戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28

世界の人々はアメリカと中国についてどう思っている?

今日の横浜北部は曇りの一日でしたが、かなり蒸し暑い感じでした。梅雨が戻ってきたような雰囲気です。

さて、先週発表されて話題になっていたピュー研究所の世界意識調査なのですが、なぜか日本ではあまり注目されなかったようなので、代わりにウォール・ストリート・ジャーナル紙の記事の要約です。

===

アメリカは「世界のリーダー」の地位を中国に譲りつつあると見られている?

●最近発表された意識調査の結果による、アメリカと中国の国民たちは互いを疑いの目で見るようになっており、世界の人々は、アメリカが「世界の経済と政治のリーダー」の地位を中国に明け渡しつつあると感じているらしい

●ワシントンに本部のあるピュー研究所が先週の木曜日に発表した世界39ヶ国の意識調査によれば、調査の行われた23ヶ国の国々の多数の人々は、中国がアメリカを抜いて世界トップの超大国になった、もしくは最終的になると答えている

●中国人は、自分たちが最終的に支配的になることを疑ってはいないが、アメリカ人はこの質問にたいしては意見がわかれているという。

●ピュー研究所の調査が裏付けているのは、やはり最近の中国経済の拡大であり、2008年のアメリカの経済不況が、中国にたいする意識を変えたということだ。

●この調査の結論部分では、「中国の経済力は台頭しつつあり、多くの人々が最終的にアメリカの超大国としての地位にとってかわると考えている」と述べられている。

●この調査結果が示しているのは、47%のアメリカ人が、今後もアメリカの中国にたいする優位が続くと答えていることであり、これは2008年の54%から下がっている

●その反対に、中国のおよそ75%の人々が「中国はアメリカを最終的に追い抜くことになり、56%の人々が中国はもっと尊敬されるべきだと感じている」と答えているという。

●また、このデータは米中間の疑念の高まりを示している。アメリカのたった37%の人々しか中国のことを好意的に見ておらず、同じく中国でも40%がアメリカに対して好意的だった。両国では同じ調査を行った2008年の時点から、好意的な答えの率が下がっている。

●中国人で「中国とアメリカとの関係が協調的である」と答えた人々の割合は30%以下であり、これは以前の68%から劇的な低下だ。これは中国内でのオバマ大統領に対する意見の低下ともほぼ一致している。

●23%の中国人は米中関係が「敵対的」であると答えている。この調査によれば、中国は非イスラム系の国としては、半分以上の人々が(54%)アメリカのことを好意的に思っていないと答えている、唯一の国である。

●しかし中国自身も自分たちの評判についてなんとかすべきであろう。アメリカは世界中の63%の人々が好意的な意見を持っており、中国よりもはるかに高い割合で「パートナーだ」と思われているのにたいして、中国は調査が行われた半分の国々で、パートナーとしての認識がようやく50%を越えている程度だ。

●中国が好意的なイメージを持たれているのは科学とテクノロジーである。そしてアメリカが最も強いとされる、いわゆる「ソフト・パワー」でも躍進している。これについてピュー研究所は「中国のソフト・パワーで一番強いのは科学とテクノロジーである」と結論づけている。

●そしてそのインパクトはアフリカとラテンアメリカで一番強く感じられているという結果が出ている。アフリカの59%の人々は、中国のビジネスのやり方を歓迎しているというのだ。

●ところがそのような偉業も、中国を人気者にしているわけではない。たとえば中国の軍事や人権政策に関することは広範囲で嫌われているし、文化面での輸出もあまり好まれていない。それでもあからさまな反中意識は世界中で限定的であるという。

中国が一番嫌われているのは日本だ。好意的に見ているのはたった5%であり、中国が支配的な超大国になるのを最も警戒している。

●日本の場合は中国との領土問題があるためであるのでわかりやすいケースと言えるが、中国にたいする輸出が増えているドイツでも、なぜか反中的な意見が増加している。

●逆に北京にたいしてもっとも支持の強い国々は、マレーシア、パキスタン、ケニヤ、セネガル、ナイジェリア、そしてベネズエラ、ブラジル、チリなどだ。アジア、アフリカ、南米の一部では中国はパートナーとして考えられている(もちろんほとんどの国は中国にとって中立的な立場だが)。

●中国は段々とアメリカと同じようなとらえかたをされてきている。たとえば両国とも、実行している政策が他国に良い影響を与えているとは思われていないのだ。

●ところが若くて教育水準の高い人々はこの両国にたいしてポジティブな見方をするようになってきている。「中国が将来得ることになる最大の資産は、世界の若者にたいするアピールであろう」と調査は分析している。

アメリカの同盟国の市民の多くは、「中国はすでに世界の経済主導国である」と考えており、この国にはイギリスとドイツが含まれる

●その反対に、中国の側にある国々である日本や韓国では、いまだにアメリカがトップであると答えている。そしてこのような国々では、中国の軍事面での野望にたいして疑念が広がりつつあることが判明している。

●「世界における中国のイメージにおける難問の一つ」は、調査を行ったたった11ヶ国だけしか「北京政府が自国民の自由を尊重している」と感じていないということだ。

===

もちろんアメリカの産経新聞といわれるウォール・ストリート・ジャーナル紙の記事なので「アメリカ万歳バイアス」がかかっていることを加味して読まないとまずいですが、たとえばアフリカで中国が人気があるということは日本でもあまり知られていない点を紹介しているのが興味深いですね。

アフリカと中国との関係についていえば、今週発売予定のこの本も見逃せません(笑
b0015356_15335178.jpg


さらに本日発売のルトワック本では、このドイツやイタリアなどでの反中的な意見の台頭についても分析がなされております。

ということで、今週発売するこの二冊をよろしくお願いします。


「中国の地政学と大戦略の失敗」CD



Commented at 2013-07-27 01:07 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2013-07-27 15:43 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by masa_the_man at 2013-08-06 17:47
waterlooさんへ

>左派ナショナリズム

彼らの歴史的な特殊事情というか。コメントありがとうございました
Commented by AkiraNagasawa at 2014-01-01 15:28 x
どう思ってるか?は何とも言えないが、僕の考えは、信頼関係&友好関係を作り、厚い米中関係を結ぶ事です。
アメリカ&中国が仲良くする事です。
Commented by AkiraNagasawa at 2014-04-09 03:31 x
アメリカ&中国が、世界共同代表国になる事です。
by masa_the_man | 2013-07-22 20:41 | 日記 | Comments(5)