戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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子供の行動にはテレビ番組の内容が影響する?

昨日の横浜北部はまたも快晴でした。気温はやや上がりましたね。

さて、私は国際政治における「戦略」というものを学んできたために、どうしても「プロパガンダ」と「メディア」ということを意識してしまいがちなのですが、最近のアメリカの実験結果として面白いものがありましたので、その記事の要約を。

これがどこまで大人のケースにも適応できるのかわかりませんが、逆にテレビなどの目に触れるメディアを遮断/制限するというのは現代の一つの選択肢として極めて重要なのかと考えております。

そういう意味で、この実験結果は私がこの前つくった「累積・順次戦略」のCDの内容にも関わってくるものであると感じています。

人間というのは口に入れる食べ物にについてはあれほど気をつけるのに、耳にするものや見るものについてはほとんど気にしないという不思議な習性がある、ということも言えそうな。

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優しい子に育てたいなら良い番組を見させろ
Byキャサリン・セント・ルイス

●専門家たちは、昔から子供がテレビに映っている行動を――それが良いものであれ悪いものであれ――マネするものであることを知っている。それでもこれが幼い子供たちの家庭におけるテレビの見方を変えることにはつながっていない。

●先週出版された小児科専門誌に含まれている研究によれば、小学校前の子供たちに暴力的なビデオやテレビ番組を見せないよう制限して、教育番組を見る時間を増やすような実験すると、子供たちの「共感力」が上がるという結果が出たという。

●この実験では、制限された番組を見た子供たちは、どの番組を見てもよいとした子供たちのグループに比べて、他人にたいする攻撃性が減少したというのだ。

●この実験には関わっていないが、あるスタンフォードの教授は「これが一つの解決を示しているのかもしれません」と述べている。

●「子供に大人向けのテレビ番組の視聴を制限し、より攻撃的ではない、向社会的なテレビ番組を見せるような介入を行うことによって、われわれは子供たちの行動に効果を与えることができるかもしれないということです」

●この実験では小学校前の子供たちの行動に「小規模から中規模の効果」があることが示されたわけだが、この教授は「世間一般的にとっても大きい意味がある」と言っている。

●この研究はこの分野では珍しい無作為試験で行われており、3歳から5歳までの子供を持つ565組の親を二組にわけて実験している。

●この二組とも子供の毎日のテレビの視聴のパターンと子供の行動(とくに他人への優しさと暴力を使わない問題の解決法)が関係しているかどうかを調べることを説明されている。

●対照群となるグループのほうには、両親にたいして「子供によい食事を与えてください」というアドバイスがなされた。

●もう一方のグループの両親たちには子供たちによいとされるポジティブな番組表や、子供と一緒にテレビを見て番組の途中に、どうやったら問題を解決すればいいのかを聞くことをアドバイスするようなニュースレターが送られ、さらには毎月一度、その研究者たちから電話をかけるようにした。

●研究者たちはこの両親たちに六ヶ月後と一年後に連絡をとって、子供の社会的な行動について調査を行っている。

●六ヶ月後の結果:アドバイスを受けていたほうの両親の子供たちは、別の対照群のグループの子供たちよりもあまり攻撃的ではなくなったという。より暴力的ではない番組を見た子供たちは社会的な適正能力の試験でも高い点数をつけており、これは一年後の調査でも全く同じ結果が出ている。

●しかもこれは、とくに低所得層の男子に大きな改善が見られるという。ただし研究者たちはこの理由はわからないとしている。

●この二つのグループでは、テレビを見ていた時間そのものに違いはなかった。

●この実験を主導した教授は「両親にとって大事なのは、テレビを消すことだけでなく、チャンネルを変えてあげるということです。子供によい行動をしてもらいたいと思ったら、その手始めに消費するメディアを変えるのは一つの手ですね」と言っている。

●この実験に参加した物書きをやっている親の一人は、いままでこれほどいい番組があるとは思っていなかったという。それまで三歳の娘に見せていたのはオッサンたちがビールを飲みながら近所のゴシップを語る「キング・オブ・ヒル」(写真下)で、たしかに面白いが、三歳に見せる番組じゃないと実感したという。
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●この親は、最近になってから自分の娘たちが上質な番組を見れるようなNPOにアドバイスをしているという。彼女の娘はすでに六歳になっており、やはりそれほど攻撃的ではないと答えている。

●この娘が通っている学校の先生は、彼女のことを「とても思いやりのある子ですね」と褒めたというが、この親はテレビ番組の選択がその一因だと考えている

●もちろんこの実験には限界があることを専門家たちは指摘している。なぜならこの結果というのは、子供たちの両親という、完全に客観的とはいえない存在から答えを聞いているからだ。

●それにこの実験では家で見るテレビ番組の中身だけを見ており、それ以外の場所で見られている番組などは考慮していないからだ。

===

たしかにこの実験もツッコミどころはありそうですが、鈍感になっているとはいえ、大人も小学生前の子供と同じように外からの入力信号にさらされていて、それが溜まって(累積的な効果を上げて)その人の気分に影響しているということはいえそうな。

しかしこういう内容の記事というのは、やはりゲームやアニメが好きな人たちにとってはウケが良くないんだろうなぁと思いますが(苦笑

この辺の話題については、私が定期的に執筆を担当している「アメリカ通信」というメールマガジン誌上でも、逐次取り上げてゆきたいと思っております。

ちなみに戦略学の分野に関していえば、下の古典的な研究がとても参考になると思います。これはベトナム戦争における兵士の訓練における映像の活用法などに警鐘を鳴らしておりましたね。

同じことは現在の無人機パイロットの訓練、またはアルカイダなどのテロリストたちの訓練にもいえるかと。
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Commented at 2013-02-27 12:25 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by えんき at 2013-02-28 00:01 x
近頃の映画やゲームは事細かにレーティングがされているみたいですが、TV番組にもそれが必要なのかもしれません。一々親がチャンネルを変えるのは面倒だと思うので、テレビ側の設定でレーティングに合う番組だけを映る様にすれば良いんじゃないでしょうか。
Commented by ばん at 2013-02-28 00:13 x
お久しぶりです

うちの子供にはNHK教育の夕方4時~6:20までしか見せないようにしているのですが、これはこの論文に基づくと勝ち組(古)と言うことですな(爆)
Commented by masa_the_man at 2013-03-07 10:52
waterloo さんへ

>作りになってますから。

なるほど〜。

>そういう意味では、神話や民話や小説、ロックスターまで

ありますね

>一貫してストーリーが「そんな事も知らなかったなんて恥ずかしいわ(知っている私は恥ずかしくない)」で作られています

いわれてみれば納得。もう一度読み返したくなりました(笑

>プレイヤーに合わせる作りになっている気がします。

ここで紹介した本ではかなり実績がある風のことを書いてました。実は私もよくわからないのですが・・・。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2013-03-07 10:52
えんき さんへ

>テレビ側の設定でレーティングに合う番組だけを映る様にすれば良いんじゃないでしょうか。

なんかそういうシステムがもうできているという話をどこかで聞いたような・・・。まあできそうですよね。コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2013-03-07 10:53
ばん さんへ

>これはこの論文に基づくと勝ち組(古)

かもしれませんなぁ(笑)コメントありがとうございました
Commented by masa_the_man at 2013-03-07 10:54
チキンホークさんへ

>日本人の負けパターンをうまく描いていると思います。

見たことないのでわからんですなぁ。ちょっと時間をつくって鑑賞しなければ。

>これって本当?これが現実?地政学的にみて、起こりうることなのですか?

それも見たことないです(苦笑)見たい映画がどんどん増えていく・・・コメントありがとうございました
Commented at 2013-03-07 22:00 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by masa_the_man | 2013-02-27 06:00 | 日記 | Comments(8)