日本の産業構造の変化について |
そこで聞いた貴重なことを、いつものようなポイントフォームで、メモ代わりに書いておきます。
●イノベーションについて色々な識者に話を聞くが、とくに世代間の認識と定義のギャップが大きすぎで話が混乱している。
●「ものづくり」にこだわる古い世代は、バブルまでの強烈な成功体験にしばられている。この世代の人々にとっての「イノベーション」というのは「技術革新」のこと。
●ところが若い世代にとっての「イノベーション」というのはどちらかというと「テクノロジーによる社会変革」という意味になる。仕事の仕方やビジネスの仕組みそのものが変わるという感覚。
●料理サイト、クックパッドvs楽天.当初はポイントがたまる楽天の圧勝と見られていたが、無料のクックパッドが圧勝。お金が発生すると「仕事」になってしまい、読者が投稿しなくなる。人間の心理の理解が必要。
●これから日本が世界で勝負していくときに、どうしても必要になってくる知識が心理学的なアプローチであると感じて、そっち方面の先生に色々と聞きに行った。
●日本の企業にはまだ本当の「危機感」が足りない。若い世代も「今が一番しあわせ」と保守的に。
●「武器捨て本」を読んでから「戦略の階層」を使って日本の業界の人たちに「コントロールすべきだ」という話をすると、どうしても「ああ、国際標準を狙うことね」となってしまう。自らが相手や状況をコントロールしようという意識が徹底的に欠けている。
●40億人いるとされるBOP層も、実は生活必需品以外の娯楽や通信などへの支出が増えている。ここを見誤ってはいけない。
●日本市場において「所有」の価値観は下がってきている。むしろ今後や「体験」や「利用」という方向へ向かう。
●大学の先生のレベルまで内向き志向が強まっている。彼らがよく言うのが「日本で世界レベルの研究ができるからねぇ」。
●いまは車という単体だけではなく、それに色々な価値をつけることが増えてきた。まだGT-RとかフェアレディZだけでも売れるが、今後はそれにもっと別のものをつける必要が出てくるはず。
●イギリスのある会社は半導体の設計だけをやっていて、それで産業になんとかからんでいるところもある。
●日本人が徹底的に下手なのが議論。プレゼンはまあできるが、議論となると、相手の意見を聞いて共通点と相違点の違いを明確にして、それを建設的な方向に修正して主張するという訓練を学校で全く受けていない。
●「技術」で勝る日本が「事業」で負けている。
●日本の文化はかわらないことを非常に大事にする。「お変わりありませんか」という言葉。歌詞の中にも「いつまでも変わらない君のままでいて」など。
●日本がまだ強いのは自動車や精密機器、それに素材や部品などの「すりあわせ型産業」
●ところが最近凋落が激しいのが「モジュール型」と呼ばれる、パソコンや携帯など。
以上。
他にも思いついたら後で書き足します。