戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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日本の伝統行事は本当にうらやましい

今日の横浜北部は久しぶりに雲の多い晴れの日でした。思ったより過ごしやすかったですね。

今朝の毎日新聞ですが、日曜日の書評欄のトップに『自滅する中国』がフリードバーグの『支配への競争』と一緒に紹介されておりました。評者はレインの『幻想の平和』の時と同じ政策研究大学院の白石教授。ありがたいことです。

さて、本日のことですが、近所の神社が餅つき大会に参加してきたので、そこで感じたことを一つ。

この餅つき大会、なんと「無料」の「食べ放題」というものでありまして、そこの氏子さんたち(といってもほとんどが引退したおじさんばかり)が餅をつき、それをおばさんたちが手際よく味付けして配る、というもの。
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味は、だいこんおろし、きなこ、そしてあんこの三種類。

近所に住む子供たちだけでなく、留学生らしき外国の若い人たちの姿も散見されましたが、とにかく賑わっていてとても和気あいあいとした雰囲気。味も何年かぶりにいただいた「つきたて」でしたので最高に美味でした。
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これで思い出したのが、留学していた時のコースメイトの話。

実は私の修士の時の安全保障のクラスに、白人の兄貴(当時すでに40代)がおりまして、そいつはイギリスの大学院に入り直すまえに8年ほど日本で英語教師をやっていた経験を持っておりました。

彼が私にたびたび言っていたのは、

「俺さ、今でも日本に帰りたいと思うんだけど、お前らの文化で心の底から羨ましいと思うのは、花火大会やお盆のお祭りみたいに、公共でやる伝統行事的なイベントだよ。あれはいいよなー!

ということです。いや、お前らだって花火みたいのはあるでしょ?と聞くと、

「たしかに小規模なものはあるよ。でも道端で店で酒が売っててどんちゃん騒ぎなんてできないよ。イギリスでも昔は大きなイベントあったけど、酒のんだ奴らが暴れたり女の子を強姦しちゃったりして規制が厳しくなっちゃってどんどん中止だよ」

との答え。そういえばカナダでも7月1日に建国記念日ということで花火が打ち上げられるんですが、それもたった15分くらいでしたし、イギリスで見た花火はヒンズー教の寺院が主催したもの。しかも警察の警戒が異様に多くてびっくり。

そうなると日本の隅田川や、ましてや秋田の大曲の競技会のようなレベルで開催される大規模なイベントは、国際的に見てもたしかに稀なのかも。

もちろんあちらのクリスマスというのは本格的でして、とくにイギリスでは25日は電車さえ止まってしまう徹底したものですが、それはあくまでも内向きなイベント。

日本の花火大会のように、あれだけの数の人間が真夏に、しかも屋外で酒を飲んで、子供まで出て大騒ぎするという習慣は(サッカー場を除けば)さすがにみかけませんでした。

岸和田の「だんじり」なんか、毎年人の家を壊してますし(苦笑

私が何を言いたいかというと、日本というのは庶民の文化やコミュニティー感覚の熟成度(というかユルさ?)というのはけっこう高いのでは、ということ。

たとえばうちの近くに最近できた高層マンションなんかでも自発的に町内会みたいなものができてマンション内で盆踊りみたいなイベントとかやってますし、外で酒を飲んでも文句をいわれませんし(カナダでは屋外や公共の場で缶などを持ちだして酒飲むと逮捕)、イベントやっても暴動みたいに極端に治安が悪くなることもありません。

まあ以前からこういう大規模な「伝統行事」には日本でも色々と問題はあったのでしょうが、それでもそれが毎年問題なくイベントとして成立しているというのは、けっこうすごいことなのかと。

そういえば数日前にアップした南アフリカのマンデラ元大統領の話に関係しますが、アパルトヘイト政策をマンデラ氏一人の力で解消したということになっていまして、まあそれも間違いないと思うのですがが(功労者は数人いるのですが)、あの国はいまだに治安が深刻で、ちょっと収入のある人だったらゲートつきのコミュニティーに住むのは当たり前。普通の生活をしている人だったらタクシーにも乗れないし、ちょっと危ない地区だったら赤信号でも車を止めるなと教えられるくらい。

日本以外の諸外国というのは、日本のスタンダードでは考えられないくらいの深刻な国内問題を抱えている、という前提で物事を考えるべきなんでしょうな。

そういう意味で、私は日本は世界的にもまだまだ恵まれているほうだと楽観的にとらえてます。


Commented by 大阪人K at 2013-12-08 22:52 x
>俺さ、今でも日本に帰りたいと思うんだけど・・
その方の母国は日本ではないの「日本に帰りたい」とは・・・(苦笑)

>岸和田の「だんじり」なんか、毎年人の家を壊してますし(苦笑
大丈夫です。あれ修理費が出ますので・・・そしてまた壊すの繰り返し。まあ恒例なんで・・・(笑)

日本以外の諸外国が何故中止に追い込まれるようになったのか。どうして社会が劣化したのか。それを真剣に洞察する必要があると思います。将来、日本がそうならないという保証など、どこにもない訳ですから今のうちに他山の石にしないといけないのかと思った次第です。
Commented by 無花果 at 2013-12-09 15:06 x
搗き立てのお餅、美味しいですよね。黒砂糖を巻いてみたり、海苔を巻いて砂糖醤油で戴いたり。家では搗かなくなってもう随分食べていませんが。

最初からそういったお祭りがなかったわけではなく、「どんどん中止だよ」という事であれば、イギリスの取締りが特に厳しくなったのか、イギリス人の公共意識がお祭りに不適なほど低下したのか、それともまた別の要因か、気になります。偏見ですが、イギリス人は文化的に保守傾向、というイメージがあるので伝統的なお祭りであれば復活させよう、という運動がありそうなものなのですが。

日本も色々放置してきた問題がありますが、「まだ大丈夫」なうちに手を打たないといけないことが多そうです。
対策を先延ばしにしすぎて「もうだめだ」となってからでは、取り返しがつかないですし。過去に遡れない以上、今からやれることをやるしかありません。
by masa_the_man | 2013-12-08 21:10 | 日記 | Comments(2)