留学する際に最も必要なもの |
目黒で友人とランチをする予定だったのですが、彼がいきなり来る途中に安部首相の靖国神社参拝の様子を見たいということで見てきたらしいのですが、警備が厳しくて、けっこう遠目にしか見られなかったとか。
それにしても報道ヘリが8機くらい飛んでいて、九段下上空はかなりの騒ぎだったようです。
個人的には日本の報道機関は、中韓の反応よりも、アメリカ側の反応をもっと大きく取り上げるべきだと思いました。日本にたいする政治的影響という意味ではそちらの反応のほうが重要だと思うんですが。
さて、数日前にTwitter上でつぶやいた、日本人が留学する際に必要なことについて、もう一度復唱することにします。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、私は20代前半から15年近く留学生活を送っておりまして、おかげで90年代後半から2000年代前半の日本の状況というものが全く肌で実感できていないほど向こうに定着していたわけですから、そこで見てきた「日本人が留学する際に必要なこと」についていくつか書いてみたいと思います。
まず第一ですが、これはリアリスト的に考えるとごく当然のように、「お金」です。マネーです。留学資金です。これがないと、まず話になりません。
これが大前提だとして、次に「留学」という意味で必要になってくるのは、なんといっても現地の言葉(英語圏だったら英語)の「単語力」です。
もちろん現地の人間が何を言っているのかを理解するという意味でヒアリングの力が試されるというのはある程度は当たっているのですが、現地のテレビなどを見ていたり、買い物などをしていれば、一定期間をすぎれば自然の慣れてくるもの。
ちなみに英語は日本語と違って、しゃべり言葉で別の音域というか、別の周波数が多用されているために、それに慣れるまで時間がかかるという話をどこかで聞いたことがあります。
それよりも何よりも、とにかく重要なのは単語を覚えること。なぜならボキャブラリーを豊富にしておけば、たとえば文法などがまったくわからなくても、意味を知っている単語が多いだけで、たとえば相手に単語を並べるだけで話が通じたりします。
余談ですが、「あなたが言っていることはわかりません、もう一度繰り返していただけませんか?」ということを相手に伝えたい場合に、世界共通でどこでも一発で通じるのは、
「ハァ?!」
と言うこと。これで相手がどんな言葉をしゃべろうが、その人は間違いなくもう一度丁寧に教えてくれること請け合い。
話を戻しますと、大学受験の時に覚えた単語であろうと何だろうと、私が見かけた日本人の留学生で伸びている人たちというのは、おしなべてこの「単語」を多く身につけていた人ばかり。
実はこの単語を豊富に知っていることの重要性というのは、いわゆる天才教育のほうでも定説らしく、赤ちゃんの頃から徹底的に単語の数を増やすように訓練された人は、感情表現も豊かになるし、その後の知性の伸びが全然違うらしいのです。
そういわれてみれば、たしかにある分野の学問を極めるというのは、いいかえればその分野の「単語」、つまり「専門用語」についての知識を増やすことと直結しておりますし、主な学問ではいまだにその学問の名前に使われている用語の定義について議論が続いていることもしばしば。
日本ではあまりこのあたりは意識されておりませんが、使う語彙が豊富であるということは、英語圏ではどうも社会の階層を上がっていく際に必須とされているようで、私は以前あるオーディオブックで「ビジネスで成功するために必要な500ワード」というものを何度か聞いたことがあります。
この一例ですが、「溝」(gap)という言葉を使う代わりに、「亀裂」(fissuer)という言葉を使えば、相手にインテリジェントに聞こえる、というものがありました。
たしかにこのような洗練された言葉や単語を使うことができる人というのは、世界のどの国でも尊敬されます。しかもそれが留学先の国で、しかも学問をやるということになると、そもそもの地頭を構成している単語の知識量を問われてくるのは、当然といえば当然のこと。
ということで、これから留学する人は、ぜひその留学先の言語の単語だけは必死に覚えるということをやっておくと、あとで楽になります。