戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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カフェの話

今日の横浜北部は日中晴れていたのですが、夕立が。それにしても蒸しますねぇ

さて、数日前のソーシャルメディアとカフェについてのエントリーについて少し。

ちょっと個人的になりますが、私はカフェが大好きです。それもイギリスのそれではなくて、むしろ大陸のやつですな。

過去のエントリーを見ていただければおわかりの通り、私は留学中に何度かヨーロッパに足を伸ばしておりまして、主にドイツ、オーストリア、それにフランスに行っておりました。

贅沢な!とおもわれる方もいらっしゃるかもしれませんが、なんといっても安いし近いからで、今の感覚でいうと、東京から名古屋に遊びに行く感覚でロンドンからパリに行けてしまうわけです。それだったら行くしかない、つまり「いまでしょ!」なわけです。

先のエントリーではイギリスのコーヒーハウスの話題でしたが、私はどうもイギリス内でろくなコーヒーハウスというものに遭遇した試しがなく(スタバなどの攻勢でコーヒーハウス文化が死んでいる?)、むしろ旅行で大陸に行ったときにそっちの独立系の老舗カフェに行くことを楽しみにしておりました。

余談ですが、私のイギリス人の友人は、スタバをボイコットしておりました。理由は日本のアマゾンと同じで、スタバがイギリス国内に法人税を払っていなかったから。そのような批判もあったせいで、どうやら最近払うことにしたみたいですが・・・。

さて、大陸のカフェに行ったことがある人はおわかりだと思いますが、基本的にそっちのカフェはサービス悪いです。というか、メニューを持ってきたりするのが遅いわけで、逆にいえば従業員の人権が守られているというか、「無理をさせない」という思想をうかがわせます。

でもそのスローペースも、なれるといいもんですよね。

さて、前のエントリーに「コーヒーハウスはソーシャルな場所である」という記述がありましたが、私もわずかながらそういう体験をしたことがあります。

これは私がパリの繁華街にある某有名カフェに行った時の話です。

私がカフェに行くというのは、決まって読書や新聞などの情報のインプットなのですが、以前から旅行先の土地に関係のある文献を持っていくということをやっておりまして、たとえばアイルランドのダブリンに行ったときは、アイルランド内戦に関する本を持って行って読んだりしておりました。

読んでいる中身に関係する現地に行くと、なんというか、知識ががっちりと自分の身につく感覚があるからですね。

そこで、はじめてパリに行ったときに何を持って行こうか迷っていたのですが、フランス人の書いた国際関係のもの(しかも戦略系)を読んでやれ、ということで、レイモン・アロンの分厚い本を持ってカフェに持って行って読んだことがあります。

ちなみアロンは日本では社会学者という感じのイメージでとらえられておりますが、戦略学や国際関係論でも重要な本をいくつか書いておりまして、もちろん視点は「リアリズム」。さらにはクラウゼヴィッツや地政学にも関心を持っているという意味で私とは非常に相性のよい人です。

そのアロンの本を持って向かったカフェは、名だたる哲学者や芸術家たちがたむろしていたことで有名なところらしいのですが、私はそれを後から知ったくらいで、何も知らずにただひたすら読んでおりました。
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ここは日本でいうと表参道のようなところらしいのですが、常連客が店にかなりいるようで、バトラーたちとは顔見知りっぽい連中が多かったですし、中にはジローラモのようなオッサンが若い浮気相手の女との待ち合わせに使っている光景が私の目の前で展開されておりました(笑)

それでも気にせずに線を引きながら読んでいると、突然英語で「お前、アロンの本読んでるのか!」とフランスの初老の人から話しかけられまして、その理由などを色々と聞かれました。

イギリスで戦略を勉強していること、クラウゼヴィッツに関心があること、いま旅行で来ていることなどを話すと、その品のいい感じのおじさんは、

おれはアロンが嫌いだ。だが奴の頭の良さは認める、というか尊敬している

という趣旨のことを、あまりスムーズではない英語で私に色々と説明してくれたのです。

もちろんこれは「議論」というほどのものではなかったのですが、こういう学問的なことをカフェで知らない人から話かけらえるとは思ってもみなかったで、驚いたと同時に妙に関心した記憶があります。

こんな私の体験がこの前のエントリーにあるような「ソーシャル」な場の体験に当たるのかどうかはかなり微妙ですが(苦笑)それでもあのように(あからさまな団体の観光客以外には)気軽に話しかけて議論ができるような雰囲気があるというのはいいもんだなぁ、とおぼろげに感じた次第です。

なんというか、日本の「喫茶店」とはちがって、やはりオープンというかなんというか。ニュートンやアダム・スミスがそこで議論して本を書くことができたのがなんとなくわかった気になりました。

そういう意味で、独断と偏見ですが、「カフェ」は知的作業には人類に絶対に必要な場所なのです。

私の夢は、毎日こういうカフェにパソコン持ち込んで次の本を書くことです。


Commented by 待兼右大臣 at 2013-07-08 23:54 x
>>東京から名古屋に遊びに行く感覚で
>>ロンドンからパリに行けてしまうわけです。

私が欧州を漫遊していたころ(1989年暮れ~1990年始め)は
ロンドン-パリの最短が6時間くらいですので、
貧乏旅行では夜行の距離です。
今では、ユーロスターで2時間半の距離ですから、
充分日帰り圏内です。

我が国なら、その手の話題は「オープンカフェ」ではなく「茶室(クローズドカフェ)」でやるものなのでしょうが、欧州と我が国では、そういう話ができる「場」の設定が異なるのでしょう(物理的に「オープン」であっても、足を踏み入れるには「クローズ」といったように)

とはいっても、我が国にも、物理的にオープンでも、実際にはクローズというもの(俗に言う「敷居が高い」)ということもありますが・・・
Commented at 2013-07-09 00:01 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ドイツ暮らし at 2013-07-09 02:10 x
カフェの雰囲気いいですよね。読書もはかどりますが、見知らぬ人と知的な交流があったりするのも嬉しいものです。

ところでカフェはもっぱらパリとウィーンですか?
ドイツだとそんな交流がありそうなカフェはベルリンぐらいしか思いつきません。。。


Commented by prof at 2013-07-09 11:59 x
かつて池袋に、今や伝説となった有名喫茶店「純喫茶 蔵王」がありました。24時間営業で、池袋や高田馬場で飲んだ後や、一人で文献を読み込むときなどは、よく利用しました。

店内は結構広く、映画が常時放映されており、店員(女性多数)がビジュアル的になかなか良いというのも評判でした。

すごいのは、なぜかトーストが食べ放題ということです。コーヒーの注文を終えると、頼みもしないのにいきなりテーブルにトーストが運ばれてきます。女性たちは「トーストいかがですか~」と歩き回り、「もう結構です」というと皿が回収され、これで終わりかと思いきや、今度はゆで卵が出てきます!もちろんこれらはタダ。

悲しいことに、2000年代中ごろに閉店したようで、非常に残念。
Commented by masa_the_man at 2013-07-09 23:48
待兼さんへ

>ロンドン-パリの最短が6時間くらい

ううっ、時代の差が・・・

>今では、ユーロスターで2時間半の距離

そうなんです。しかもけっこう安かったわけです。

>欧州と我が国では、そういう話ができる「場」の設定が異なるのでしょう(物理的に「オープン」であっても、足を踏み入れるには「クローズ」といったように)

実際日本には同じようなところってあるんでしょうか?ある意味で2chがそのような役割を果たしている、というのなら前のエントリーのまんまですな。

>物理的にオープンでも、実際にはクローズというもの(俗に言う「敷居が高い」)

そういう面での文化は高いんですよね、日本は・・・コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2013-07-09 23:50
waterloo さんへ

>階層によって行く店が違うんでしょうか。

パブは露骨にそんな感じですねぇ。カフェは行ったことないのでなんとも・・・・

>学術的な話をする人達の集う喫茶店は聞いたこと無い

そうなんですよね。京都にはありそうな雰囲気なんですが・・・どなたかご存知であればぜひ。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2013-07-09 23:51
ドイツ暮らし さんへ

>カフェはもっぱらパリとウィーンですか?

その通りです。

>ドイツだとそんな交流がありそうなカフェはベルリンぐらいしか思いつきません。。。

私はミュンヘンに何度か行きましたが、たしかにそういうカフェはなかったような。あそこはビアホールなんでしょうか。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2013-07-09 23:54
prof さんへ

>かつて池袋に、今や伝説となった有名喫茶店「純喫茶 蔵王」

おおっ、そういうものが日本に!

>24時間営業で、池袋や高田馬場で飲んだ後や、一人で文献を読み込むときなどは、よく利用しました。

あこがれますねぇ

>店内は結構広く、映画が常時放映されており、店員(女性多数)がビジュアル的になかなか良いというのも評判でした。

今だと「椿屋」がそれに近い??でもあれもチェーンですからねぇ

>トーストが食べ放題

名古屋を越えてますな(苦笑

>2000年代中ごろに閉店したようで、非常に残念。

もしかしらこのような伝説の喫茶店はまだある??少し調べてみたくなりました。行けたらいきたいです。コメントありがとうございました
by masa_the_man | 2013-07-08 23:15 | 日記 | Comments(8)