2013年 07月 19日
クラウゼヴィッツ学会でランドパワー理論 |
今日の横浜北部は久しぶりの文句なしの快晴だったのですが、意外に気温が低くて過ごしやすかったですねぇ。
先ほど久しぶりに国際地政学研究所のワークショップに参加してきたのですが、アメリカの大戦略に関する議論が出てて、けっこう参考になりました。
さて、来週の水曜日の夜なのですが、クラウゼヴィッツ学会で冷戦後のランドパワーの理論について発表をしますので、その予告というか、参考文献紹介を。
ランドパワーといえば、戦略理論としてはおそらく最も古い戦略理論でありまして、マハンやコーベットがシーパワーの理論を書くまでは事実上は「唯一」の戦略理論でありました。
この分野について古典といわれるのは孫子とクラウゼヴィッツですが、主に冷戦後のものに特化すると、参考になるのは以下の四つがあると思われます。
1,アンドリュー・クレピネヴィッチが、自身の働くシンクタンク(CSBA)の文書として発表したTransforming Legionsという題名のモノグラフ。その抄訳版はこちら。
2,『第三の波』で有名なトフラー夫妻が、戦争の形態の移り変わりにフォーカスして書き、エアランドバトルの形成の経過を記して、のちに「軍事における革命」(RMA)の議論にもつながることになった、『アルビン・トフラーの戦争と平和―21世紀、日本への警鐘』。ただしこの本は抄訳版のようになっていて、肝心のところがけっこう抜け落ちてる。
3,元米陸軍大佐のダグラス・マグレガーの書いた「Breaking the Phalanx: A New Design for Landpower in the 21st Century」という本。部隊の分散化とネットワーク化を主張。
4,こちらも元米陸軍の高官で陸軍大学の校長であるロバート・スケールズの『Yellow Smoke: The Future of Land Warfare for America's Military 』という本。これは情報ネットワーク化などのテクノロジーの進展について理解はするものの、対テロ戦にはいまだに現場の兵士が立つ必要があるという、やや保守的な立場に立つ。
この他には米軍の公式文書の数々があるのですが、ここではとりあえず割愛しております。
来週はこれらの著書などで提唱されている理論を中心に、クラウゼヴィッツの理論との関連性などについてお話させていただくつもりです。
ということで、以下の告知しておきます。
===
2013年7月度研究会のご案内
日時:7月24日(水)18:30~20:30
場所:日本学士会館310号室
最寄駅:地下鉄神保町駅下車3分
(東京メトロ半蔵門線、都営三田線・新宿線)
千代田区神田錦町3-2-28 TEL:03‐3292‐5936
3)奥山真司氏 (戦略学博士・当会理事)
4)テーマ:「冷戦後のランドパワーとクラウゼヴィッツ」
5)参加費: 会員 1,500円、非会員 2,000円
先ほど久しぶりに国際地政学研究所のワークショップに参加してきたのですが、アメリカの大戦略に関する議論が出てて、けっこう参考になりました。
さて、来週の水曜日の夜なのですが、クラウゼヴィッツ学会で冷戦後のランドパワーの理論について発表をしますので、その予告というか、参考文献紹介を。
ランドパワーといえば、戦略理論としてはおそらく最も古い戦略理論でありまして、マハンやコーベットがシーパワーの理論を書くまでは事実上は「唯一」の戦略理論でありました。
この分野について古典といわれるのは孫子とクラウゼヴィッツですが、主に冷戦後のものに特化すると、参考になるのは以下の四つがあると思われます。
1,アンドリュー・クレピネヴィッチが、自身の働くシンクタンク(CSBA)の文書として発表したTransforming Legionsという題名のモノグラフ。その抄訳版はこちら。
2,『第三の波』で有名なトフラー夫妻が、戦争の形態の移り変わりにフォーカスして書き、エアランドバトルの形成の経過を記して、のちに「軍事における革命」(RMA)の議論にもつながることになった、『アルビン・トフラーの戦争と平和―21世紀、日本への警鐘』。ただしこの本は抄訳版のようになっていて、肝心のところがけっこう抜け落ちてる。
3,元米陸軍大佐のダグラス・マグレガーの書いた「Breaking the Phalanx: A New Design for Landpower in the 21st Century」という本。部隊の分散化とネットワーク化を主張。
4,こちらも元米陸軍の高官で陸軍大学の校長であるロバート・スケールズの『Yellow Smoke: The Future of Land Warfare for America's Military 』という本。これは情報ネットワーク化などのテクノロジーの進展について理解はするものの、対テロ戦にはいまだに現場の兵士が立つ必要があるという、やや保守的な立場に立つ。
この他には米軍の公式文書の数々があるのですが、ここではとりあえず割愛しております。
来週はこれらの著書などで提唱されている理論を中心に、クラウゼヴィッツの理論との関連性などについてお話させていただくつもりです。
ということで、以下の告知しておきます。
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2013年7月度研究会のご案内
日時:7月24日(水)18:30~20:30
場所:日本学士会館310号室

最寄駅:地下鉄神保町駅下車3分
(東京メトロ半蔵門線、都営三田線・新宿線)
千代田区神田錦町3-2-28 TEL:03‐3292‐5936
3)奥山真司氏 (戦略学博士・当会理事)
4)テーマ:「冷戦後のランドパワーとクラウゼヴィッツ」
5)参加費: 会員 1,500円、非会員 2,000円

by masa_the_man
| 2013-07-19 22:49