戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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なぜ本物の戦略論では「勝ち方」を教えないのか:その2

今日の横浜北部は昼すぎからスッキリ晴れました。快晴でしたね!

さて、昨日の話の続きを。

では「本物の戦略論の本」にはどういうことが書いてあるのでしょう?

たとえばその「本物の戦略本」であるクラウゼヴィッツの『戦争論』ですが、最も有名な概念として「摩擦」というものが出てきます。

ではこの「摩擦」とは何かというと、ごく簡単にいえば「戦争や戦略を計画通りには行かせてくれないさまざまな要素」のことです。

いいかえれば、クラウゼヴィッツはこの概念を説明することによって「戦争や戦略なんつーものは計画通りに行かんのよ!」と言いたいわけですな。

もちろん「こんなものは当たり前じゃんか!」と皆さんは思いがちですが、実際に個人生活の上で何かを実行しようとすると、やっぱり「摩擦」が発生して、完全に自分が思った通りにものごとは進みません。

個人の生活のレベルでそうなんですから、それが国家が威信をかけて集団で戦う戦争だったらなおさらのこと。

しかしこのような単純なことを、心の底から理解している人は本当に少ないわけで、だからこそクラウゼヴィッツの警告の価値がいまだにあるということになるのです。

もう一つ別の例を出しましょうか。

これもクラウゼヴィッツですが、彼は『戦争論』の中で「戦争はトランプのゲームに似ている」ということを述べております。

これについても「そんなの当たり前じゃんか」とまたしかられてしまいそうですが、実際はやっぱりこれをわかっていない人が本当に多すぎるわけです。

だからこそ孫崎氏のように「戦略は相手の出方で最適解が変わる」ということを、ゲーム理論などからわざわざ引っ張ってきて、実際はすでにクラウゼヴィッツがトランプの例を出して言っていた「彼我の相互作用」というものを、まるで「新境地を開いた」ものであるかのように解説してしまうことになるわけです。

ところがグレイが『戦略の格言』の中の「格言15」でも言っているように、

今日の「流行のコンセプト」というのは、明日になると陳腐化するのだが、それもいつかは再発見、再利用されて、「新しい真理」として啓示される

というのは真実なのでありまして、ホワイトヘッドが言ったとされる「西洋哲学の歴史とは、プラトンへの膨大な注釈である」というのと近いわけです。

つまり戦略に関しては、すでにそのほとんどが色々な人々に言い尽くされているというわけです。

だからこそ、「本物の戦略の本」を読む必要が出てくるわけですが、まだまだ書き足りないので、つづきはまた明日。
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Commented by チキンホーク at 2013-05-03 23:54 x
データサイエンティストたちは将来性、可能性を感じますね。
彼らの数字は説得力があります。
by masa_the_man | 2013-05-02 23:33 | 日記 | Comments(1)