戦略や地政学の視点から国際政治や社会の動きを分析中


by masa_the_man
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抽象度を高めた経営戦略理論

今日の横浜北部は風が吹いてて寒いですが、またまた快晴です。

さて、久しぶりに日本語の本でおススメのものを。

戦略の階層」にも通じる、中身の詰まった論文集です。

コンテクストデザイン戦略: 価値発現のための理論と実践
by 原田 保, 高井 透, 三浦 俊彦, 戦略研究学会(編集)

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私が所属する戦略研究学会の、経営系の上層部の方々がまとめた本です。

いままで私が読んできた経営系の戦略というのは、どうしても「戦略」というよりは「戦術」レベルの抽象度の低いレベルでも議論をしているものが多かったのですが、この本は従来の「コンテンツ」よりも「コンテクスト」という抽象度の高いところに注目している優れもの。

何よりもケーススタディが豊富で、AKBから東ハトのハバネロ、サントリーの角ハイボールから初音ミクまで、かなり意外な事例をこれでもかというくらい詰め込んであります。

難点といえば、やや事例が多すぎる(?)ために全体的な統一感に微妙に欠けることや、ケースが陳腐化しやすいところでしょうか。

また、論文集という形の学術書として書かれているために、文章もやや硬めで、値段もそれほどフレンドリーではないというところ。

ただし「戦略の階層」における思考の抽象度を上げた問題解決の注目の仕方を学ぶという意味では「コンテクスト」という切り口で考えることは極めて重要かと。

そういえば私が翻訳した『戦略の格言』でも「コンテクストが全てである」というものがありましたが、経営系の戦略と軍事系の戦略で共通項をみることができるという意味でとても面白い。
by masa_the_man | 2013-02-25 12:07 | おススメの本 | Comments(0)