戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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日本史の謎は「地形」で解ける

今日の横浜北部もよく晴れて寒かったです。さすが「大寒」だけありましたな。

さて、久しぶりに本の紹介というか、正確には「紹介された本の紹介」です。

日本史の謎は「地形」で解ける (PHP文庫)
by 竹村 公太郎

この本、先日行った地政学研究所での講義で参加者の方に教えてもらったもの。まだ到着したばかりなので中身まで詳しくは読み込めていないのですが、簡単にいうと、

●元国交省の官僚さんが「インフラ屋」としての誇りを胸に、日本史の常識を地理の知識を使って徹底的に洗いなおす

というもの。いわば古典地政学でいうところの三位一体のうちの一つである「物理的地理」を軸に、既存の日本史の定説にたいする新しい解釈を加えていくというものなのですが、象徴的なのは著者の以下の記述。

●明治以前は、食糧とエネルギーを自足できるかどうかが、その土地の発展を決した。もちろん、主要な食糧は米と薪(まき)であった。

●この米と薪に共通して必要なものは河川である。河川の沖積平野と水が米を与えてくれ、川の上流域の森林がエネルギーの薪と炭を与えてくれた。

●都市が繁栄するための食糧とエネルギーの確保、それを言い換えると、「大きな川があるかどうか」であったのだ。(p.346)

というもの。まさに徹頭徹尾「物理的地理」という観点から政治地理学を分析しているという特徴がよく出ております。

もちろんあまりにも地形という「下部構造」のみを重視しているために、逆に上の「地理観」のようなものへの言及が少なく、それによってやや強引ともいえる結論付けが見受けられるところは多々ありますが、それでもそれを余りあるほどの魅力的な説明(遷都の理由など)をいくつも展開しております。

ということで、まださらっと読んだだけでもかなり興味深い記述がいくつも発見できる面白そうな本であります。

本ブログをお読みのかたはぜひ一冊。


Commented by 待兼右大臣 at 2014-01-22 21:46 x
確か、この本は文庫化される前に立ち読みして買うのを止めた経験があります

著者は「インフラ屋」というよりは「河川屋」という人でしょう。旧建設技官で旧運輸省系の「交通・流通」インフラには不案内のように思われます

更に「歴史家」としても???です

「鉄」にして大学の専攻が明治維新~敗戦迄の日本政治史だった私は、どうしても点数が辛くなってしまいますが、その点を理解していれば

河川と「地の利」

に関する手頃な入門書になると思います
Commented at 2014-01-25 00:17 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by masa_the_man | 2014-01-20 22:41 | おススメの本 | Comments(2)