戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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テクノロジーの保守派と革新派

今日の出羽国は本当に気持ちの良い秋晴れでした。

昨日から泊まりがけて某A省関連のイベントに取材を兼ねて来ておりまして、本日無事に式典に参加してまいりました。

さて、くどいようですがテクノロジーについて考えていることを少し。

戦略研究の中では、テクノロジーというのはその始まりから常に重要な要因であることは、少しでも戦争の歴史などを学んだことがある人は知っておりますし、産業革命によって大きな変化が起こった社会全般についても実は全く同じことです。

ところが戦争や社会におけるテクノロジーの影響の研究をしようとすると必ず出てくる問題が、二つの極端な分析。

これは人間vsテクノロジーという対比と言い換えることができるかもしれませんが、最もわかりやすいのは、保守派vs革新派というものかと。

たとえば戦争におけるテクノロジーの「保守派」が極端に出ると、「テクノロジーよりも、それを操る戦士(ウォリアー)のほうが重要だ、という分析になります。人間中心主義ですね。

ところがその反対の「革新派」の立場だと、テクノロジーの進歩によって、それこそインテリジェンスのような情勢認識からからあらゆることが解決するという、いわばテクノロジー万能主義に傾くことになります。これはアメリカの専門家に多く見られる傾向ですな。

これもよくわかるんですが、落ち着いて考えてみると、テクノロジーというのは決して戦争の結末を決定する単独の要素ではありません。たとえそれが最先端のものであっても、それを使う側の人間がそもそもそれをマスターできておらず、ロクに活用できない場合には、なんの意味もないということになります。

また、最新のテクノロジーにはそもそも独特の弱点をかかえているものであり、たとえば最近の無人機の例では、それがハッキングされてしまえば使い物になりませんし、ステルス戦闘機でも目視で確認されてしまえば「ステルス性」そのものが全く活用できません。

結局のところテクノロジーの優位というのは、当たり前なんですがテクノロジーそのものの質の高さと、それを使う人間の能力や意図の正しさというものがとわれてくるものでして、いわば人間と技術が複雑に交じり合った「システムとしてのテクノロジー」の優位になったときに決定力を発揮する、ということになります。

ようするにここでまた強調したいのは、テクノロジーを「技術」というハードウェア的な解釈に押し込めるのではなく、もっと人間との絡みやそれを活用するソフトウェア的な部分をわれわれは理解する必要がある、ということですね。


by masa_the_man | 2013-09-22 22:03 | 日記 | Comments(0)