戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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退屈で孤独な時間が、創造性を高める

今日のイギリス南部は朝から天気が悪く、昼前から雪が降りました。まだ真冬で、このような状態があと一ヶ月続くそうです。

元コースメイトの英人女子二人とめちゃめちゃビッグなランチを食べまして、そこで聞いた話がなかなか面白かったのでここに書こうと思ったのですが、例の「累積・順次戦略」とスーザン・ケインの『クワイエット』という本の話を裏付けるような非常に興味深い記事がBBCに載っていたので、今日はその要約を。

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子供を「退屈」にさせるべきだ
By ハナ・リチャードソン

●テレサ・ベルトン博士がBBCに語ったところによると、「子供を常に行動的にしておくべきだ」というわれわれの文化的な刷り込みは、逆に彼らの想像力の発達を妨げることになるらしい。

●彼女は、作家のミーラ・シアルと芸術家のグレイソン・ペリーに、子供時代にいかに退屈な時間が彼らの創造性をつけるのに役立ったのかを聞いたという。

●シアル女史は退屈な時間のおかげで書くことが好きになり、ペリー氏の場合はそれが「創造的な状態」であったと答えている。

●イーストアングリア大学の教育学部の研究者であるベルトン博士は、数多くの著者、芸術家、そして科学者たちに退屈な時間の効果についてインタビューしている。その中で、彼女はシアル女史があまり刺激のない小さな鉱山の町で生まれ育ったと聞いた。

●ベルトン博士は「そのような小さな町ではあまりにもやることがなかったので、他の場所ではありえないこと、たとえば近所の老人と話をすることや、ケーキの焼き方を教わったりする経験を得ることができたのでしょう」と述べている。

退屈な時間というのは孤独と関係していることが多く、シアル女史は若い時に窓の外の野原や森、そして天候や季節の変化を何時間も見つめたりしていたという。

●「ところが退屈な時間が彼女にものを書かせることになったのです。彼女は若い時から日記をつけはじめ、そこに日頃みたことの観察や、短い物語、詩、そして痛烈な批判などを書いていたのです。彼女はこのような若い頃の時間の過ごし方が、のちに作家になるのに役に立ったと言ってます」

●喜劇女優から作家になった彼女は、「何も書かれていない紙一枚と、強制的な孤独の時間というのは、すばらしい刺激になります」と述べている。

●ペリー氏は、退屈な時間は大人にとっても有益なものだと言っている。

●「年をとってから、私はいままでよりもさらに内省と退屈な時間を大切にするようになりました。退屈な時間というのは創造的な状態なのです」とは彼の弁。

●スーザン・グリーンフィールド教授は神経科学と脳の劣化の専門家であるが、彼女もベルトン博士にたいして、若い頃は家が貧乏で、13歳まで兄弟がいなかったと語っている。「彼女も自分で勝手に話をつくったりその話の絵を書いたり、図書館に行ったりしていたようです。」

●ベルトン博士の専門は、情動が行動と学習に与える影響だが、退屈な時間は「あまり心地よい感情ではない」ことがあるため、いままでの社会は「つねに感情をどこかに向けさせて刺激するように発展してきたのです」と言っている。

●ところが彼女は、創造性を発揮するためには「内的な刺激を発展させることができないとダメ」と警告しているのだ。

●彼女は「自然は真空を嫌うものであり、われわれはそれを埋めようとしてしまうのです」と言っている。ところが「若者の中には、内的に考える力がなかったり、そのような退屈な時間にたいして創造的に対処することができない人たちもいるため、バスの待ち合い場所のガラスを壊したり、盗んだ車で暴走したりすることにつながってしまうのです」と言っている。

●ベルトン博士は以前にテレビやビデオが子供の書く能力にどのような影響を及ぼすのかを研究していたが、「子供たちはやることがなくなるとすぐにテレビやパソコン、それに携帯や何かの画面をみたがるようになるのです。そして彼らがこれらを見る時間は増えています」と述べている。

●「ところが子供にはボーッと立って眺めるような時間、つまり想像して自分自身の考えのプロセスを追求したり、自分たちの経験を遊びや周辺の世界を観察することによって理解するような時間が必要なのです」とは彼女の弁。これこそが彼らの想像力を刺激するものであり、その逆に画面を眺めることは創造性を発揮するためのプロセスと発展を簡略化してしまう傾向があるという。

●これについてシアル女史は「他に何もすることがなかったし、何も失うものはなかったから書くことを始めました。惰性とヒマつぶし以外に理由がないから創造的になれるのです」と述べている。

●ベルトン氏も「創造性を発揮するためには、われわれはものごとをスローダウンさせて、時々オフラインの状態に身を置く必要があるのです」と結論づけている。

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言わずもがな、これはまさに私が以下のCDで解説していることそのままです。

▼若きクリエイターたちへ捧ぐ!
累積戦略と順次戦略
~スーザン・ケインの『Quiet(クワイエット)』を読み解く:引きこもりが勝利する時代~

明日は友人に聞いた話などを中心に書きます。

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(本日の雪景色)
Commented by しまだ@Quiet at 2013-03-25 21:59 x
「人間は習慣の生き物」と言った人がいますが、良き習慣を積み重ね、悪しき習慣を絶つ累積戦略を(意識的にまたは無意識に)知っているひとこそが何かを成し遂げるひとなんだと腑に落ちました。

人間だれもが明確なビジョンを観て生きているわけではないので、とりあえず累積戦略をとことん徹底してみて、そこから何かを見つけるというプロセスも必要なのかもしれません。

わたしのように「戦略の階層」の「世界観」なり「大戦略」がはっきりではないひとは、「累積戦略」が入口の方がもしかしたらスッキリするかもしれません。

1万時間の法則というのが出てきましたが、わたしの場合は最近嵌っているパーリ仏典と合気道の先生の呼吸法に1万時間を使いたいという欲求がわいてきました。

どうもありがとうございます。
by masa_the_man | 2013-03-24 06:02 | 日記 | Comments(1)