戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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シリア空爆:他国の見解

今日の横浜北部は朝から快晴です。昼間は暑くなりそうですが、朝晩はかなりマシになりました。

さて、ひきつづきシリア関連のネタを。

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シリア攻撃の延期:オバマはどう見られている?
by ジェリー・ムラニー

●オバマ大統領のシリア攻撃について連邦議会の承認を得ようとする決断は、海外、とくにイスラエルで「アメリカのリーダーシップが弱まったのではないか?」という疑問を発生させることになった。

●イスラエルの「ハーレツ」紙は先日の日曜日に軍事専門家であるエイモス・ハーレルの意見記事を掲載しており、彼はこの中で「シリア攻撃延期は、将来のイランの核開発への対処の可能性も低くなったし、アラブ世界ではオバマ大統領のイメージが「弱くて、ためらいがちで、迷っている」と見なされ、これが将来のイランへの対処を示唆していると述べている。

●「イスラエルの視点からすれば、このような結果は頼もしいものとはいえない。いざとなったらアメリカはイスラエルを助けに来てイランを攻撃し、核兵器を排除してくれるという期待は段々と消滅しつつあり、ネタニヤフ首相が誰も頼れないと考え始めているのは当然だ」とはハーレル氏の意見。

●イギリスの保守系のデイリー・テレグラム紙のコラムニスト、ティム・スタンレーは、土曜日にオバマ氏がシリアへのアプローチを語った演説は「素晴らしかった」としながらも、イギリスのやり方(キャメロン首相が議会の拒否で参戦断念)はオバマ氏の参考になると述べている。

●「つまりわれわれは憲法を守ることの重要性を彼に教えたのです」とは歴史家であるスタンリー氏の弁。

●オバマ大統領の攻撃延期は、世界中の都市、たとえばロンドンで1000人、フランクフルトで700人がプロテストに参加した後に発表されたものだ。

●火曜日にオバマ氏はロシアのサンクトペテルブルグで開催されるG20サミットに向かう。ここで彼は他国の首脳にシリア攻撃の理解を求めることになるが、肝心のホスト国の代表であるプーチン大統領は完全に反対の立場だ。彼はシリアが化学兵器を使ったのは「ナンセンス」であると言っており、アメリカにさらなる具体的な証拠を示せと迫っている。

●もちろん先月の時点でオバマ大統領はスノーデン事件の影響でプーチン大統領と会談するのをやめているが、ロシアの支持がなければ、国連安保理での攻撃の承認が得られないことになる。

●別の安保理のメンバーである中国も、アメリカのシリア攻撃に憂慮しており、国営メディアは「これを行えば地域の安全保障に重大な影響が出るし、国際関係の統治規範を侵害することになる」と先週の木曜日にコメントしている。北京は国連による武器査察官の派遣を支持していた

●中国の社会科学学院の中東専門家であるイン・ガン氏は、オバマ氏が議会にわざわざ承認を得ようとしている姿はその弱さとなってあらわれることになると分析している。「彼は戦いたくないし、その結果がどうなるのか理解できていないのです。彼は非常に恐れているんですよね」。

中国はアメリカにたいして政治的な解決法を忠告しているという。そしてイン氏は、今週のG20サミットにおいてシリア問題への対処の仕方について一つの方向性が見つかるのではないかと見ている。

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以上です。

ここで中国が手を伸ばすということになると、米中蜜月的な形ににもなりますね。そういう意味では中国はけっこう大きなレバレッジを持っていることになります。

安保理の常任理事国(P-5)でシリア攻撃に対する態度は、単純に分類すれば

攻撃賛成:アメリカ、フランス
中立(でも賛成):イギリス
vs
攻撃反対:ロシア、中国

なわけですから、中国の出方によってはロシアを孤立させることもできるわけで。

ただしオランダとかドイツが反発してますから・・・当然ですが、2003年のイラク侵攻の時とは微妙に文脈が違いますね。


by masa_the_man | 2013-09-03 09:59 | 日記 | Comments(0)