戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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大都市は安定してくると安全になる?

今日の横浜北部は午前中が台風の為に大荒れの天候、そして午後は一点して穏やかな曇空でした。

さて、巨大都市の安全についての社会学的な記事がありましたのでその要約を。

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都市は最も安全な場所になった。この都会の安全を輸出しよう
byダグ・サウンダース

●シカゴの名前を聞いたことのある人は、みんな「殺人事件だらけの町さ」というかもしれない。これがトロントの場合も同じで、銃撃事件や殺傷事件、それに殴り合いなどが、町の中心部にあるモールのフードコートでも起こっている。

●つまり都市は危険な場所のように思えるが、これは全く逆だ。

●たとえばシカゴは1963年以来最も殺人率が低くなっており、はるかに小さな町とくらべてもその率は低いのだ。トロントはさらに低く、カナダの最大の都市であるにもかかわらず、危険な町としてはカナダ内で25位なのだ。トロントはカナダの都市の中で最も犯罪率の低いのだ。

北米の大都市は危険だというイメージがあるが、実際は世界で最も安全な場所のうちの一つである。ではこの認識のギャップの差はなぜなのだろうか?

●その理由の一つは、過去(19世紀と20世紀のほとんど)において最も危険な場所であったことに間違いはないからだ。殺人、強盗、性的暴力などは大都市特有の現象であり、その危険から身を守るのに一番なのはそこから離れることだった。

●ところが今日はその正反対のことが正しいのだ。

●もしあなたが最も殺人の多い都市に行きたいのならば、北米の都市を選ぶべきではない。現在、世界で最も危険な都市というのは、以前は小規模で平和だったが、つい最近になって巨大都市になったところなのだ。

●実際のところ、南半球と東半球の都市というのは百年前の北米の都市、つまり農村から移ってきた莫大な人口を吸収しつつあった頃と同じような状況に直面しているのだ。

●たとえばキンシャサは50年間で50万から800万人に増えており、イスタンブールは90万人が1200万人になっている。このような農村部の莫大人口の都会への流入には、家族構成が固まっているところから不安定なところへと社会構成が激減するために、とくに女性にとって大きなリスクとなる。

●これと同じような動きが、現在、世界の他の地域で(国内の移動、自治体の腐敗、インフラの未整備、治安がよわく、警察が軍事的な手法に頼っていることなど)起こっているのだ。

●では、われわれがこれらの問題を克服したやり方を輸出すべきだろうか?カナダとイギリスの研究機関ではそのようなアイディアが検討されている。

●都市というのは必ずしも危険な場所だというわけではないのだが、実際にはカラカスやケープタウンの殺人率は異常に高い。しかしその反対に、ムンバイやダッカのように人口密度が高いところはその国の殺人率の平均よりも低く、そこに住む人々が捨ててきた故郷よりも低いのだ。

貧困国と西側諸国における巨大都市というのは、実際には腐敗や危険が存在している中小規模の都市よりも、はるかに安全であることが多い

●たとえばレイプ事件で問題になっているインド北部の新興都市ではその割合が農村部よりも高止まりしている。そしてブラジルや南米では、国家の大胆な介入によって危険な都市が安全になることも証明されている。つまり、都市部における暴力というのは一時的なものであり、それを修正することができる問題なのだ。

●ではわれわれが提供できるものは何であろう?

●第一に、よい警備体制だ。ほとんどの国々では、都市部の警察は国軍の一部であり、しかも腐敗していることが多い。警察を地元の住民やソーシャルワーカーにできるかどうかがカギをにぎっている。

●第二に、良い制度機関だ。われわれの都市が安全になったのは、政府や司法、それに交通機関が機能しはじめてからなのだ。

●第三に、良いデザインである。犯罪が起こるのは人の目が届かず、管理する人もいない場所である。このような空っぽな場所を人が住んでいる住居で埋めることによって、街は安全になるのだ。

●われわれは都市内に所有権を得る喜びと誇りを創造した時に安全への欲求が高まるのであり、これは世界が求めているものであると言えるだろう。

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これは国際関係にも似たようなメカニズムが働いているのでは。

少し議論の質は違うかもしれませんが、たとえば「世界の都市化」を唱えたトマス・バーネットは、冷戦後のアメリカの地政学的な大戦略を述べる際に、これと似たようなロジックから自身の考えを述べております。

つまり、「都会化(グローバル化)を進めていけば世界は平和になる」ということです。まあものごとはそれほど単純ではないのでしょうが・・・


by masa_the_man | 2013-09-16 23:23 | 日記 | Comments(0)