメリカの人々の受けている苦難に大きな同情を覚えたものだ。

●私は1989年6月5日に天安門で戦車の列の前に立ちすくんでいた痩せこけた青年についてコメントしていた、CCTVのアナウンサーの金切り声を今でも鮮明に覚えている。「もしわれわれの戦車がそのまま前進したら、あの哀れな取るに足らない人物は戦車の進行を本当に止められなかったはずです!」

●当時15歳だった私は「まさにその通りだ!戦車の兵士はなんて慈悲深いんだ!」と考えていた。

●私は長年にわたってBBC、CNN、そしてニューヨーク・タイムズの存在を知らなかった。これらの報道機関の名前を聞いても、私はそれらが反中の敵対的な西側にコントロールされていると信じきっていた。中国の多くの人々はいまだにこのように考えている。

●ところがインターネットがこれらのすべてを変えてしまった

●中国ではインターネットに制限がかかっているが、外の世界の情報は漏れて入ってくる。ネット初期の掲示板はブログの拡大を促すと共に微博のようなSNSの利用を増やした。公的な議論に参加する人々の数は増え続け、中国のプロパガンダ機構からは入手できない情報へのアクセスが増えてきた。

●私のCCTVへの信頼は1999年に落ちてしまった。そのきっかけは、何百万人も死んだ大躍進政策によって発生した飢饉について、CCTVの説明とは矛盾する情報をネットで読み始めたからだ。

●CCTVはこの期間に自然災害によって困難に陥ったと説明しており、1989年の天安門事件については「反革命的な暴動」だと説明していた。

●そして現在、私はこのテレビ局が毎日ウソを言っていることを知っている。CCTVは盲目の人権運動家で弁護士の陳光誠(chen Guangcheng)が違法に軟禁されていることについて全く報じていないし、運動家の李旺阳(Li Wangyang)の不可解な死については何も触れていない。また、近年になって何百万人ものチベット人が焼身自殺を行っている本当の理由について何も言っていないのだ。

●そして毎年政府にたいして正義を求める何千もの抗議活動が行われているにもかかわらず。CCTVは口をつぐんでいるのだ。

●最近ではマレーシア航空が失跡した時に、CCTVは全人代についての報道に切り替えている。133人もの自国民が乗っていた飛行機が行方不明な時に、CCTVは秘密会議によって出た結論にたいする調印式を放映することを選んだのだ。

●われわれはこれで目が覚めたのであり、自分たちの不満を表明することを厭わなくなってきたのだ。

●段々と多くの中国人が、中央政府の説明について疑問を呈するようになりつつある。

●彼らはそのプロパガンダのトーンややり方をバカにし始めており、道徳教育について反攻するようになっている。これはいわば、インターネットの時代に中国政府のプロパガンダ機構が危機に直面している、といっても過言ではないくらいだ。

●たとえば中国のネットには、人民日報が1958年に党の指示にしたがって「記録的な豊作だ」と報道してたのに、実際は人々が人的なミスから次々と餓死していたという事実を指摘したものがたくさんころがっている。

●ところが人民日報は記事を修正したり謝罪したことは一度もなく、ネット界の住人たちは、彼らにこの記憶を絶対に忘れさせないと誓っているのだ。

●政府自身もあざけりの対象から逃れられない。中国共産党中央宣伝部は、ジョージ・オーウェルの小説『1984』の中の「真理省」という名前でネット界でバカにされている。

●もちろんCCTVやその他の国営メディアが弱体化しているわけではない。彼らには莫大な活動資金があり、その影響力は巨大なままだ

●共産党の情報統制を制止する手段はない。しかし党はもう私の批判的な見方をコントロールすることはできないのだ。

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クドいようですが、これも「インターネットというテクノロジー」によって人間(の社会)や世界観が変わってしまった、一つの典型的な例と言えるかもしれません。

それにしてもこの世はプロパガンダだらけです。

プロパカンダ&セルフ・プロパカンダCD
プロパカンダ&セルフ・プロパカンダCD

Commented by at 2014-03-26 21:07 x
人々が求めているプロパガンダは受け入れられるでしょうね。反日とか。
Commented by ふじい at 2014-03-26 22:29 x
誰が、どういう目的で、情報を流しているか、を考え始めると、色々と見えてくるものもありますし、面白いですね。
自由主義社会の日本ですら、意図を持って流される情報、と言うのは数多く存在しますし。
Commented by sdi at 2014-03-27 00:47 x
このブログの記事を読むと、「プラウダ(この場合は人民日報か)の行間を読む」なんてことが出来る人たちはやはり少数派だったということでしょうか。このブログ記事の作者の、年齢は何歳くらいなんでしょう。天安門事件以後の生まれではないかとは想像できますが、ここまで自分が見事に共産党のプロパガンダに嵌っていたことを自覚できたケースはやはり少数派なんでしょうか。
Commented by (^o^)風顛老人爺 at 2014-04-01 03:03 x
拝啓、奥山様お久しぶりでございます更新お疲れ様です。
チャイナは地獄絵図そのものです、内戦状態です新聞テレビでは報道されません。
其処から日本へあの手この手で入り込み居座り続けております。
宣伝ご容赦下さい。付記URLより、元北京語通訳捜査官である坂東忠信氏サイトに接続出来ます。
http://m.ameba.jp/m/blogTop.do?unm=japangard&guid=ON
ユウチューブで
「 坂東忠信、河添恵子」で検索しますとテレビ新聞で報道されない興味深い情報が満載でございます。乱文にて 敬具。
by masa_the_man | 2014-03-26 15:28 | 日記 | Comments(4)