戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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中国と北朝鮮の動きについて

今日の横浜北部はよく晴れまして、とうとう半袖で一日過ごしております。

久々に記事の要約です。ここ数日の飯島元秘書官の北朝鮮訪問の動きにも関係するような内容です。

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中国のチェス遊戯
By ロビン・メレディス

●北朝鮮にたいする外交での駆け引きでの選択肢は限られており、影響力を行使できるのは中国だけだ。したがって、アメリカをはじめとする世界の国々は、核武装してはしゃぎ回る平壌をたしなめる役割を北京政府に期待している。

●ところが中国は北朝鮮との貿易を遮断しようとしてしていないし、石油の運搬を止めていないし、軍事的な依存状態をカットしていないため、北朝鮮が脅威を煽っている責任を北京のせいであると非難しているのだ。

●ところが北京側からすれば、事情はもっと複雑だ。中国のトップたちは平壌への圧力をかける代わりにその見返りを欲しいのであり、中国はアメリカとの北朝鮮問題の議論に、日本も加えてきたのだ。中国にとって、米中北の「三角」関係は「四角」関係に変形してきたのだ。

●国連は三月から北朝鮮の核実験のあとに制裁を加えているのだが、それ以降の金正恩政権は主にアメリカと韓国にたいして激しい口調の声明を連発し、5万人の北朝鮮人が働いている韓国との大規模な開城での唯一の共同プロジェクトも終了させている。

●北朝鮮問題は、先月北京で開催されたアメリカ側の政府高官を招いた会議で議題に上がっている。この時に来たのはジョン・ケリー国務長官や統幕長のマーティン・デンプシー将軍である。

●ところが今回アメリカは、北京官僚たちから新しいメッセージを聞いた。それは「アメリカさん、あなたの同盟国である日本に圧力をかけて、日中関係を緩和するようにして下さい」というものだった。

●中国が北朝鮮の問題に対処する際に見返りを求めるというのは当然であろう。アメリカと中国は意見が異なること問題に関して、かなり異なる別々のアプローチをするものだからだ。

●アメリカ側はほとんど法務的なアプローチを個別のケースとして扱いながら使う。その反対に北京は数多くの問題をまとめて扱う傾向があり、他国同士を争わせることができればなお良いという考え方をする。

●国際危機グループ(IGS)のソウルに拠点を置く北東アジア副プロジェクトディレクターのダニエル・ピンクストンは「中国ではこのような問題のリンケージは非常にポピュラーなやり方です」と述べている。

●中国の急速な台頭により、ワシントン政府は北京の複雑な見返りを求める外交のやり方に早く慣れる必要があるかもしれない。

●日本はこの地域における最強の同盟国であろう。しかし中国は日本のことを「波乱に富んだ過去を持つトラブルメーカーだ」と見なしており、この見方は去年の12月に安倍首相が政権についてからとくに強まっている。

●安倍政権は閣僚が靖国神社に参拝したことで中国の怒りを買っている。また、中国にとって領土の保全を冒すという意味で尖閣を購入しているのだ(もちろん日本は別の見解をもっているが、それはそれだ)。

●中国は日本のこのような行動の責任の一旦がアメリカにあると考えており、米国の「アジア回帰」が東京や他のアジアの同盟国を勇気づけて北京に反抗させることになったと信じているのだ。

●ところが米中間の長期的な利益にとって最も重要なことを、米国が同盟国をけしかけたという前例がある。それは台湾だ。

●十年ほど前のことだが、台湾の元総統である陳水辺が中国との緊張関係を増加させていた時に、アメリカの外交官たちは台北政府にたいして「もし台湾が何もしていないのに中国に攻められたらアメリカは台湾を軍事的に守りる」と約束してしまったのである

●ところがアメリカの外交官たちは非公式な場では「もし台湾が独立宣言をして攻撃を引き起こすようなことをしたら助けませんよ」と言っている。これは実質的にアメリカが同盟国よりも中国を選んだということだ。

●もちろん中国は常にこのように得をするわけではないし、それはアメリカも同じだ。

●ところがアメリカが今後も中国と良い関係を続けたいのであれば、アメリカ式のチェッカーではなく、中国式のチェスを行うべきなのだ。

●先週の火曜日に中国はアメリカが長年待ち望んでいたことを実行した。それは中国の国営銀行が北朝鮮の金融機関との取引を停止したことだ。同じ日に日本の二人の政府高官が中国側の長年の望みをかなえた。それは安倍首相が河野談話を見直さないと宣言したことである。

この二つが単なる「偶然の一致」か「駆け引き」なのかはわからないが、この二つはアジアの緊張を緩和する役割を果たしたのだ。

●超大国が急速に台頭する新興国と協力することができるとすれば、これは米中関係のもう一つの基礎となるのであり、世界はより安定的になるのである。

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ある意味で新しい「G-2」論ともいえますが、飯島元秘書官の動きもからめて考えると、米中日(しかし韓国抜き)で色々と事態が動いているということもあるかもしれません。

そういう意味で、橋下市長の「失言」というのはいいカモフラージュになっているという分析もできますね。
by masa_the_man | 2013-05-15 17:01 | 日記 | Comments(0)