戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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中国の防空識別圏:ワシントン・ポストの社説

今日の横浜北部はまたしても快晴です。今夜から少し天気が崩れるらしいですが。

さて、ちょっと古いですが、中国の防空識別圏宣言についてのワシントン・ポスト紙の社説がありましたのでその要約です。

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中国は領有権争いの上空への新しい防空識別圏の設置をやめるべきだ
By論説委員(11月26日)

●中国は先月後半の週末(23日)に、日本が実効支配している東シナ海の島々における長年の領有権を争いを突然激化する動きを行ったのだが、これは懸念的で無謀なものだ。

●中国は一方的に新しく「防空識別圏」を広範囲にわたって設置することを宣言したのだが、この空域を通過する航空機はいずれも中国当局にたいして身分の認識報告を行ない、それに従わない場合は軍事的な行動もありえると要求している。

●この空域は日本によって維持されている空域と重なっており、これは領有権の宣言と変わらないものだ。

●この争いの中心にあるのは、日中両国で争われているいくつかの無人島であり、日本政府は去年、民間の地権者からこの島の地権を買い上げている。中国は船によるパトロールの頻度を上げ、日本もそれに対抗する形でパトロールを行っている。アメリカは領有権争いについては中立の立場だが、日本の防衛にコミットしており、日中両国に交渉による問題解決をうながしている。

●今回の中国側の宣言の以前から、海上でのパトロールによる両国の駆け引きはすでに不安な状態を発生させていた。中国側は今回の宣言によって、この領域の空の交通をコントロールしており、ルールに従わない航空機は迎撃される可能性があると述べている。

●中国側の行動はあからさまな戦闘状態につながる、非常に大きな危険性やエラーの可能性をもたらしており、日本にコミットしているアメリカを巻き込むおそれもある。

●ジョン・ケリー国務省長官とチャック・ヘーゲル国防省長官が中国の行為にたいしてすぐさま抗議をしたことは正しかった。日本も中国にたいして止めるように求めているが、中国は頑なに固辞している。

●数年前に中国のリーダーたちは、世界にたいして「台頭する経済超大国は、自国周辺の地域や外の地域における力の拡大に積極的になることを意味しない」ということを説明している。彼らはこれを「平和的台頭」と呼んでいる。

●ところが今回の宣言は、それとは全く正反対の動きだ。たしかに中国が長年この島々の領有権を主張しているのは事実だが、これほどまでの広域にたいして航空機の通過に突然制限をかけるというのは「平和的」ではないし、交渉の余地を全く見せるようなものではない

●中国は南シナ海でもこのように広大な海域の領有権を主張してその周辺国と紛争を起こしている。もし今回の空域が認められることになると、中国は他の分野でも圧力を高めることになりかねない。

●ここ数ヶ月間で米中の軍同士で協力や対話の兆しが見え始めており、これは引き続き重要かつ切迫した課題なので続けられるべきであろう。

●もし中国が領海の外に防空識別圏を本当に必要としているのなら、日本をはじめとする周辺国と共同管理空域を設けて航空情報をシェアし、その下にある領海や島について交渉をはじめるべきであろう。

●もしかするとこれはあまりにも楽観的な目標かもしれない。しかし一方的に空域をコントロールすることが事態の緩和にならないことについて中国はもっと自覚すべきなのだ。

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中国の「平和的台頭」にツッコミを入れておりますね。全然「平和的」じゃねーだろ、と(笑

同じ事件についてのNYタイムズのものと比較すると、日本にたいするスタンスが違いますよね。こういう点について、われわれはもっと敏感になるべきかと。


Commented by (^o^)風顛老人爺 at 2013-12-04 12:50 x
拝啓、奥山さん
お久しぶりです。

読売新聞12月4日火曜日の、朝刊一面の右下に芙蓉書房出版の広告が出ました。
「 自滅する中国 」ルトワック著が掲載されています。m(_ _)m取り急ぎ乱文にて 敬具。
Commented by (^o^)風顛老人爺 at 2013-12-10 16:20 x
連投、ご容赦下さい。
毎日新聞朝刊12月8日曜日、今週の本棚に 「 自滅する中国 」なぜ世界帝国になれないのか、が

支配への競争、米中対立の構図とアジアの将来と並んで紹介されています
。2冊で紙面の4分の1を占め大きく詳しく扱っています。評者は白石隆氏、政策研究大学院大学長(国際関係)です。

付記URLより通訳捜査官、坂東忠信氏のサイトにアクセス出来ます。ご高覧下さい。m(_ _)m取り急ぎ乱文にて 敬具。
by masa_the_man | 2013-12-03 23:00 | 日記 | Comments(2)