戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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スパイクマンの「アジアの地中海」

今日の横浜北部は朝から曇っていて涼しいです。冷房ナシで朝から過ごせるっていいもんですな。

さて、シリア情勢のほうが気になるところですが、久しぶりに地政学ネタを一つ。

以前にスパイクマンが1941年に行った予言的な政策提言を要約した「なぜアメリカは日本と組まなければならないのか」というエントリーを載せましたが、それに関することを少し。

最近注目されているのは、スパイクマンの「アジアの地中海」(the Asiatic Medeterranean)という概念なのですが、すでにそのエントリーの中で、

●中国は「アジアの地中海」の沿岸部から内海までの広範囲を支配する大陸サイズの国家となり、カリブ海におけるアメリカの地位と同じような立場になる。中国が経済的に強力になれば、その政治的影響力も同じように大きくなるだろう。そしてこの海域が、イギリス、アメリカ、そして日本のシーパワーではなく、中国のエアパワーによって支配されるようになる日が来ることを予測することさえ可能なのだ。

と見越していたことを書きましたが、これは最近の中国の第一列島線内の、いわゆる「A2/AD」という概念によってある程度実現しているといえます。

そういう意味で「アジアの地中海」という言葉が注目されつつあるのですが、肝心のスパイクマンがどのように定義していたのかという点については意外とそれについて書いている人々もあまり詳しく語っていないような。

ということで、それを提唱した本人の言葉をもう一度ここで詳しく書いておきます。

以下の引用箇所はAmerica's Strategy in World Politics: the United States and the Balance of Power, (Harcourt, Brace, 1942), p.132です。

●「アジアの地中海」はアジアとオーストラリアの間、そして太平洋とインド洋の間に横たわっている。この内海はほぼ三角形の形をしており、その角はそれぞれ台湾、シンガポール、オーストラリア北部のヨーク岬にある。この枠の中にはフィリピン、インドネシアのハルマヘラ島、ニューギニア島、オーストラリア北岸、オランダ領東インド、イギリス領マラヤ、タイ、フランス領インドシナ、福建省の廈門市(アモイ)までの中国の南岸地域、そして香港までを含む。

ということです。これを地図で表すと、
b0015356_11341048.png

となるわけですから、南シナ海全域に加えて、インドネシア周辺の海も含むことになりますね。

地図で表示してみましたが、上で説明されている海域を全部囲ってみたら四角形になってしまいました(苦笑。

ということでご参考まで。


Commented by sdi at 2013-09-07 11:21 x
>南シナ海全域に加えて、インドネシア周辺の海も含むことになりますね
ペルシャ湾からのオイルロードがすっぽり全部入りますね。迂回ルートこみで。慧眼恐るべし。
Commented by 待兼右大臣 at 2013-09-07 22:34 x
そういえば、小学生時代に見た百科事典で、その地域は「豪亜地中海」と言われていました。
Commented at 2013-09-09 21:26 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2013-09-09 21:30 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by masa_the_man | 2013-09-07 11:06 | 日記 | Comments(4)