戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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コリン・グレイの格言

今日の横浜北部は雲が多かったのですが、夕方からすっかり晴れましたね。一年中これくらいの感じだと過ごしやすいんですが。

国際地政学研究所の小冊子ですが、おかげさまで完売しました。ありがとうございました。

さて、自分の翻訳なんですが、先生の本を読み返していたらけっこう面白い記述がありましたので、今日はメモ代わりにここに。

現在の戦略的状況を見る際の刺激的なヒントが満載です。

===

―政治家や兵士は、本書で示す「格言そのもの」よりも、それを「どう使うか」ということに一番関心を持たなければならない。

―戦略は戦時・平時の両方に必要なものである。戦争は平時の状況から生まれるのであり、平和も戦争のあとに訪れるのだ。

戦争における目標は「より良い平和を獲得すること」であり、ただ単に「勝つこと」ではない。

―ヘリというアメリカのエアパワーは、一九六〇年代のベトナム戦争における戦術レベルでは、たしかに素晴らしい働きをしている。ところがアメリカの東南アジアにおける戦争の間違いは、このヘリコプターの素晴らしさでも修正することはできなかったのだ。

―戦争における「勝利」、もしくは「優位に立つ」というのは、実は戦後の秩序を形成するための「きっかけ」でしかないのだ。

―ドイツ軍は、戦闘行為の面だけに注目すれば、20世紀においてもトップクラスのパフォーマンスを誇っていた。ところが、彼らは二つの世界大戦で負けているのだ。

―戦争を実行するのは、国家やその他の政治組織なのだが、戦争の行為というのは、実際のところはそれが属している社会や共同体によって行われる。

テクノロジーの重要度は、戦争ごとや時代ごとによって上下する。たとえばクラウゼヴィッツは『戦争論』の中でテクノロジーの要素を無視しているが、それは彼の時代にはそれほど劇的な変化が起こっていなかったからだ。

―戦術や作戦レベルの間違いは、方法論のレベルで発生したものなので、あとで修正が効く可能性があるが、政治レベルや戦略レベルの間違いは、目的そのもののレベルで発生したものなので、結果としては取り返しのつかないことにつながる

―戦略の成功というのは、つねに「政策のセンス」や「軍隊の力」、そしてその二つの間の「対話」によって左右されるものだ。したがって、良い戦略というのはこ「対話」の中から生まれなければならない。

―戦争はつねに複雑な行為であり、CNNで断片的に見られるような戦闘場面というのは、実はわれわれに本当の理解を与えてくれるすべての題材という大きな氷山の一角でしかない。

―政治のコンテクストは、実質的にすべての紛争の原因である。

―重要なのは、テクノロジーそのものではなく、むしろそのテクノロジーの使い方なのであり、これはまさに普遍的な真理であると言ってよい。

テクノロジーは「地理」のコンテクストの重要性を完全に消滅させることはできなかったし、これからもそれは無理であろう。

―どのような形であれ、「平和」というものが形成されるということは、その後に「戦争」という時代が来るということだ。

―楽観的な理想主義者たちは、平和は戦争ではなく、さらなる平和へとつながっていると考えたがるものだ。この見方に従えば、戦争は「将来の戦争を起す平和」につながるのではなく、「最後の怪物を倒す一世一代の歴史的な大チャンス」ということになる。私もたしかにこれは高尚な見方だと思う。しかしわれわれが唯一手に取って検証することができる「歴史」というものから見てみると、このような見方はまったく矛盾していることがわかる。

―戦争には勝ったが、その後の平和で負けるということはありえるのだ。

―戦争に勝つのがいくら上手くても、それは平和づくりの上手さを保証するものではない。この二つのスキルはまったく異なるものだ。

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自分で訳していても、細かいところはけっこう忘れているもんですね。


by masa_the_man | 2013-07-01 23:06 | 日記 | Comments(0)