戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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中国の防空識別圏:悪いのは日本とアメリカだ by 新華社

今日の横浜北部は朝からまたまた快晴です。気温は低いですが、相変わらずいい天気。

中国の防空識別圏にかんする話題なんですが、アメリカの国務省が米系の航空会社にたいしてこの空域を通過する場合には飛行計画書を提出するように指示した(?)というニュースが出てきてますね。日本と韓国の航空会社はハシゴを外された形になるのでしょうか?

これは数日前のB-52を2機飛ばして無視したニュースと矛盾しているようですが、対中強硬派である国防省との方針の違いという意味でいけばまあ不思議ではない内容かと。

さて、それに関連して中国側の反発がよくわかる設置宣言当初の意見記事が面白かったので、以下がこの要約です。日米両国は二重規範(ダブルスタンダード)という反論。

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防空識別圏についての日米の論理はふざけている
by 新華社通信記者 Wu Liming(25日)

●中国は(先週の)土曜日に東シナ海上空に防空識別圏を設置することを宣言したが、それにたいするアメリカと日本の反応は、ある意味でふざけたものだ。

●彼らの論理は単純だ。それは「中国ができないことをアメリカはやる」という立場だからだ。これは中国の格言で「行政官は家を燃やす権利はあるが、庶民は火を灯すことも禁じられている」というものと同じだ。

●ご存知のように、防空識別圏を1950年に最初に設置したのはアメリカであり、その後に20ヶ国が続いた。ワシントン政府はこれを当然の権利と見なしつづけている

●ところが中国がこれを行おうとするとワシントン政府は様々な「懸念」があるとすぐに声明を発表している。ジョン・ケリー国務長官は土曜日に憂慮を表明しており、「東シナ海での現状維持状態を変更させる試みの一つ」の可能性と、当地域の緊張とリスクを高めると恐れている。

●安部首相も月曜日に日本政府として深刻な懸念があると表明している。

●日本は防空識別圏を1960年代に設置し、さらには尖閣諸島の上空を一方的に含めてしまっている。ところが中国が同諸島を含めると、東京政府はすぐさま「受け入れられない」と発表しており、さらに安部首相は中国の動きを「危険」であると言っている。これは完全に無茶で非合理的だ。

●一言でいえば、日米政府は二重規範(ダブルスタンダード)を追求しているのだ。

●尖閣問題は今回の防空識別圏の問題の核心にあることは明らかだ。すでに広く知られているように、状況を悪化させて東アジア全体の安定を崩した責任は日本側にあり、中国は領土の統一を守るために反応せざるを得ない状況に追い込まれたのだ。

●日米両政府は中国がアジア太平洋地域の安定を崩しつつあると非難しているが、このような非難を行うことによって、逆にこの地域の平和と安定へ脅威を及ぼしているのは日米両政府なのだ。

●アメリカの国家安全保障アドバイザーであるスーザン・ライスは、米海軍の6割の兵力を太平洋地域に派遣することを言明しており、これによってこの地域に最新兵器を供給するという。

●日本では安部首相が、11年ぶりに防衛費を上昇させたり、軍事演習の頻度を上げたり、さらには日本の平和憲法を改正する意図を表明するなど、極めて憂慮すべき行動をとっている。

●尖閣諸島は中国固有の領土であり、中国の東シナ海における防空識別圏内に含まれるのは自然なことだ。したがって、白を黒と呼ぶようなトリックを使いつづけているのは日米両国のほうである。彼らがこれを止めるのは今しかない。

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この前提にあるのは「自分たちは絶対に悪くない」という信念です。そして悪いのはお前だ、と。

彼らのこのような思考様式を知るのはとても大事なことかと。


Commented by sdi at 2013-12-01 01:30 x
>「自分たちは絶対に悪くない」という信念
というか、「我々は悪くない。悪いのはアメリカと日本だ」という論理に、必死にしがみついている。というように見えますね。それ以外に自分たちのしでかした行為の正当性を保障してくれるものがなさそうです。
一部で「中国は防空識別圏のなんたるかを全然知らなかったんじゃないか?」という指摘も上がってます。北京の党中央の要人がそれを知らないことはありえるでしょう。しかし、要人にアドバイスする軍人、戦略家たちがいるはずで、彼らまで全く知らなかったというのはちょっと考えにくい。もちろん、彼らがどんな回答したかにもよりますが、プロとして「できること」「できないこと」は答えたでしょう。それを党中央の要人たちが受け入れたかどうかはわかりませんが。今頃、中国空軍の将官たちは、意図せずに自国の早期警戒網の現状を暴露してしまったことに頭をかかえていますね。彼らの中に、北京の党中央にできやしないことを「出来ます」といってしまった人がいるかもしれませんね。
by masa_the_man | 2013-11-30 12:48 | 日記 | Comments(1)