戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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傭兵の倫理問題

今日のイギリス南部は、昼までは晴れていたのですが、午後から段々と天候が悪くなってきて、夜になって雨でした。しかも風があって凍えるほど寒い。

さて、同じコースの後輩に今日聞いた話をひとつ。

この後輩は若いドイツ人で、彼の専門は「傭兵の倫理」という渋いもの。

彼は私がコースを修了する半年くらいから始めて、今年の九月に論文を提出するとのこと。その内容を学校の中にあるパブでラガー(フォスターズ)を飲みながら披露してくれました。

時間がないので、例のごとく箇条書きで。

●「傭兵」(マーセナリーズ) は、一般的には古代からあると言われているが、実は現代の民間軍事会社(PMC)と昔のそれは全然違う。

●昔は、現在のような「傭兵」という概念はなかった。

●「傭兵」の歴史に関する現在の学術界の研究は、しっかとした歴史研究をしていない。とくに中世のラテン語の文献まで調べて書いているものは皆無。

●現代の「傭兵」はグレーゾーンにある。だからこそ便利。

●現在のPMCの多くは、むしろ各国政府に国際的な法律や制度を作ってもらいたいと考えている。

ピーター・シンガーの本はPMCについてよく調べて書かれているが、それでも内容はジャーナリスティックで、理論や哲学・倫理面までには全然踏み込んでいない。

●現在のPMCはイギリスのSASの創設に関わった人物が60年代につくった会社が最初。

●アメリカはリビアなどをはじめとする相手側が「傭兵」を使っているとして道徳的な面を非難するが、実際に自分たちが攻撃する際に真っ先に戦闘に行かせるのがPMCだったりする。

●国連憲章などでは「傭兵」を使うことは違法だということになっている。ところが誰もその違法性については問いたださない。グレーだから。

●PMCの人間が戦闘で殺されても、当たり前だが政府からの補償みたいなものは皆無。ここの倫理問題が将来的にまずいことになる。

●フランスの外人部隊は有名だが、ここにはけっこうな数の日本人が所属している。

●この外人部隊で少しでもケガしたりすると、自動的にフランスの市民権がもらえる。「フランスのために血を流したから」という理由。普通はかなりの年数を全うしないともらえない。

以上です。

こんど彼が書いた論文を読ませてもらうことになるので、その要約をいずれここにアップする予定です。
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(プライマーク)
by masa_the_man | 2013-03-23 11:49 | 日記 | Comments(0)