戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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日本の「世界観」

今日の横浜北部は曇ったり腫れたりでしたが、それにしても蒸し暑かった。日中に着替えないとやっていけないレベルです。

さて、本日は私の所属する国際地政学研究所(IGIJ)で特別授業を行なってきたわけですが、そこで気になったことを。

それはずばり「世界観」です。

私が提唱している「戦略の階層」という概念をご存知のかたは十分承知だと思いますが、戦略を決める上で一番大切なのは、そのトップに位置する「世界観」であります。

個人レベルの話をすると、私はそれなりに世界観を設定しているつもりなんですが、地政学をやっている自分として極めて重大になってくるのが、「日本の世界観をどう設定するか」という問題。

正直なところを申し上げますが、私はまだここをどうすべきなのか自分でも明確ではないですし、日本の優秀な学者たちが書いたこのような本でも、どのような世界観が良いのかについてはほとんどなにも書かれてません。

その理由なんですが、私の個人的な見解としては、このような「世界観」を設定するためには学者的な分析の才能よりも、むしろ芸術家的・詩人的な才能が必要のように思うからです。

で、今回も講義の終盤で会場から「先生はどのような世界観を日本は持つべきだと思いますか?」と聞かれたわけですが、正直なところ「うーん」と唸ってしまいました。

最終的に出た結論は「八紘一宇」とか「五族協和」というということになるのかもしれませんが、いまさら「八紘一宇」はちょっと厳しいかと(苦笑

自分では古事記とか神道的なところにヒントが隠されているのかなと思っているのですが、なかなか時間がとれずにそこまでの研究が満足にできておりません。

ということで、自分でもいまだに悩んでいる部分があるのですが、よろしければ本ブログをご覧のみなさんにアイディアをいただければありがたいなぁと考えている今日このごろです。


Commented by 赤い彗星 at 2013-08-07 01:24 x
日本人は、背中を見せるとか、心伝心とか、見とり稽古とか、男は黙ってセブンスター(?)とか、言葉で伝えるのではなく、日々の行動や空気で感じとれって言うことを2000年もやってきましたからね。世界観を言葉で表したのって信長の天下布武と殖産興業、富国強兵、八紘一宇、所得倍増くらいじゃないですかね?
Commented at 2013-08-07 01:48 x
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Commented by 素朴なオカルティスト at 2013-08-07 02:33 x
http://www.cyzo.com/2012/01/post_9634.html
「凡庸なロマン主義者」「自民族の精神的古層」「反ユダヤ主義」
的な方に行ってしまうんでしょうか
Commented by KS at 2013-08-07 09:30 x
八紘一宇 大東亜共栄圏といえば昔から、素朴でないオカルティストと関係深いですよ。 内田樹とかその系譜上にいますよ
Commented by とおる at 2013-08-07 11:18 x
> 自分では古事記とか神道的なところにヒントが隠されているのかなと思っているのですが、

多神教・自然崇拝(教義無し)・(祖先崇拝)といったところでしょうか。
ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の一神教と、中華思想は「自分が正しい」とするような自己正当化をし、他は間違い・悪という排他的な部分が残っています。
Commented by jujuju at 2013-08-07 11:23 x
富国強兵とかいうと日本の言論とかは戦前回帰と叩いたりするので、単純に 強い日本 をこれからの世界観にしたいですね。

戦後は経済を重視しすぎて外交とかですぐに妥協してしまってたので、変に妥協しない芯が通った日本にしたいですね。

そうするには戦後切ってしまった情報戦や軍事開発などもやっていかないとダメだと思いますけど。
Commented at 2013-08-07 13:49 x
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Commented by 待兼右大臣 at 2013-08-07 22:15 x
何か呼ばれた気がして・・・

社会科学的には、瀧井一博氏の伊藤博文に関する一連の著作が日本的世界観の欧米的世界観への翻訳という意味で参考になると思います。
その観点で言えば、旧漢字、旧仮名遣いで現代人には難しいかもしれませんが、伊藤博文の『憲法義解』、『皇室典範義解』が「原典」となるでしょう
"amazon"を見ると、瀧井氏の『文明史の中の明治憲法』(講談社選書メチエ)は"The Meiji Constitution: The Japanese Experience of the West and the Shaping of the Modern State"として英訳が出ているようなので、それが参考になるのではないかと思います。
(というか、この分野では、伊藤博文しか参考にすべき人物はいないのではないかと思います)

さらに言えば、明治の元老や戦前の政治家で
前者(欧米的価値観)を代表していたのが伊藤(大隈、加藤高明、浜口)
後者(日本的価値観)を代表していたのが山縣(原、田中義一?)
となるかもしれません。
もちろん、日本の政治なので、前者の政治家が「欧米の代理人(エージェント)」というわけではありません。
(もっとも、加藤高明は、山縣に「英人」と評されたこともあると言われています)
Commented by 待兼右大臣 at 2013-08-07 22:19 x
もう少し視点を広げて、歴史的・社会的な観点から、分かり易さを重視して、大胆に分析すれば
一神教(キリスト、イスラム、ユダヤ教):演繹(トップダウン)的世界観
多神教(神道、仏教、ヒンドゥー教):帰納(ボトムアップ)的世界観
反宗教(共産主義、儒教):理性主義的世界観
(一神教社会の「鬼子」。「兄は鬼子です」(by セイラ・マス))

となるでしょう(「無宗教≒共産主義者、無政府主義者」 という欧米の「思い込み」)。
但し、小室直樹のように、ウェーバーの宗教に関する定義を援用すれば、共産主義も宗教となり、儒教も(超常現象を語らないという点で)「宗教」という観点では共産主義に近いとする論者もいます

さらに言えば
一神教では同じ「神」(世界観)の元での平等(異なる「神」の存在を許容しない)
多神教では同じ「存在」としての平等(「世界観」を不問にする「世界観」)
となります。
(宗教戦争は基本的に前者の間で生起し(一神教では「絶滅」すら許容され得る「他者」が存在し)、後者の間での宗教戦争は、事実上、スリランカ(LTTE)以外では存在しない)
Commented at 2013-08-07 22:20 x
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Commented by 待兼右大臣 at 2013-08-07 22:22 x
このため、一神教には「絶対的な他者」(異教徒)が存在しますが、多神教では存在しません。
現代風に言えば
一神教社会では「connfession(信仰告白)」の社会
多神教社会では「don't ask, don't tell」の社会
ではないかと思います
(我が国にも「野球と政治の話はするな」という箴言もあります)。

その意味で「The End of History」や「Clash of Civilizations」というのはいかにも一神教的な発想です
多神教社会では「輪廻(終わりの否定)」や「文明の並立(棲み分け)」という発想が先に来ます。ただし、『歴史の終わり』では「歴史」という輪廻からの「解脱」という意味も見受けられます。その観点では仏教的な視点を取り入れることも可能でしょう。
(逆に地縁・血縁社会にも属さない「旅人」や「芸人」は賤民扱いされた
 ⇒猿回しの「太郎」さんの告白、又は、「サーカスに売られる」)

従って、インドでは仏教がヒンドゥー教に吸収され(フッダはヒンドゥー教の神の一人)

我が国では、神仏習合という事象が起こりますが、逆に、キリスト教世界では公会議が行われて、「異端認定」され、追放・迫害を受けることとなるでしょう。
Commented by 待兼右大臣 at 2013-08-07 22:23 x
ただ、多神教(アミニズム)的(非欧米?)社会で、欧米基準で先進国となったのは、我が国だけで、その後にインドが続いているという状況です。

ただし、「グローバル化」によって「文明の対話」が不可欠になっている以上、一神教(や反宗教)社会ではなく、多神教的な「共存」の知恵をもっと積極的に評価してもよいのではと思います。

余談:
技術について、我が国では
「技術」という語には「世界観」や「思想」を込めない

その場合には、「道」という語を使う
(例「戦車道」、「珈琲道」、「茶道」、「弓道」等々)
Commented by 大阪人K at 2013-08-07 22:31 x
>むしろ芸術家的・詩人的な才能が必要のように思うからです。

ということで、詩文風に書いてみました。(笑)

「四海に囲まれ
二千年の時を刻み
幾多の困難を乗り越え
力強く蘇る国

それは光り輝く太陽の国

日本皇御国(ひのもとすめらみくに)」

と書くと、我ながら
「こいつ危ないな。」
と思ったりします。(笑)
Commented by 大阪人K at 2013-08-07 22:34 x
世界観を言語化しようとすると、地理と歴史から組み立てることになると思います。(地理的な事実から考える方が簡単ですから)
そして地理を考えると四方八方が海に囲まれた国であること。よって海という要素は外せません。

古来より日本は開国と鎖国を繰り返して来た訳ですが、そこには必ず海があり、この海とどう関わるかが日本の歴史でもあります。(鎖国も海があればこそ容易に出来る政策でありますから、やはり海を外すことができない。)

そして日本の世界観を表すにおいて、難しくしているのが歴史でしょうか。
世界観を言語化するには、日本の歴史をコンパクトに纏めて世界観を表すスローガンに盛り込まなくてはいけません。でも、二千年の神話と歴史は膨大でコンパクトに纏めても膨大な量になり、スローガンにするには間延びしてしまうのが辛いところでしょうか。

そして、これは私個人の私見でしかないのですが、日本人は非常に宗教的に過ぎて、自分が宗教的人間あることに自覚していない節があるように思えてなりません。
この自覚の無さも、日本人が世界観を言語化するときの障壁になっていたりするのかもしれません。
Commented by 待兼右大臣 at 2013-08-08 00:25 x
>>> 自分では古事記とか神道的なところ

それなら、河合隼雄「中空構造日本の深層」(中公文庫)が参考になるのでは
Commented by 待兼右大臣 at 2013-08-08 21:15 x
例えば、エジプトの「クーデター」を例にとれば、移行期において、中間形態を取れない1ビット式(「1」か「0」か)の「西洋流民主化」(【世界観】) というものの限界が見えてきます。

そのような状況で、天皇と言う「中空的な権威」を利用して、各種政治勢力の共存、統合を図るという我が国の歴史的知恵が活かされるはずであり、そのような我が国の 【世界観】 を有効活用した 【戦前の】 歴史的経験をどんどん世界に‪発信すればよいと思います。

エジプトでは【(一定の)民意を反映した】「クーデター」という摩訶不思議な状況になっていますが、戦前の日本では、平和的、合法的に現役軍人を首相にさせるという方策で乗り切り、政党(民主化勢力側)に政権担当能力を身につけるまでの時間的猶予を与えました。その意味では、緊急避難的に、政党内閣を放棄したイタリアのモンティ内閣が参考になるでしょう。
Commented by 待兼右大臣 at 2013-08-08 21:16 x
わが国においても自由民権運動の成果として、第一次大隈内閣(隈板内閣)という「政党内閣(民主政権)」が樹立されましたが、あまりの未熟さに半年程度で崩壊します。

その後を襲ったのは山縣であり、その内閣は首相以下10人の閣僚中、5人が軍人、そのうち4人が現役という「軍事政権」でしたが、約2年間の任期中、閣僚の入れ替えが無かったという安定政権でした。

その後の内閣は、第四次伊藤内閣ですが、この内閣は、政友会を与党とした「政党内閣」でした。しかし、政友会が結党間もないことから、内部分裂を来たし、1年もたずに総辞職します。

そのあとを継いだ第一次桂内閣は、首相の桂自身が現役軍人であり、軍部大臣以外にも児玉源太郎が現役軍人でありながら内務大臣などで入閣するなど「軍事色」が強い内閣ですが、4年以上と言う近代日本内閣制度における最長不倒内閣であり、この記録は、衆議院総選挙後に総辞職を強いる現行憲法が存続する限り更新が不可能です。

政友会は、この桂内閣との交渉を通じて政権担当能力を身につけ、西園寺、山本権兵衛と統治実績を積んだ上で、3年以上の長期政権となった原内閣にたどり着きます。
Commented by 待兼右大臣 at 2013-08-08 21:20 x
例えば

1 2個師団増設に反対した内閣に抗議して、陸相が単独辞任
2 後任を推薦しないことにより内閣総辞職
3 後継首相も後備役の陸軍大将
4 民衆運動で2ヶ月程度の短命政権
5 その後継首相は現役海軍大将
6 首相の要請を受けた衆議院第一党が閣僚の過半数を占めた

という経過をたどった「大正政変」の概略が、エジプトと異なり、軍事クーデターに衆議院第一党が屈したのではなく、「民主化」に向けた大きな一歩(大正政変の別名は「第一次【護憲】運動」という民主化運動)

ということは、西洋人には理解不可能ではないでしょうか。(奥山さんが英語で外国人にこの内容を説明した際の反応が見ものです)

このような、「現役軍人首相」という特異例が存在するため、政軍関係理論を我が国の戦前に適用するには無理があるという難問に直面しているのも、西欧流の民主化が 【唯一絶対】 であるという前提によって組み立てられた政軍関係理論なのだからでしょう(特にファイナーの理論の場合)。
Commented by 待兼右大臣 at 2013-08-08 23:48 x
簡単にいくのであれば

努力、友情、勝利(とその後の、ライバルの仲間化)

という、どこかの漫画誌のキャッチフレーズでいいと思います。
(多くの日本人の琴線(世界観)に触れるものがあるから、ウケるのでしょうし)
Commented by ヒマンジ at 2013-08-10 06:24 x
「日本人の世界観」とは興味深いテーマですね。

「哲学」は欧米人だけの思考法である。と語る木田元さん。
多神教のギリシャから一神教への変化を綴り、そのきっかけがユダヤだったとほんの少しだけ触れてます。逆説的に日本人の世界観が浮かぶ良書です。


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Commented at 2014-01-15 13:17 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by masa_the_man | 2013-08-07 00:05 | 日記 | Comments(21)