戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28

米中が全面戦争を準備中?

今日の横浜北部は昨日のように曇りですが非常に蒸し暑い一日。参院選もたけなわで、人混みの多いところにいくと選挙カーがけっこうおりました。

さて、エアシーバトルといえばアメリカの対中(対イラン)作戦計画だと言われておりますが、それに関する論説記事がありましたのでその要約を。

====

アメリカと中国はカメラに向かって微笑みながら戦争の準備中
byダグ・サウンダーズ

●米中の関係がこれほど友好的であるのは珍しい。

●先週の水曜日のことだが、この二つの超大国は気候変動に対処するために温暖化ガスの排出を制限する取り決めに合意している。

●先月の首脳会談では北朝鮮にたいするアプローチについてとうとう合意がなされた。中国は人民元の上昇を容認し、グローバル経済における黒字の不均衡の危険を減少させることにしたのだ。

●そして最近のアメリカのネット監視に関する暴露事件により、米中は対等な立場になったのだ。これによって米中は平和的に共存できる時期に入ったといえる。

●ではなぜこの二国の軍隊は互いに戦争への準備に突き進んでいるのだろうか?

●米国防総省(ペンタゴン)と人民解放軍は、双方とも全面戦争の準備を行なっており、戦争が起こるという前提で非常に高価なマスター戦略を追求している

●たとえばアメリカの方は、このような準備がホワイトハウスや議会の承認なしで行われているように見える。

●ペンタゴンは「エアシーバトル・コンセプト」として知られる詳細な計画を、グローバル戦略の基礎に置いており、南シナ海はその周辺で米陸軍と空軍が32万の兵力のプレゼンスを維持しながら、中国が脅威を及ぼしてきた時に全面戦争で守ることができるように備えている。

●イエール大学がこの夏に出した調査報告の中で、社会学者で軍事政策の専門家であるアミタイ・エツィオーニ(Amitai Etzioni )教授が質問しているのは「誰が中国との戦争準備を許可したのか?」という問題だ。

●彼の答えはあからさまなものだ。オバマ大統領は「アジアへの重心移動」を言っているが、これには中国とのこのような活発な軍事衝突への政治的意図や欲望は存在していないからだ。実際のところ、政治・外交面ではこれと全く正反対の方向に動きつつあるからだ。

●「アメリカは中国との戦争を準備中だ。これは非常に重要なことなのだが、ホワイトハウスや議会のような代議士たちから細かく検討されたような形跡はない」とはエツィオーニ教授の弁。

●たしかに公共の場でもこれについては何も論じられていないし、シンクタンクや知識人もこれについては何も語っていない。これは現在行われているイランの核開発計画についての軍事オプションや、二〇〇九年のアフガニスタンにおける「サージ」についての議論の様子とは大ちがいであるという。

●ところがエアシーバトル計画はそれよりもさらに高価であり、なおかつ危険な可能性があるのだ。

●「この計画から想定されている結果というのは、中国との紛争を第二次大戦と同じような形で終わらせるということだ。米軍が中国を打倒し、降伏させるというものだからだ」これは核レベルの紛争が注意深く避けられていた冷戦時代のアプローチからの劇的な転換である。

●この計画は多くの軍人たちも震え上がらせるものだ。アメリカの統合参謀本部副議長であったジェームス・カートワイト(James Cartwright,)氏は、昨年「エアシーバトルは中国を悪魔化している」と警告しており、「それは誰の利益にもならないことだ」と述べている。

●海兵隊の分析でもこのコンセプトは「平時から準備するには法外な値段がかかる」としており、もし実際に実行されることになれば「人的・経済的破壊は計り知れない」ものであり、その大きな理由は核戦争へのエスカレーションの確率を跳ね上げることになるからだという。

●そして中国側も同じような反応をしている。「もし米軍がエアシーバトルを人民解放軍と対決するために準備しているのであれば、われわれはエアシーバトルに対向する計画を開発せざるをえなくなる」とファン・グワユエ(Gauyue Fan)大佐は答えている。

●そして実際にこれが行われている。習近平氏が去年政権についてからすぐさま行ったのは前政権の「平和的台頭」であり、中央軍事委員会の指揮権を握り、人民解放軍にたいして「本当の戦闘」と「戦争の戦いと勝利」を目指すように指示しているのだ。

●ウォールストリートジャーナル紙のジェレミー・ペイジ(Jeremy Page)が最近報じたように、習近平は、米軍との直接対決を準備するような戦略を提唱するタカ派の将軍や軍事アドバイザーたちと懇意になったという。

●とくに仲良くなったのはリュウ・ミンフ(Liu Mingfu)大佐であり、彼こそが米中軍事対決を説いて発禁になった本を書いたが、それが解禁になって現在は本屋に大量に売られているという。

●また同じく売れている本としてはダイ・シュウ(Dai Xu)大佐のものがあるが、ロイター通信によれば、彼は去年に、中国の周辺国は「アジアにおけるアメリカの飼い犬である」と書いており、「われわれがその一匹を殺せばすぐに他は従うようになる」と記しているという。

●したがって、現在のわれわれは、二つの超大国が平和でありながら、両国の軍が全面戦争を準備している奇妙な状態に直面しているのだ。これは非常に危険な状態であり、われわれはちょうど百年前に第一次大戦が勃発した時の状況に似ていること思い起こすべきなのかもしれない。

====

米ソの「冷戦」ではなく、今回は「冷ややかな戦争」(cool war)だという言い方をされておりますね。

たしかにエアシーバトルというのは過激な構想ですが、アメリカというのはこのような極端なアイディアをまず出して、それから修正していくというのが得意なパターンですから・・・・。

ちなみにあと10日ほどで発売予定のルトワック本では、なぜこのような議論が起こるのかについてアメリカ側の事情を分析しております。ぜひご期待下さい。

とにかく大事なのは、このような紛争に巻き込まれないことですな。


Commented by テニスプレーヤ at 2013-08-18 23:00 x
 まあ、英国は第二次世界大戦でもっとも国益を損傷した戦勝国ですものね。今の外交思想上の問題点である日本に戦争責任があるという中国のロジックと軍事費を増大させているロジックの矛盾にマスコミの言及が皆無に近い。惨劇的な国益論争の中で安倍政権があることも事実。そういった中、やっぱり反日感情の思想的中核をなしたのが北朝鮮だと思えてきた。日本から目をそらすため核開発はアメリカ攻撃のためだと言っているが、完全に日本ぐらいに打ち込むことしか出来ない国力である。しかも、拉致被害者を還せない。ご遺族の方には申し訳ないが死んでいるのはほぼ間違いない。だとするとアジアを不安定にさせている北朝鮮に派兵することが可能な憲法改正もひとつの目標として考えてもいいのでは?
Commented by masa_the_man at 2013-08-19 23:23
テニスプレーヤ さんへ

>アジアを不安定にさせている北朝鮮に派兵することが可能な憲法改正もひとつの目標として考えてもいいのでは?

政府の中にはそれを念頭に置いている人はいるかもしれませんが・・・コメントありがとうございました
by masa_the_man | 2013-07-14 18:49 | 日記 | Comments(2)