戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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ボイドによる「戦略の発想法」

今日の横浜北部は昼間少し雨が降りましたが、午後になって晴れました。しかし昨日の夜からけっこう冷えてますね。

さて、昨日はボイドについてクラウゼヴィッツ学会で発表をさせていただきましたが、彼についてリサーチをしていた時に面白いと思ったものがあったので、メモ代わりに書いておきます。

ボイドはあらゆる生物や人間、そして組織などが生き残るときに必要となる「戦略」(というより戦術)を思いつけるかどうかというのは、以下の四つのものを思う浮かべて、そこから「生成・統合」的に何を想像することができるのかということを聴衆に聞いておりました。

これは「ボイド・クイズ」と呼ばれていたらしいのですが、この例題をここでも出してみましょう。

まず以下の四つのイメージを思い浮かべて下さい。その後に、そこから何を想像できるのか思い浮かべてみて下さい。

1、あなたは今、北海道の雪山にに来ています。するとそのすぐ横を、あなたの友人がものすごい勢いでスキ―で滑り降りていきます。このイメージを覚えておいて下さい。

2、あなたは今、春の暖かい日に湘南の海岸沿いまで来ています。友達と一緒に船で釣りに出かけようということになり、船外機のついたボードを借りて沖に向かいました。このイメージも覚えておいて下さい。

3、あなたは今、博多まで観光にきております。ここは坂があまりないのでサイクリングに最適です。自転車で町を散策しに行こうということになり、ハンドルをにぎって走り始めました。このイメージも覚えておいて下さい。

4、あなたはいま、大きなショッピングモールの中にある「トイザらス」に来ていて、子供にゴムのキャタピラのついたブルドーザーのおもちゃを買ってあげようとしております。このイメージも覚えておいて下さい。

さて、この四つのイメージから何が想像できますか?答えは下に。





























答えです。

それは「スノーモービル」です。

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答えを知ってしまうと「なんじゃそりゃ」ということですが、この問題の問いかけには、われわれが一般的に見逃しがちな非常に重要なことが含まれております。

それは何かというと、

われわれは一つのものごとや現象を要素ごとに分解(分析)するのは得意だし、実際にそのような教育を学校で受けるのだが、戦略的思考に本当に必要となる、いくつかの要素をつなぎ合わせて大きなイメージをつくるような訓練は、教育であまり受けていない

ということです。これが「統合」(synthesis)ということですね。分析(analysis)の反対です。

ボイドによれば、戦略的思考には細かい要素にわけて「分析」する能力よりも、むしろ細かい変化をつなぎ合わせてどのような大きな変化がわれわれを取り囲んでいる環境で起こっているかに気づいて、それにたいしてイノベートや適応を行うことにより、次の一手を出していくことが大切、ということらしいのです。

まさに戦闘機乗りの勝負から編み出した戦略(戦術)論ということですが、このような考え方はかなり一般化できる面白いものであるということで、昨日の発表で触れてみました。

これからもボイドのネタについてはチャンスがあれば色々と書いてみたいと思っております。
Commented by えんき at 2013-04-11 21:45 x
正に我が意を得たりです。安倍政権もこれに気付いて、全俯瞰教育を復活させようとしているようです。
by masa_the_man | 2013-04-11 17:22 | 日記 | Comments(1)