戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28

陰謀論にたいするスタンス

今日の横浜北部は曇りがちでした。午後は少し降ったのですが、なんとなく梅雨の始まりを予感させてくれるような。

さて、ひとつだけ簡単に記しておきます。

国際政治・経済関連の文献の一般書をある程度読み込んだ経験を持つ方たちだったらよくわかると思うのですが、いわゆる「陰謀論系」と呼ばれるジャンルがありまして、これにけっこうハマる人がおります。

かく言う私も十年以上前にその手の本をけっこう読んだ記憶があるわけですが、最近感じるのはこの手のジャンルの理論にたいするスタンスの取り方のむずかしさ。

というのは、陰謀系というのは、それがどのようなもの(ユダヤ系、金融系、アメリカ系など)であれ、基本的には一つのパワフルな全能的な存在が世界のすべてをコントロールしているという、単純でわかりやすいストーリーから世界の複雑な動きを分析してくれます。

これは一つの理論と言えますし、これはこれで面白いのですが、問題はそれが本当に「真実」を教えてくれるのかということ。

私が陰謀論の最大の問題点だと思うのは、それがあまりにもすぐれた合理的かつ全能的なアクターを想定しすぎていることで、ひとつの大きな事件やイベントがあったときに、そこにかなりの数の(アホな)人間が関わっているという現実を考慮に入れていないということでしょうか。

ただし私は「陰謀を考えていて、それを実行しようとしている人間はいる」という立場はそれなりに尊重しておりまして、そういう意味では完全に「陰謀論」、もっと正確にいえば「陰謀の動機の存在」を否定しているわけではいません。

ただしこれだけ複雑な世界に、先を見越してすべての情報を知りながら次の一手を的確に出し、しかも色々な考え方を持っている多数の(非合理的な)人間をそこまで操作することができるのかといえば、それはちょっと無理だろう、というのが妥当なところかと。

ということで、私は最近どんどんと不可知論的になってきてしまっているのですが、その中では地理という要素だけはあまり変化しない変数であるために、やっぱり地政学かなぁというのは我田引水的でしょうか。

関係ないですが、新しく翻訳する本が決定しました。けっこうな大著なのですが、近日中にあらためてここで報告したいと思います。
Commented by えんき at 2013-05-30 01:04 x
確かにそうですね。完全に一方通行の陰謀など有り得ず、複数の勢力が戦うのが道理です。多くの陰謀論者の情けない処は、相手を上回る戦略を構築して勝とうという意思が、そもそも無い事です。

諸々の陰謀論の元ネタは、大英帝国の世界征服構想にあると思われますが、その大英帝国に引導を渡したのが他ならぬ日本なのですから、自らを無力だと思うのは可笑しな話なのです。
Commented by 無花果 at 2013-05-31 10:31 x
全面的に同意します。
それに、願望や意志と、その実現能力は完全には無関係ではありませんが、別物ですから。
by masa_the_man | 2013-05-29 22:24 | 日記 | Comments(2)