機甲戦の理論と歴史の講演会に参加してきました |
さて、本日のことですが、学会の関係で元自衛官の葛原和三氏の講演会の司会をしてきましたのでその報告を。
講演者の葛原氏は三重県出身の元自衛官。陸上自衛隊幹部学校で戦史教官を務めて今年の三月に退官され、現在は靖国偕行文庫の室長であります。
講演は基本的に葛原氏のロングセラー本の内容を元に二部構成になっており、前半は機甲戦の思想がヨーロッパでどのように発展してきたか、そして後半は日本でそれがどのように受容されてきたのかという経緯についての概論でありました。
もちろん私の専門は「戦略の階層」で言えばもう少し上の話が得意なので、正直なところ作戦レベルの話は難しかったのですが、個人的には前半の用兵思想が出てきた経緯の部分の話はかなりヒットしました。
とくにナポレオンとモルトケの用兵思想の違い(内戦作戦vs外線作戦)の以下の説明は興味深かったです。
ただし用兵思想の流れについての以下の説明については、よくまとまっているとは思いますが、ちょっと微妙かなという感じが。
唯一残念だなぁと思ったのは、戦後や現代までどのようにつながったのかについてほとんど触れられなかったという点でしょうか。
個人的にはこれを補う形としてはこのベラミーの本がかなり良いと思っているのですが、どうやらこれはすでに絶版なようで。
その内に時間がありましたら、このベラミーの本の内容を紹介してみようと思っております。
ということで、ほとんど講演内容の説明にはなっておりませんが、詳しくお知りになりたいかたはぜひ以下の本を参照にしてください。文体や構成も意外にやさしく書かれており、硬さはないです。
余談ですが、ネット上で有名な「逆神」様もご来場でした。本物を見たのは初めてだったので、非常に感慨深いものが。